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【体幹ウォーキングのススメ】金さん指南! 残念な歩き方を健康美に変える方法

2018/05/15 20:00 投稿

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パーソナルトレーニングやボクササイズなど、トレーニングの選択肢は数多くあります。しかし、仕事や家事で忙しく、なかなか時間が取れないというのが多くの女性の悩み。運動不足を解消するなら、まずは”続けること“が大事。そこでおすすめしたいのが、ふだんの「歩く」を見直して、ウォーキングとして工夫してみては。

トップアスリートから大人の運動不足解消のウォーキングまで、幅広く指導するプロ・ランニングコーチの金哲彦さんに、カラダにかかる負担を軽減しながら運動効果を高める効果的なウォーキングを教えていただきました。

猫背で、肩甲骨が動いていない。現代人の残念な歩き方

私たちが日常で歩くシーンといえば、家から駅、駅から会社といった通勤や帰宅時、そして買い物など。そんな「移動」だけを目的とするのではなく、エクササイズの要素を意識すればちゃんと”運動不足解消“につながるそうです。金さんが著書などですすめているのが「体幹(コア)ウォーキング」というもので、カラダの柱となる肩甲骨、背骨、骨盤を意識した歩き方です。残念ながら、「体幹を意識して歩いている人は街ではあまり見かけない」と金さん。

「道を歩いている人を見ると、とにかく猫背の人が多いですね。スマホを見ながら歩くと危ないのはもちろんですが、背中は丸くなり、肩甲骨が動いていない状態になります。また、骨盤を使わず脚だけで歩くと脚や腰に負担がかかり疲れや痛みの原因になります。正しい姿勢で歩くことは運動不足解消になるのはもちろんですが、カラダにかかる負担を軽減し、歩行のパフォーマンスが上がります」(金さん)

現代人に多いのは、このタイプ。スマホを見ながら歩くことも多く、猫背で肩甲骨は動かないまま。足先だけで歩いているのがわかります。

体幹のなかでもとくに意識したいのが「肩甲骨」です。肩甲骨のまわりには肩こりに直結する“僧帽筋”という筋肉があるので、肩甲骨を動かして歩くと肩回りの血行が良くなって肩こり解消につながります。
また、腕を引くとからだがねじれて骨盤が自然に動くので、運動効果も高まり、歩行時にカラダにかかる負担も軽減します。確かにひじを大きく引くと、反対側の骨盤が前に出るのがわかりますね。

意識したいのは「背中・おなか・骨盤」の3つのポイント

体幹を動かすために意識したいのは、「背中」「おなか」「骨盤」。この3つを連動させれば、コアも含めた全身の筋肉を使って歩くことができます

【体幹ウォーキングのコツ】
背中:姿勢を正し、歩くときに肩甲骨を大きく動かすことを意識します。 自発的にカラダを動かすのは肩甲骨だけでOK。
おなか:丹田(おへその下あたり)に意識を集中させることで重心が上がり、カラダの各部位を安定して動かします。
腰:肩甲骨を動かすことで、自然と骨盤が前に出ます。脚だけでなく腰から歩ける感覚を感じます。

「全身を使って歩くと疲れそう」という印象を受けますが、金さんによれば「実際は逆です」とのこと。

「姿勢が乱れた状態で歩くと脚の力ばかりを使うことになります。しかし、体幹ウォーキングなら体幹の大きな筋肉に負荷を分散させられるため、慣れてくると以前より疲れを感じにくくなりますよ」(金さん)

大きな筋肉を使うので消費カロリーも大きくなり、それまでは脚に腰に感じていた疲労感が、全身で感じる心地よい爽快感に変わるそうです。

体幹を生かして、効果的なウォーキングをするために

金さんのお話を聞くと、さっそくウォーキングしてみたいという気持ちになりますが、日ごろ歩き慣れていない人はウォーミングアップから始めましょう。姿勢や歩き方のクセでカラダが歪み、骨盤や肩甲骨の動きに左右差がある人が多いそう。左右の動きを均等にすることが、より効果的なウォーキングをかなえます。

骨盤のウォーミングアップ

ゆがんだ骨盤をととのえるエクササイズです。

1)手を腰にあてて、骨盤を大きく回します。右回し、左回しを各20回ずつ

骨盤がやわらかく、前に出やすくするエクササイズ。

1)前の足を大きく踏み出し、腰を下にさげるように意識します。20秒程度キープする。

肩甲骨のウォーミングアップ

後ろ(❹を参照)を見ると、肩甲骨が浮き上がっているのが正解

肩甲骨をスムーズに動かすためのエクササイズ。指先を肩につけ、ひじで円を描くように前から後ろへ大きく回します。肩甲骨が動いていることを意識しながら20回

腹筋のエクササイズ

体幹を支え、足を引き上げるときに必要な腹筋を鍛えるエクササイズ。まっすぐ立った姿勢のまま、前傾して壁などに手をつきます。おへそのまわりの筋肉を意識しながら30秒キープ

ウォーキング前のウォーミングアップとしてはもちろん、空き時間にいつでもできる簡単なエクササイズ。肩甲骨や骨盤、腹筋は鍛えておいて損はありませんから、日常的に習慣にしておくとよいでしょう。

さて、後編ではお待ちかねの「ウォーキング」を丁寧に解説していきましょう。通勤時、ハイヒールで歩くときの注意点や階段をスムーズにのぼるときのアドバイスも紹介します。

金 哲彦(きん てつひこ)さん
プロ・ランニングコーチ。早稲田大学在学中、4年連続で箱根駅伝の5区を担当し、区間賞を2度獲得。リクルート入社し、ランニングクラブを創設。選手として活躍したのち、コーチとして小出義雄監督とともに有森裕子や高橋尚子などトップアスリートの強化に励み、のちに監督に就任。現在はテレビやラジオの駅伝・マラソン解説者を務めるほか、2002年に立ち上げたNPO法人「ニッポンランナーズ」理事長として新しいスポーツ文化の構想を推進している。『正しく歩いて体をリセット 体幹ウォーキング』(学研プラス)など著書多数。

撮影/佐山順丸

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