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スパイス&ハーブマイスターに聞いた、意外な組み合わせ料理とは?

2018/05/29 05:30 投稿

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「かしこい食の方程式」をテーマに、さまざまな角度から食を見つめ直す 5月の特集。今回は「スパイス&ハーブ」にフォーカスを当てましょう。 スパイス&ハーブとは「人の暮らしに役立つ、香りのある植物」のこと。一般的には根や実の部分をスパイス、葉や花の部分を使うものをハーブと呼ばれています。

スパイス&ハーブの活用法って?

外食ではさまざまなスパイスやハーブを味わう機会が増えていますが、自分で料理するときは、ナツメッグはハンバーグ、バジルはパスタ……と、定番の使い方ばかりでマンネリ化していませんか? スパイス&ハーブの新たな魅力や、素人では思いつかないような意外な活用法を、エスビー食品株式会社 スパイス&ハーブマスターの遠藤由美さんに教えていただきました。

水、酢、油。どれと合わせるかで、香りが変わる

料理において、スパイス&ハーブのはたらきは「香り」「辛み」「色」ですが、なかでも「香り」は一番の特徴です。エスビー食品では、さまざまなスパイス&ハーブをどのように調理したら、より香りを生かせるのかなどを科学的に研究しているそうです。

「水、酢、油、どれと合わせるかによって、抽出される成分やその量が違ってきます」(遠藤さん、以下同)

たとえば、ローズマリーの場合、カロリーを気にしてノンオイルで調理するより、オイルを加える方が、油にローズマリーの香り成分が溶け出して、香りが立つそうです。

ハーブティーにする(水と合わせる)ときは、雑味のないすっきりとした香り。 ハーブビネガー(酢と合わせる)は、酢酸の香りと一体化して爽快な清涼感のある香り。 ハーブオイル(油と合わせる)なら、爽やかな香りに加えて、少し重厚な香りも。

それぞれのスパイス&ハーブの特性を生かした調理法は、長年の経験から培われたものですが、科学的にも理にかなっているのですね。

ほんのひと振り加えるだけで、料理の印象をがらりと変えるスパイス&ハーブ。スーパーなどで手に入れやすい7つのドライスパイス&ドライハーブを使って、ホームパーティで話題になりそうな、あっと驚く組み合わせ方をご紹介しましょう。

クミンにオイル、塩、ビネガーで、エスニック風味のホットドレッシング

クミンは油に香りを移してから料理を始める「スタータースパイス」の代表格。熱したオイルにクミンシードをたっぷり入れて香りが立ってきたら、塩とビネガーを加えてひと煮たち。熱いうちにホウレンソウなど、冷たい葉物野菜にかければ香り高いホットサラダの完成です。お好みで、カリカリベーコンも。

ナツメッグのまろやかな香りは、チーズとベストマッチ

ハンバーグやロールキャベツなど、ひき肉の臭みを消して味に奥行きを出すナツメッグ。フランスやイタリアでは、チーズ料理に欠かせないスパイスなのだそうです。ニョッキやゴルゴンゾーラのパスタ、そしてグラタンに少し入れるだけで、甘くスパイシーな香りがチーズの濃厚な味わいを際立たせます。

豚の角煮を作るなら、八角の甘い香りにシナモンで深みをプラス

甘い香りのシナモンはアップルパイやフレンチトーストなどお菓子に使われますが、このエキゾチックな香りは、豚肉や鶏肉などにもよく合うのです。豚の角煮には、八角だけでなくシナモンも加えると、甘い香りが幾重にも層をなし、より複雑で深みのある味わいへと変わります。

パクチー+ごま油、レモン汁、塩の「万能パクだれ」

ドライタイプのパクチーを常備しておけば、いつでも爽やかなパクチーを味わえます。パクチーにごま油とレモン汁、塩を加えるだけで何にでも合う「パクだれ」のできあがり。生春巻きはもちろん、冷やっこに冷やしうどん、冷しゃぶなど、爽やかな香りが食欲をそそります。この夏はぜひ試してみたいですね。

バジル+ケチャップで、爽やかな香りの簡単ディップ

トマトとの相性抜群のバジルですから、ケチャップと合わないわけがない。フライドポテトを食べるとき、ケチャップにお好みの量のドライバジルを加えるだけで、普通のケチャップから「ディップ」にランクアップオムライスやナポリタンもバジル入りのケチャップを使うと、ひと味違った大人の味わいに。

ほのかに甘い香りのローズマリーポテト

臭み消しとして、肉や魚などと合わることの多いローズマリーですが、淡白な素材と合わせると甘い香りが楽しめます。じゃがいもをゆでるお湯にローズマリーを入れるだけで、ローズマリー風味のこふきいもができますし、ポテトサラダもこのやり方で作れば、いつもと違う風味豊かな味になります。

ピリッと刺激的な大人のデザート、ブラックペッパー+バニラアイス

スパイスの王様、ブラックペッパーが、肉やこってりとした料理に合うのは、柑橘系を思わせる爽やかな香りがあるから。バニラアイスにかけて食べると、粒を噛んだときのアクセントが何ともいい感じ。お酒との相性も抜群ですし、甘いものが苦手な人にもおすすめです。ピンクペッパーを添えるとより華やかに。

「旅先で食べた料理を手軽に再現して作ってみたいときや、ホームパーティの準備などで細かな副菜にまで手が回らないときなどにおすすめなのは、あらかじめスパイスがブレンドされた“ミックススパイス”(カレー粉やガラムマサラなど)や、スパイスやハーブに塩、砂糖などの調味料をミックスされた“シーズニングスパイス”

クミンとコリアンダーシードに、アーモンド、白ゴマ、塩などをブレンドした『ダッカ(デュカ)』という中近東のシーズニングスパイスは、最近おしゃれなレストランなどでも、パンとオリーブオイルとともに出されたりして人気のようです。自分でブレンドしてもよいですが、簡単におしゃれで華やかな一品ができあがるので、市販されているシーズニングスパイスを使えば間違いない仕上がりに

スパイス&ハーブをうまく活用できれば、いつもの料理が格段にグレードアップします。組み合わせ次第で無限に広がるレパートリー、考えただけでわくわくしますね。自分好みの味と香りを求めて、いろいろ試してみてください!

写真提供 / エスビー食品株式会社

遠藤由美

エスビー食品株式会社、広報ユニット。スパイスとハーブのもつ世界の楽しさを広める「スパイス&ハーブマスター」。 全国のセミナーやイベントなどにおける講師活動や、取材対応など、 さまざまな媒体を通じてスパイスやハーブの魅力を紹介する活動を行っている。

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