カラダも肌も疲れがたまってくる水曜日。本来ならスキンケアを入念にして、お風呂に入ってぐっすり寝たいところですが、疲労のあまりスキンケアは放棄気味、入浴もシャワーで......という女性が増えているそう。
そう話すのは、「バスクリン」の"お風呂博士"こと石川泰弘さん。魔の水曜日を乗り切り1週間を元気に過ごすためにも、睡眠の質を上げる「正しいお風呂の入り方」を教えていただきました。
「交代浴」は本気でやらないと意味がない体のメカニズムとそれに沿った科学的な方法で、トップアスリートの入浴や睡眠を指導してきた石川さん。「バスクリン つくば研究所」では、日々カラダを張ってさまざまな入浴法を研究しています。
「最適なお湯の温度を調べる実験では、40℃と37℃という異なる湯温のお風呂に入浴剤の有無、という異なった条件において、それぞれ15分間入浴してデータ測定しました。抗酸化力と酸化ストレスの軽減とのバランスが一番よかったのが37℃お湯に入浴剤を入れたときでした。」(石川さん)
実験の結果、よしとされる入浴法の欠点を見つけることも。
「たとえば、アスリートの疲労回復法として知られる交代浴(温冷交代浴)。真似する人も増えていますが、温かいお湯につかり、水シャワーを浴びるといった簡単なやり方ではあまり意味がありません。本来の効果を得るには、水道水レベルの冷たさじゃダメ。バケツに氷水を用意しないと! これも実験しましたが、もう息ができないくらいの冷たい水じゃないと効果は期待できません」(石川さん)
定番の半身浴については、そもそも心臓が弱い人むけの入浴法であり、長くお湯につかると入浴後の肌が乾燥しやすくなるデメリットもあるとか。体を冷やさないように、冬場はあらかじめ浴室を温めておくといった準備も必要です。
お風呂は「睡眠」の準備をする場所特別に変わった入浴法をしなくても、「気持ちいい」と感じる温度で15分入浴するだけで、リラックスできるしよく眠れるようになるという石川さん。「眠り」との関係は、入浴のメリットとして大きな注目を集めています。
「目覚めがよく、日中眠くならないのが『いい睡眠』。この2つのうち1つでも欠けているなら、改善の余地があります。もともと人間の身体には体温のリズムがある。朝の4時~5時がもっとも体温が低く、午後にかけて上昇し、夜の6時~7時ごろにもっとも体温が高くなります。そして人間が眠気を感じるのは、体温が下がったとき。つまり、夜に向けて上がった体温をいかにスムーズに下げるかが、入眠のカギなんです」(石川さん)
そのために重要な役割を果たすのが入浴。逆に体温が上がってしまうのでは? と思いますが、1度体温を上げることで、かえって血管が拡張し、熱を放出しやすくなるとのこと。体温がよりスムーズに下がることで、入眠もスムーズになるという仕組みです。
石川さんに教えていただいた、ぐっすり眠れる入浴法がこちら。ぜひ試してみてください。
1.お湯の温度
冬なら40度、夏なら37度~39度くらい。個人差があるので、お湯につかったときに「ああ気持ちいいな」と感じる温度を目安にして。それがその人にとって最適な温度となる。
2.入浴時間
額からうっすらと汗が出るくらいまで、時間でいうと15分くらいがベスト。汗が出るということは、体が温まったという証。長く入り過ぎると入浴後に肌が乾燥しやすくなる。心臓がドキドキしてきたら「もう出たほうがいい」というサイン。
3.何時に入浴する?
眠りたい時刻の1時間半前を目安にして。眠る直前にお風呂に入る場合は、体温が下がりやすいようにぬるめのお湯にすると良い。
「よく『お風呂に入ると疲れが取れる』と言いますが、それは入浴したほうがよく眠れるからです。お風呂は、睡眠の準備をする場所でもある。寝ている間に出る成長ホルモンは、入眠直後の約3時間に集中します。この時間に深く眠るためにも、入浴を習慣にしてください」(石川さん)
「湯上り10分」がスキンケアの鉄則入浴時間については、「長くつかりすぎると肌が乾燥しやすくなる」と話す石川さん。入浴での角層の水分分化のデータ(上記画像)を見せてもらったところ、入浴中はどんどん伸びていく水分量が、お湯から上がったとたんに急降下していることに驚きました。
「10分経つと、もう入浴前と同じレベルに戻ってしまいます。ですから、お湯から上がったら10分以内にスキンケアをするのが鉄則。しっとりとうるおった肌を目指すなら、ぜひ保湿力の高い入浴料をプラスしてください」(石川さん)
おすすめは、人気の「きき湯」シリーズの新商品「バスエステ」。「バスクリン」が得意とする炭酸ガスだけでなく、水素の効果を加えたことで、ハリ・ツヤのある素肌に導くエイジングケア入浴料です。
「水素については効能を疑問視する報道もありましたが、『バスクリン』では2007年から10年間にわたって研究を継続し、低濃度でも紫外線による活性酸素のダメージを抑えてくれることや、肌のハリやツヤに対する効果を見出すことができました。その効果は、お湯に15分つかるだけで十分発揮されます」(石川さん)
「バスクリン」は炭酸ガスを得意としていたことから、炭酸との相乗効果も期待していたという水素の研究。炭酸ガスによる血行促進作用と、水素による抗酸化作用がうまく組み合わさり、肌のエイジングケアに最適な入浴剤を生み出すことができました。
「炭酸の効果は2~3時間で薄れますが、水素の効果は8時間も持続します。家族で入っても、休日に2回入っても、同じお湯でしっかりとパワーを実感できるはず。アルガンオイルをぜいたくに配合したので、肌の乾燥対策にもぴったりだと思います」(石川さん)
実際に「バスエステ」を使ってみたところ、「きき湯」シリーズならではのシュワシュワの爽快感がさらにアップして、体のコリがふんわりほぐれていくようでした。肌はしっとりして、すべすべの感触に。いつもなら湯上りに軽くオイルを伸ばしたあと、ボディミルクで保湿しているのですが、「あれ、今日はオイルだけでいいかも......」と思えるほどのうるおい感。
ぐっすり眠れて肌もうるおうなんて、バスタイムがますます楽しくなりそう。"お風呂博士"仕込みの入浴法、しっかり取り入れていきたいと思います。
[バスエステ]
話を伺ったのは...石川泰弘さん
株式会社バスクリンの販売管理部マネージャー、広報責任者、博士(スポーツ健康科学)。温泉入浴指導員、睡眠改善インストラクター。「お風呂博士」として温泉や入浴、睡眠に関する講演やTV出演など幅広く活躍。著書に『たった一晩で疲れをリセットする睡眠術』(日本文芸社)など。