その人本来の調子が出なくなってしまう理由
image via shutterstock著者である大嶋信頼さんは、約7万件の臨床経験を持つ人気カウンセラー。人がかかえるさまざまな悩みの原因は、その人らしい自由な考えや行動を制限してしまう「リミッター」にあることが多いとしています。たくさんのリミッターの特徴と外しかたを紹介している本書から、代表的なリミッターを挙げてみます。
自虐リミッター(55ページより)
何をやってもうまく行かないような気がして、その理由をすべて自分のせいにしてしまうリミッターとのこと。
空気読みすぎリミッター(60ページより)
周りの人の顔色や雰囲気にふりまわされるリミッター。これがはたらくと、したくないことまでしてしまう場合があるそう。
心配症リミッター(70ページより)
いまここにある危機のことばかりが頭にうかんで、あらたなことに挑戦できなくなるリミッターです。
この「リミッター」は、もともと自分を守るためにかかっていることがほとんどなのですが、それがいつしか自分の行動を制限し、足を引っ張ったりするようになることがあります。
(『リミットレス! あなたを縛るリミッターを外す簡単なワーク』23ページより引用)
つまり、リミッターはもともと「安全装置」だというのですが(22ページより)、よほどの事態が起きない限りはこれが「自分らしさ阻害装置」になりそうな気がします。思いきって外してみたら、思わぬ才能や能力がめざめるかも。
自分らしさを抑えてしまう「リミッター」を外すには?
image via shutterstock大嶋さんいわく、リミッターは親や教師、職場の人間などの「外部から入れられているもの」(97ページより)。とくに親がわが子の行く末を心配して入れたリミッターは強力なんだとか(34ページより)。
そんなリミッターを解除する方法は、自分の心に聞くこと。何が原因かは自分で案外わかっているもので、多少コツはいりますが、心と対話をして引き金になった言葉や出来事を特定することでリミッターは外せると言います(92ページより)。
誰もが「嫉妬」されるほどすばらしい
心配ではなく嫉妬から入るリミッターもあります。自分よりも愛されそうな人、自分を上回る個性や能力をもっていそうな人に対しては、親でさえ嫉妬する。それが動物の本能なのだそう(43ページより)。
私たちは身近な人間からの嫉妬をそらそうとして、自分の能力を下げるリミッターを使ってしまいがちです。その罪悪感はとりはらったほうがいいものですが、もともと誰もが誰かに嫉妬されるほどすばらしい存在なのだと思いました。
リミッターをゆるめてみて気づくこと
リミットレス(無制限)になって自分らしさを肯定すると、限界だと思いこんでいたことが幻想だったと気づき、自分でも驚くような力を発揮できると大嶋さんは述べています(236ページより)。
誰のものでもない自分の心で生きたい。私もリミットレスの世界をめざしたいと思いますが、そうと決めたときから、これまで自分を守ってくれたリミッターへの感謝の気持ちが湧いてきて、とまどっています。縛られっぱなしだと息苦しいリミッターですが、ゆるめてみてこそありがたみがわかるのかもしれません。