私も遅刻常習犯なので、時間に正確な人たちが、実際より少し早めのミーティング開始時間を伝えたり、やっと到着したときにあきれた顔をする気持ちもわかります。でも、遅刻ばかりしてしまう私たちについて、いくつか知っておいてほしいことがあります。いまこそ誤解を解くときです!
自分たちの時間を優先しているわけではなく、ただ、時間管理が苦手なだけ
遅刻する理由はさまざまですが、いやなヤツになりたいわけではありません。「私は、予定をたくさん詰め込んでしまうんです」と、2分~2時間の間で、いつも遅刻してしまうマギーさん。「時間があると思ってあれこれやろうとしますが、結局時間がなくて、慌しく出かけることになります」
「その日したいことをすべてやり遂げたいという気持ちや、実際より早くたどり着けると信じることが、大きな気力になります」と語るダンさん。科学的にも立証されています。ある研究によれば、遅刻しがちな人には、マルチタスカーで、プレッシャーがあったほうが集中でき、時間の見積もりが甘い人が多いんだとか。確かにその通り!
遅刻をくどくど責められても、早くはならない(むしろ、遅くなるかも)
「少し気まぐれな気持ちになります。」と言うのは、友人から「いつも遅れる人」とレッテルを貼られているモーガンさん。責められてもやる気は出ないと彼女は言います。むしろ、レッテルを貼られ、時間を守らないことをいつも指摘されていると、自己達成的予言になってしまうことも。すこしぐらい遅れても問題ない、と自分を許してしまうようになるのです。
「以前、朝の9時から始まるスタッフミーティングに、私が車のなかから参加するか、階段を駆けあがってくるかを、チーム内でいつも賭けていました」とロレーンさん。申し訳ないと思う気持ちが消え、この社内ジョークが遅刻の習慣をさらに助長してしまったんだとか。
私たちも自分に嫌気がさしている
人に待たされると腹立たしいですよね。でも、時間通り出かけようと全力を尽くしたのに、できなかったときも、腹が立つんです。自分のせい(そして遅延や渋滞のせい)なのは、わかっています。でも、気持ちはあるのに、うまく行動できなかったとき(交通にかかる時間まで考えきれなかったとき)、自分に嫌気がさします。
「習慣になってしまっていて、いつも遅刻してしまう自分が腹立たしいです」とロレーンさん。ジュリーさんも同じように、「移動時間はじっと座っていられません。ずっと自分を責めています」と話す。
遅刻したときの疲労感は、決して楽しいものじゃない
胃がむかむかして、心臓はバクバク。心配でイライラもつのります。遅れて到着した瞬間は、本当に最悪。ロレーンさんは、手にブリーフケース、財布、コーヒー、鍵、携帯電話、そして書類(ブリーフケースとは別に)を抱えて、ぼさぼさの髪で職場に駆け込む、というフラッシュバックに悩まされているとか。最近は少しだけ改善されたようです。マギーさんの場合は、フラッシュバックが一度起こると、一日中つきまとうことも。
仕事に遅刻すれば、クビにならないか不安になりますが、心配事はそれだけにとどまりません。飛行機を逃さないか焦ったり(ダンさん)、ベビーシャワーに3時間遅れて気まずい思いをしたり(モーガンさん)、子どものお迎えが一番最後になって恨みがましい顔をされたり(ロレーンさん)......どれも悲惨な状況です。
メールは救いの神!
「ごめん! もうすぐ!」「もう! 渋滞にはまっちゃった」「あとちょっと......信じて!」ときどき、メールは私たちのために作られたものなんじゃないかと思ってしまいそうになります。「遅れそう」メッセージをさっと送るだけで、時間稼ぎになるうえ、プレッシャーも和らぎ、前もってお詫びができます。「メールのおかげで本当に気が楽に」とモーガンさん。「事前に知らせることができるし、人に会う予定なら相手にもゆっくり来てもらえます!」
時間より早く来る人には、イラッとしてしまう
時間に正確な人へ、私たちにも言いたいことが。気を遣っていままで黙っていましたが、時間より早く来るのもとっても失礼です。7時に始まるパーティに、思ったよりスムーズに着いちゃったといって6時45分に現れるのはマナー違反。シャワーに入ってから、お化粧と髪のセットアップをする時間なのに。それに、すっかり準備万端で横に立っていられたら、最後の怒涛の仕上げを楽しめないじゃない? おしゃれなデコレーションカップケーキを持ってきてくれるのはとってもありがたいけれど(どうやって時間を見つけているの?)、お願いだからパーティには時間通りに来てください(遅刻もOK)! (時間に正確な人が決して遅刻しないのはなぜ?)
遅刻するとメリットも
約束をすっぽかしたり、ガス欠になったり、たくさんの人を怒らせたり。遅刻すると悪いことばかりのようですが、メリットもあります。「場合によっては、遅刻すると良いことも」と語るのは、ディナーパーティにすこし遅れて参加するのが「時間通り!」と考えるマギーさん。モーガンさんも同じ考え。「ホストが準備をしている最中に、気まずく立っている時間を過ごさなくてすみます」。
ダンさんにとっては、自分のしたいことに時間をかけて過ごせるのが一番のメリット。ロレーンさんは小回りがきくようになったんだとか。「迅速な判断ができるようになり、たいていのことはなんとかなります」。おかげで、2回もファーストクラスにアップグレードしてもらえたことも。(飛行機に乗り遅れたことを大目に見るわけではないけれど。)
あなたが遅刻しても責めたりしない
時間が守れるからといって他人を見下すのはよくないかも。ときとして、あなた自身が遅刻してしまうこともあるから。起こるときは起こるんです。飛行機が遅れたり、予定が長引いたり、エレベーターが止まったり、交通渋滞にはまったり......あなたがくたくたに疲れて、平謝りで到着したとしても、私たちはあきれたりしません。共感の笑みは思わずこぼれてしまうかも。
Allison Young/8 Things Chronically Late People Want Punctual People To Understand
訳/Seina Ozawa