羽田から那覇に向かう機内で、なにやら猛烈な悪寒が。CAの方に体温計を借りるも、「やっぱり」な38度台の熱。「お薬、飲まれますか?」のやさしい投げかけに、「いえ、体温を確認したかっただけなので、大丈夫ですっ!」と、「大丈夫感満載」で返事をした。それにしても、帰りでよかった。都内滞在中だったらお手上げだった。
ぞくぞく、ぞわぞわ。久しぶりのこの感覚。来たぞ、キタキター。
ありがたいことに、空港には家族の迎えの車が来ていた。「足取りが、キテるね」と、夫からの、「おかえり」に続く二言目はそれだった。那覇から家まで2時間ちょいのロングドライヴ。母が持って来てくれた毛布に丸まってしばし沈黙。
そして帰宅後は、ささっと無言でパジャマに着替えるも、一目散に布団にもぐりこむ。いとしの布団よ、あとはお前に任せた。もう、お手上げだ。関節もギシギシ痛むし、頭もガンガン痛い。体温は……40、9度と、かなりの高熱だ。
恐ろしいことに、あれよあれよと他の家族も感染しだした。発病は身体の大きさや免疫に比例するみたいで、まず2歳児次女、その次は9歳長女、おばあちゃん、おじいちゃん、12歳長男、そして夫。面白いくらいに、みんなバタバタと将棋倒しのように寝込んでしまった。もうここは、インフルの館。誰も、入って来ちゃダメ。
何も食べたくないので、食べない。でも水分と塩分は摂取しておこうと、梅干し水みたいなものを飲んだ。それからレメディ。思い当たる症状に合わせてすがるように舌下へ。
熱が出ると、ちょっと嬉しくはある。だって、一日中ゴロゴロして本を読んでいられるから。でも今回はそれどころじゃない。大げさでなく、お産よりたいへんだったのだから。こんな強力なウイルスがカジュアルにうようよしていることに絶句する。ウイルスというより、もう毒レベルじゃないか。これで「型が違うから免疫はつきません」とか言われたらそうとう凹む。「インフル免疫」というギフトだけが、せめてもの見返りだと思うんだけど。
わたしがようやくお粥くらいは作れるようになった頃、2歳児が回復し、続いて夫と長女、おばあちゃんが復帰。おじいちゃんと息子はまさかのぶり返し。
そして今、全員ようやく通常の生活へ。途中弱気になったけれど、ちゃーんと身体は治ってくれるんだなぁ。身体、偉いなぁ。
元気になって、ようやく店づくりを再開した。写真のように中庭は、もらった植物でいっぱいです。元気になって、ようやく店づくりを再開した。写真のように中庭は、もらった植物でいっぱいです。