文句を言ってもエネルギーの無駄⁉︎
つまらないことに文句を言ってしまうのは、たいていの人に生まれつき備わっている性分ともいえます。あまりにもどうでもいいことに対してグチを言いすぎて、文句だらけな自分に気づいていないことも。私もそうでした。天気のこと、仕事のこと、旅行で乗った飛行機のこと、行こうとしていたレストランのそばに駐車場がなかったこと、あらゆることに不満を言い、ある日、そんなバカみたいなことにどれだけの時間とエネルギーを費やして文句を垂れていたのかハタと気づいたのです。この脊髄反射的なクセをどうにかして本気でやめなくては!と決意しました。
私が相談したのは、Renew TeleHealthの代表で主任精神科医のクリストファー・ストラブル医学博士。なぜ私たちはとても気軽に文句を言うのか、そしてどうしたらそれをやめられるのか、グチを言うにしても、もう少し生産的になれないのか、意見をうかがいました。
次の6つのステップで文句の言い方を大きく改善してみてください。最終的にはグチが減るはずです!
01.自分がどのくらい文句を言っているのかを知る
基本的に文句というのは、ネガティブなことに時間やエネルギーを集中させること。それはあなたにとってよいことではないし、ストレスや不安、怒りの原因にもなり、いい気分になれるはずがありません。いつも文句ばかり言っていて、負のオーラを持っている人だなんて思われたくないですよね?
そこで、どのくらいの頻度で文句を言っているのか、まず自分で認識しましょう。文句を言ったあと、どんな気持ちですか? それはあなたの気分にどんな影響を与えていますか? 時間をかけて考えてみてください。
02.不満を言っても人間関係はよくならないことを理解する
よくありがちなのは、不満を言って相手を自分の思い通りに変えようすること、とストラブル医師。
たとえば、大切な人が、あなたにはまったく興味のないマイナーな趣味を持っていたとします。あなたがちっとも楽しくないし、まるでつまんないという顔でしぶしぶ相手の趣味につきあったなら、言葉に出していなくても、ボディランゲージや態度で文句を言っているのと同じ。ふたりの関係によくありません。相手は次からあなたを誘わなくなるかもしれないし、趣味自体やめてしまうかも。不満を言うかわりに、よく話し合って、お互いに歩み寄る努力をしましょう。
ストラブル医師が念を押しているのは、人間関係はギブ・アンド・テイクだということ。「人の興味は大きく変わりません。それに一緒にすることを相手が決める番のときは、ふたりで楽しく過ごせるように努力するのも愛情の一種です」。そうはいっても、興味のないことに毎回つきあうのは難しい。そこでバランスを見つけましょう、とストラブル医師からのアドバイス。
「他に大切なことがあるとき、自分のことをしたいときなどは、はっきり主張する必要がありますが、気が乗らないと相手に伝えるときには丁重に!」
03.発散する時間をもとう
家族の問題や仕事の問題など、深刻な事態や自分の手には負えないことに不満がたまることがあります。イヤなことや自分にはどうにもできないことに対して、心の底から頭に来ることもあるでしょう。このタイプの不満や怒りの感情は、ささいなことに対するグチとは違います。
効果的なのは、自分の気持ちにきちんと気がついてあげること。思い切り発散する時間を設けて、自分の感情を理解しましょう。そのあとは、できるだけ前に進むように意識して、文句を言っても役に立たないし、エネルギーのムダ!と割り切って。
04.1日中、文句を言わない練習をしてみる
仏教の修行に、24時間ポジティブなこともネガティブなことも言わないというのがあります。ただシンプルに、身のまわりのことを観察し、心に記し、やりすごし、次に進むのです。これをお手本に、24時間文句を言わない努力をしてみましょう。不満やネガティブな考えが浮かんだら、ただそれに気づき、しばし考え、放っておくのです。
05.不満に対して行動する
私の場合、ささいな文句の多くは「お腹すいた」「疲れた」から始まっていました。ヘコんだ気分でじたばたするのはやめて、不満を行動に変えてみるのも手です。お腹がすいているなら、ヘルシーなおやつをつくる。疲れているなら、お茶をいれる(もっといいのは、状況が許すなら昼寝をする)。
ストラブル医師いわく「後からすればどうでもいいことに不満を言っているな、と心のどこかでわかっている場合、人生で難しい変化を求められていることの表れなのかもしれませんよ」。
06.文句を感謝に変える
不満を言いたくなるのは、自分の思い通りにしたいという強い気持ちのせいかもしれません(退屈なことをやりたくない!と相手に強制する、など)。
ストラブル医師は、スーパーでお菓子をほしがる子どもの例を出しています。その子はさんざんだだをこね、ついに根負けした親がお菓子を買って、ようやく文句がおさまりました。結果的に文句を言ったことで報酬を得たことになり、おそらくまた同じことをするようになるでしょう。似たようなことをする大人もいますが、表面的に見えにくいだけ。もしあなたや身近な人がそうしているなら、それをよく自覚して、できるだけ早くやめましょう。
文句を減らそうとしている期間は、感謝することに気持ちを向けましょう!
立ち止まって感謝したいことをリストアップすれば、負のスパイラルにはまって抜けられないということにはならないはず。でも、心にとめてほしいのは、これはすごく難しいということ。
前向きでいられる日もあれば、不満だらけの日もあるのは当たり前。小さなことに文句を言わない、という新しい気持ちになれるまでは時間をかけていいんです。感謝して前向きになるというゴールを目指していきましょう。そうすれば、ある日突然、前よりもグチが減っている自分に気づく日がきっときます!
Brittaney Shade/6 Surprising Ways To Complain Better?And Ultimately, Less
訳/Maya A. Kishida