二十四節気(にじゅうしせっき)とは、今から1000年以上も前から使われてきた季節を示す言葉。太陽の動きにもとづいて導き出された、自然のリズムです。
私たちが普段使っているカレンダーの中にも、およそ2週間ごとに登場しますが、気づかないうちに過ぎてしまうことも少なくないでしょう。しかし、都会に暮らしていても、仕事や家事に忙しい毎日を過ごしていても、誰もが自然の移り変わりの中で暮らしていることには違いありません。そこで、本連載「暮らしに活かす二十四節気」で二十四節気を意識してみませんか。そうすれば、少し鈍ってしまった自然に対する感性を、呼び覚ますことができるかもしれませんよ。
暮らしに活かす二十四節気「夏至」の過ごし方
「夏至(げし)」・毎年6月21日頃 ・太陽と地球の関係:90度
今日(2017年6月21日)は、二十四節気の「夏至」です。一年のうちで昼がもっとも長くなることで知られています。日の出が早く、日の入りが遅いので、太陽のパワーを体いっぱいに感じたいところですが、日本では広範囲で梅雨のシーズン真っ最中。太陽のパワーよりも、梅雨のジメジメのほうが気になりますよね。
雨の日が続くと、室内で過ごす時間が長くなるので、体を動かす機会がどうしても少なくなりがちに。すると、体がだるくなったり、気分が落ち込みやすくなったり。また、湿度が高いせいで、何となく呼吸がしづらいなんてことも。
夏至の時期は、「体の過剰な湿気」を取り除く養生を
自然のリズムに合わせた養生法において、この時季は「体の過剰な湿気」を取り除くことがポイント。そうすることで、梅雨明けにやってくる陽射しが強い日々を健やかに、夏バテすることなく過ごせるとされています。具体的なアクションとしては、自宅でできるトレーニングやヨガをしたり、湯船につかって汗をかいたり、眠る前に深呼吸をしたりするのがおすすめ。カラオケで歌ったり、楽しいときは大声で笑ったりするのも◎。体と心をスカッとさせるような行動が吉です。夏至の日だけでなく、次にめぐってくる二十四節気の「小暑(7月7日)」までは、意識してみてくださいね。
夜はキャンドルナイトで頭を空っぽに
さて、夏至の日の太陽が西へ沈むと、一年のうちでいちばん短い夜が待っています。6月21日の夜は部屋の電気を消して、キャンドルナイトで一日を締めくくりましょう。ゆらめく炎をじっと見つめていると、だんだんと頭の中が空っぽになって、肩の力がスーッと抜けていきます。漠然とした不安感から解消され、体の内側から明日への活力がわいてくるはずです。
季節を月のリズムでたとえるとしたら、太陽のパワーがピークになる夏至の日は、満月のようなもの。いいかえれば、次の流れをむかえるターニングポイントです。自然との調和を意識しながら夏至の日を過ごすことで、これから訪れる変化やチャンスを活かせる自分をはぐくんでみましょう。
次に巡ってくる二十四節気は、「小暑(2017年7月7日)」です。
イラスト・カイフチエリ