ところが、心臓のためになると長い間言われてきたこの処方箋が、新たな研究によってそれほど単純明快ではなくなりつつあります。ほんのここ数年の間に、食事で摂るコレステロール、塩、脂肪というかつての悪者すべてが、考えられているほど心臓に悪いものではないという研究結果が出ているのです。
飽和脂肪でさえ、許されるかもしれません。「最近の複数の報告によると、食事で摂る飽和脂肪と心血管の病気には関連性がありません」と、オハイオ州立大学で食品科学の教授を務める登録栄養士で博士のジェフ・ヴォレクさん。血清中の飽和脂肪酸、つまり血液中の飽和脂肪は、確かに心臓の病気になるリスクと関連していますが、ヴォレクさんによると、食べ物として飽和脂肪を摂っても、血液中の飽和脂肪は増えないようだとか。
これは食事で摂る脂肪・コレステロールに関して最近わかったこととも一致します。ある食べ物が何かを含んでいても、それを食べからといって必ずしも体内でその何かの量が増えるわけではないというもの。
それでも、やはり何を食べるかは重要です。とても。「食べ物は身体に栄養を与えることも、毒になることもあります」と、クリーブランド・クリニック心臓血管研究所の登録栄養士、ケイト・パットンさん。
ですから次に、心臓にいちばんよい・悪い食べ物に関する最新情報をご紹介します。
ソーダ
image via Shutterstockパットンさんによると、普通の炭酸飲料にたっぷり入っている糖分のような、いわゆる「単糖」(糖質の最小単位。グルコースなど)は、炎症を助長し、血糖値を高めます。したがって動脈の壁にかかるストレスが増え、心血管の病気になるリスクがアップ。ソーダを多く飲むほど、リスクは高くなります。
デザートの焼き菓子
image via Shutterstockカナダの最近の研究によると、やはり、「グラニュー糖、ブラウンシュガー、コーンシロップ、メープルシロップ、はちみつ、糖蜜、そのほかの甘味料」は、酸化ストレスを高めるようです。結果的に、このような甘味料、そしてパイやケーキなどの「家庭的」なスイーツは、動脈の詰まり、高血圧、心不全などの心臓と血管の病気につながる可能性があるそう。
精製した炭水化物
image via Shutterstock精製した炭水化物は、砂糖や添加物と一緒に体内に取り込まれる場合が多く、これらはどれも心臓によくはありません、とパットンさん。専門家によると、ケチャップやサラダドレッシングのような調味料、それにパスタソースやパン、低脂肪ヨーグルトなどは、砂糖と精製した炭水化物を一緒に摂ることになる一般的な食品です。
マーガリン
image via Shutterstock最新の研究により、バターは心臓に悪いものではないという考え方が強まっています。片やマーガリンは健康によくないトランス脂肪酸を含み、パットンさんによると、心臓と血管の病気になるリスクという点で、よいものではありません。ショートニングも、トランス脂肪酸を多く含みます。
粉末コーヒー「クリーム」
image via Shutterstockマーガリンやショートニングと同じく、粉末クリーム類もトランス脂肪酸を多く含みがち、とパットンさん。レンジで作るポップコーン、朝食用シリアルバーなど、成分に「水素添加油」が入っているものにはすべて同じことが言えます。
ベーコン
image via Shutterstock飽和脂肪は健康に有害という宣告を猶予される方向に向かっているかもしれませんが、パットンさんによると、ベーコンやバラ肉など脂肪の多い肉は、やはり心臓によくなさそう。赤身肉と有害な腸内細菌に関連があることを示した研究結果もあるとか。肉類が心臓の健康によくないかどうかについては論争が白熱しそうですが、今のところは多分、脂肪のすくない肉にしておく方が無難(パットンさん)。
ホットドッグ
image via Shutterstockホットドッグやソーセージ類、ハムなどのように高度に加工された肉類は、多くの添加物を含むものがほとんど。「こういった食品は、心臓の病気のリスクを高めると繰り返し報告されています」とパットンさん。どの添加物がよくないのか、専門家も特定できずにいますが(硝酸塩? リン酸塩? 炭水化物? )、加工肉類は避けるか、食べる量をすくなくする方が賢明だそうです。
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