体重管理セミナーの出席者にこの質問をすると、ほとんどの人が手を挙げます。人によって程度の差はありますが、実際に砂糖は非常に中毒性の高い物質なのです。
甘いものを断つのは、簡単ではないけど可能です
クッキーやキャンディー、ケーキ、アイスクリームなどをつい食べすぎてしまう。あるいはそこまでいかなくても、甘い物にはやめられない魅力があるのはだれもが知るところ。食品メーカーもそれを承知で、ソフトドリンク、シリアル、スープ、ドレッシング、パスタソース、エナジーバー、ケチャップ……などの製品に大量の砂糖を使用しています。その結果、私たちのほとんどが日常的にどのくらいの砂糖を摂取しているのか気づかないまま、かなりの砂糖依存になってしまっているのです。
おそらく砂糖中毒は、一般に考えられているよりも蔓延しています。アメリカ人は、平均して1日に小さじ20〜30杯(約1/2カップ)の砂糖を摂取しており、これが肥満、高血圧、心臓病、糖尿病、過敏性腸症候群(IBS)、注意力や記憶障害、多動性、不安症、うつといった、さまざまな健康問題と関係しています。毎月のように新たな研究が発表されては、砂糖やその同類であるブドウ糖果糖液糖や、麦芽糖、D形グルコースの摂取によって引き起こされる危険性が指摘されています。こうしたリスクにもかかわらず、私たちが砂糖を食べ続けるのは、あまりにも中毒性が高いからなのです。
事実として、砂糖は常習性薬物にあてはまるすべての条件を満たしています。
アルコールやコカイン、そのほかの麻薬中毒と同様に、脳内にドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質の放出を促す 悪影響をもたらすことがわかっていて、やめたいにもかかわらず、衝動的に摂取してしまう 常用することで、耐性ができる + 砂糖の過剰摂取により、それなしでは機能できなくなる 摂取をやめたときに、禁断症状が起こるそれではどうしたらよいでしょう? 砂糖への依存をやめる!と口で言うのは簡単ですが、行うのは容易ではありません。なぜなら砂糖依存の要因は身体と心の両方に根ざしているため、物理的なアプローチと心理的なアプローチが必要だからです。砂糖の消費を徐々に減らしていけば、食べたいという気持ちも次第になくなっていきます。離脱症状が起きた場合は、それはほんの数日しか続かないこと、そしてそれを乗り越えればいままで以上に気持ちが安定し、元気が出るということを理解しておきましょう!
砂糖への依存をコントロールする10のヒントは次の通り。
1. 家の中に砂糖を置かない
ここには、白砂糖、ブラウンシュガー、コーンシロップ、メープルシロップのほか、アイスクリームやフルーツジュースなどの砂糖の入った製品も含まれます。
2. ヘルシーな食品をじゅうぶん食べる
ヘルシーなものを食べるようにします。甘いものが食べたくなったら、果物、ニンジン、パプリカ、チェリートマト、デーツ、ドライフルーツなどの自然食品のおやつを。水もたくさん飲むように心がけて。アイスティーや炭酸入りミネラルウォーター、そのほかの無糖の飲み物を甘くしたいなら、フルーツジュースを少々加えます。アイスクリームの代わりには、丸ごとでもピューレタイプでも冷凍の果物を。いったん砂糖を身体から一掃してしまえば、味蕾もより繊細になり、自然食品の味もこれまでより甘く感じられ、満足感を得られるようになります。ゆっくりと味わって食べるようにすれば、こうした食べ物もさらに美味しく楽しめるでしょう。
3. 毎日規則正しく三食食べる
糖質(野菜、全粒粉、果物)、脂の少ないタンパク質(鶏肉、魚、肉、豆腐)、ヘルシーな脂肪分(牛乳、チーズ、オメガ3、オリーブオイルなど低温圧搾のオイル)を組み合わせた食事をとれば、1日を通して血糖値を安定させ、甘いものへの衝動を抑えます。また、食物繊維の多い食事も糖分に対する欲求を抑えるのによいでしょう。
4. サプリメントを上手に飲む
マルチビタミンとマルチミネラルのサプリをとりましょう。人によっては、特にクロミウム・ピコリネートとL-グルタミン酸が糖質に対する欲求を抑えるのに役立つ場合があります。
5. あまりにお腹がへっているときはどこにも行かない
パーティはもちろん、食品の買い物もやめておくこと。特に甘いお菓子しかなさそうな場所には行かない。ヘルシーなスナックを持参して出かけるか、外出前に何か食べましょう。
6. 定期的に運動する
あわせて日光をたくさん浴び、適切な睡眠をとると、甘いものに対する欲求を抑えられます。
7. 空腹からきているのではない欲求をコントロールする術を学ぶ
甘いものが欲しくなる場合、原因の多くはストレスや不安からきています。ストレスをコントロールする別の方法を探しましょう。散歩にいく、友人に電話する、読書をする、ペットと遊ぶ、映画を見るなど。身体をリラックスさせるには、呼吸法、瞑想、音楽を聴く、お風呂に入るなどが効果的。リラクセーションは血糖値のバランスを保ち、甘いものへの欲求を抑えます。
8. 気分を落ち着かせるために砂糖を摂らない
そのかわり、その気持ちの原因を探り、それにあった適切な対処をすること。疲れているなら、無理にがまんしようとせず、いったん一息つくか、ゆっくり休むこと。退屈なら、なにかやりたいことを探してみましょう。寂しいなら、友だちに連絡してみて。砂糖中毒を克服するには、自分の気持ちをよく知ることが重要です。砂糖ではなく、あなたが本当に必要としているものを自分に与えてください。
9. 一度失敗したからといってあきらめない
砂糖を摂りすぎてしまったら、失敗した! と認めて、できるだけ早く軌道修正します。罪悪感は捨ててください。砂糖を食べるのは不健康ではあるけど、別に罪ではないのです。ほかの中毒でもそうですが、何度失敗しても気にしないで。とにかくできるまで、がんばりましょう。
10. 自分にやさしくする
甘いものをやめたくてもやめられないという葛藤をなくすためにも、身体に良質な栄養を補給することを学び、そして自分の心をきちんとケアすることが大切です。砂糖のいちばんの代わりになるものは、あなたが自分自身を心から受け入れることなのです。
Jeffrey Rossman, PhD/10 Simple Ways To Get Even The Strongest Sugar Cravings Under Control
訳/Maya A. Kishida
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