アメリカ心臓学会の最新の研究によると、ちっとも遅くないそうです。「まったく動いていない中年の人」でも、これまで運動してこなかった分を取り戻せるとのこと。
この研究で、45歳から65歳の53人の被験者をふたつのグループに分けて、2年間の調査を行いました。一方のグループは中程度から高程度の負荷をかけた有酸素運動を週に4回以上行いました。もう一方のグループはヨガやバランストレーニング、ウェイトトレーニングを週に3回行いました。
有酸素運動をしたグループのほうが、長期的に見ると負荷をよりかけられるようになり、心臓血管や心臓の弾力性が増すなどの改善が見られたといいます。つまり、心臓の筋肉が柔らかくなり、より効率よく動くようになったとニューヨーク大学ランゴンヘルスで心臓専門医のショーン・へフロン医学博士は話します。
「動かないことによって心臓がかたくなると、心不全になる確率がずっと高くなります」とへフロン医学博士は説明します。とくに年齢の高い人でも運動によって改善が見られるのはとても心強いことです。
研究では、有酸素運動をしっかりと行うことが大切だとしています。とくに運動の強度をもっとあげたいと思っている人にとって有酸素運動は大切です。でも、セミプロのようにトレーニングをする必要はないとヘフロン医学博士は話します。心臓の健康のために有酸素運動は必要ですが、定期的に筋力トレーニングをすることも筋力の総量をキープして、加齢によるケガを防ぐために欠かせません。
この研究から、真剣に運動に取り組む効果を見ることができますが、中程度の活動からもかなりの効果を得ることができるというのがヘフロン医師の見解です。
また、この研究のもうひとつ特筆すべきポイントは参加者の年齢だ、というのがオハイオ州率大学ウェックスナーメディカルセンターの心臓専門医、シタラメシュ・エマニー医学博士。いままでの研究でも65歳以上の人でも運動をすることで効果を得られることは示されているのですが、この研究では運動をはじめる年齢が若いほど心臓への効果があることを示唆しています。
もし、いままであまり動かないタイプだった場合、エマニー氏は運動をはじめる前にプランを立てることが大切だと話します。
たとえばパーソナルトレーナーや理学療法士と一度話してみたり、運動をはじめたばかりの人のオンラインコミュニティーに参加してみたりするなどもひとつの手だとエマニー氏はアドバイスします。何歳になっても新しい習慣をスタートするには遅くありません!
Elizabeth Millard/It's (Officially) Never Too Late To Start Working Out—And Cut Your Risk Of Heart Failure
訳/Noriko Yanagisawa
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