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アンチAGEで、アンチエイジング。抗糖化の基礎知識

2018/06/27 23:00 投稿

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ふっくら焼きあがったホットケーキや、香ばしいステーキの焦げ目。この、いかにも美味しそうな“きつね色”が、老化の要因のひとつだった……そんなショッキングな事実を知りました。教えてくださったのは、糖尿病と老化研究の第一人者である山岸昌一先生。“きつね色”の正体、AGEがもたらすさまざまなリスクと、AGEをためない健康的な食事法についてうかがいました。

“老け顔”の人は早死にする?

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早くからAGE(エージーイー)に注目し、500本以上の論文を発表している山岸先生。『老化物質AGEをためないレシピ』(パンローリング株式会社)など、AGEを抑える食生活を説いた著書も出版しています。

AGE(終末糖化産物)とは、Advanced Glycation End Productsの頭文字をとった言葉です。 Glycationは糖化反応という意味。糖化と書きますが、糖は“化ける”のではなく“化かす”側で、化かされるのはタンパク質です。タンパク質は糖まみれになると、劣化して機能が落ち、老化タンパク質になります。それがAGEで、いろいろな病気や老化の原因物質と考えられています」(山岸先生)

アミノ酸からできるタンパク質は、人間の生命活動のほとんどを司っています。AGEには紫外線と同じはたらきがあるといい、皮ふにたまればシミ、シワ、たるみの原因に。髪にたまればツヤが失われ、パサパサになったり薄毛になったり。見た目の老化だけではありません。関節の痛み、動脈硬化、アルツハイマー病、がん、骨粗鬆症、歯周病、更年期障害など、これまで老化のひとつと捉えられてきた、さまざまな疾患と関連することがわかってきたといいます。

「皮ふのAGE値は、見た目年齢や握力の低下と相関しています。いわゆる“老け顔”は、身体の老化を判断する医学的な指標になる。極端な薄毛だったり、老人に特有のシワ(目頭、耳たぶ周辺など)があったりする“老け顔”の人は、早死にする傾向があります」(山岸先生)

タンパク質に糖がくっついただけの段階なら、元の正常なタンパク質に戻ることもできます。しかし時間が経過してAGEになると、もう元には戻りません。一度できると身体に記憶され、まわりのタンパク質もAGEに変えながら居座り続ける、それがAGEだと山岸先生は話します。

タンパク質+糖質+熱=糖化

では、AGEを増やさないためにはどうしたらいいのでしょうか?

AGEができるのには、主にふたつの道があります。ひとつはカラダの内部での変化。AGEは、血中のブドウ糖が過剰になる、つまり高血糖になることで作られます。

過去にどれくらい高血糖にさらされたかが、その後の合併症の進展を左右する。これを私たちは高血糖の呪い(高血糖の記憶)と呼んでいます。糖尿病の方は高血糖が持続するので、タンパク質がさらに糖化されやすくなります。糖尿病はAGEのもっともわかりやすい例ですが、糖尿病でなくてもAGEはたまります。人間は生きていくために糖をエネルギーとして使っているので、毎日少しずつAGEが蓄積するのを避けることはできません。加齢ととともにAGEが増えるのは、AGEと接触する期間が長いからです」(山岸先生)

もうひとつの道は食事から。AGEがたくさん含まれる高AGE含有食品を食べるほど、体内にAGEがたまっていきます。冒頭でご紹介したホットケーキやステーキなど、美味しそうな食べ物ほど高AGEだなんて皮肉です。

タンパク質+糖質+熱=糖化、とおぼえてください。美味しそうな茶色の焼き色がついているものにはAGEがたっぷり。油を使った高温調理はAGEを増やします。揚げ物、焼き物を避け、煮たりゆでたりする調理法を増やして。食後の血糖値上昇を防ぐ食べ方を工夫してください」(山岸先生)

山岸先生がすすめる「AGEを増やさない食べ方」は下記の通りです。

AGEは調理のしかたで変わる。AGEが増えていく順番は、「生」「蒸す・ゆでる」「煮る」「炒める」「焼く」「揚げる」と覚えておく。 電子レンジ調理もAGEを増やすので使いすぎないこと。10分以上の加熱はNG。 早食い、まとめ食いはNG。よく噛んでゆっくり食べる。 野菜、繊維質の食品から食べる。 低GI食品を増やす。 食後はこまめに家事をするなど、軽く身体を動かすとよい。 外食時はAGE含有量の低いメニューをチョイスしましょう。ピザや焼き肉、ポテトフライなど、若者や男性が好みそうなものにはAGEが多い。食べ物222品目のAGE値を記載した『exAGEハンドブック』(一般社団法人AGE研究協会)などを参照のこと。(一日に摂取するAGEは15000AGEが許容量で、病院食は14000AGEを目安にしているそう。1品で許容量を大きく超える食べ物もたくさんあって、ピザは半ピースで23000AGEくらいあるとか! 食べるのがちょっと怖くなってしまいますね。)

スルフォラファンの抗AGE効果に期待

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山岸先生によると、AGEの元になる糖質が多い食品としてもっとも注意すべきなのは人工甘味料を加えたジュース。甘い清涼飲料水はもちろん、繊維質が取り除かれた野菜ジュースや濃縮還元のフルーツジュースも糖分を吸収しやすいとのこと。

「果物も種類によっていい悪いがあって、ブルーベリーなど紫色の果物はいいけれど、メロンなどはAGEが多いので食べすぎてはいけません。ただ、一種類だけを過剰摂取するフードファティズムには注意してください。なにかメリットがあるとしても、AGE含有量が多い場合があります」(山岸先生)

気になるのは、AGEを減らしてくれる、抗AGE効果のある食品は存在するのか……ということ。残念ながらそうした食品は限られていますが、ファイトケミカルのひとつであるスルフォラファンには、AGE化を抑えるはたらきがあることがわかってきたといいます。

スルフォラファンは、タンパク質がAGEになるのを防ぐはたらきがあります。また、AGEは細胞にある“鍵穴”にはまり込んで悪さをするのですが、スルフォラファンには“鍵穴”を隠して、細胞をAGEから守るはたらきもあるようです」(山岸先生)

スルフォラファンは、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ケールなど、主にアブラナ科の植物に含まれる“辛み成分”。なかでも発芽3日目のブロッコリーの新芽であるブロッコリー スーパースプラウトの抗AGE効果は強力です。実験で毎日25グラム(半パック)のブロッコリー スーパースプラウトを2ヶ月摂取したところ、血中AGEレベルが有意に低下したというから期待大。

「噛むことでスルフォラファンが発生するので、基本的には生で食べてください。ブロッコリーをゆでたときは、辛子、わさび、大根おろしなど“辛み”のある薬味を添えるといいでしょう」(山岸先生)

現在、山岸先生はスルフォラファンのように“鍵穴”をふさぎ、AGE化を防ぐ治療薬の研究を進めています。夢の新薬開発が待ち遠しいですが、まずはできるだけAGEをためない食習慣をつくることが大切。

「AGEが作られる量の割合は、外から食品として入ってくるのが1/3、体内で作られるのが2/3。食べ物がかなりのウェイトを占めるので、食生活にはぜひ気をつけてください」(山岸先生)

村上農園

山岸昌一

医学博士。内科医。久留米大学医学部教授。循環器、糖尿病、高血圧と多岐にわたる生活習慣病領域の専門医として診療に携わる一方で、糖尿病と血管合併症の研究から老化の原因物質AGEに着目。AGEに関する最新データを次々と発表し、その英文学術論文数は550報を超える。世界で最も精力的にAGE研究に取り組んでいる科学者の一人。AGEに関する医学研究で、アメリカ心臓病協会最優秀賞、日本糖尿病学会賞、日本抗加齢医学会研究奨励賞など多数の医学賞を受賞している。

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