なぜブルーボトルコーヒーは多くの人の支持を集めるのでしょうか。その理由を、11月に発売されたばかりの書籍『ブルーボトルコーヒーのフィロソフィー』(ワニブックス)を参考に紐解いてみましょう。
ブルーボトルコーヒーが世界中で愛されるのはなぜ?書籍『ブルーボトルコーヒーのフィロソフィー』は、2012年にアメリカで発売された『The Blue Bottle Craft of Coffee』のファン待望の日本語版。ブランドの創業ヒストリーにはじまり、家庭にあるキッチンツールでできる自家焙煎方法や風味豊かなコーヒーの淹れ方、30以上にのぼるこだわりのコーヒーレシピが美しい写真とともに紹介されています。
世界最高品質の豆を手に入れるまで第1章で紹介されているのは「GROW(栽培)」について。ブルーボトルコーヒーが使用するコーヒー豆がどのように栽培されているのか、なぜブルーボトルコーヒーがコーヒー豆をブレンドするのかといったこだわりについて紹介されています。
また、ハワイ、エルサルバドルの生産者にもインタビューを行い、生い立ちやコーヒー生産者になるまでのストーリー、コーヒーを栽培することへの誇りを語っています。こうやって大切に育てられた豆が、私たちを至福のコーヒータイムへといざなってくれる、そんな気持ちにさせられる読み応えあるページです。
唯一無二の味わいを引き出す大切なプロセス続く第2章では「ROAST(焙煎)」へのこだわりを紹介しています。大切に慈しまれたコーヒー豆の魅力を引き出し、おいしさに磨きをかけるのは、ブルーボトルコーヒーの焙煎チームです。腕のいい焙煎士と焙煎機がタッグを組み、コーヒー豆を旅に出すような気持ちで、その豆から引き出したい味、抑えたい味のバランスを思い描いていくそうです。
今日はどれにしようかとショップでコーヒーを選ぶとき、焙煎士たちがどのような思いでその味わいを引き出したのか、思いをはせてみるのも、また違ったコーヒーの楽しみ方となるかもしれません。
「コーヒーは1杯ずつ入れて、すぐ飲むのが信条」ペーパーフィルター、金属フィルター、コーヒーメーカーなど、コーヒーの抽出方法はさまざま。本書の第3章「DRINK(抽出)」によれば、ブルーボトルコーヒーが情熱を入れているのは「ポアオーバー」という抽出方法だそうです。ポアオーバーとは、フィルターに入れた豆へケトルからお湯を注いで淹れる、もっとも手軽な方法です。創業者のジェームス・フリーマンもポアオーバーが一番のお気に入りで「コーヒーは1杯ずつ淹れて、すぐ飲むのが信条」だと語っています。
本項では、ブルーボトルコーヒーが理想とするポアオーバーコーヒーの淹れ方を、豆の量、湯量、温度なども詳細に説明しながら教えてくれます。また、コーヒーに砂糖とミルクは入れるべきかといった気になるコラムや日本のコーヒー道具についても紹介しています。
ブルーボトルが考える、コーヒーとフードの相性第4章「EAT(レシピ)」では、創業者ジェームス・フリーマンのパートナーであるケイトリン・フリーマンが開発したレシピが紹介されています。モーニングコーヒーのお供にしたい朝食向けフード、コーヒーに浸して楽しむクッキーやブレッド、午後のコーヒータイムに味わいたいスイーツ、ケイトリンの友人が提供してくれたコーヒーにあわせたい野菜料理も。すぐにでもキッチンに立ちたくなるレシピの数々です。
レシピのバラエティの豊富さに、コーヒーがいかに多くのフードに寄り添い、味わいを引き立てるドリンクであることがわかります。これらのレシピを見ていると、「ルールに縛られず、自由に柔軟に、自分らしくコーヒーを楽しんでほしい」というメッセージも同時に伝わるようです。
2015年に日本初上陸した「ブルーボトルコーヒー」は現在、清澄白河、中目黒、六本木、新宿、青山、品川とショップを展開し、2017年10月27日(金)には三軒茶屋に国内7店舗目がオープンしました。どの店でも、厳選されたコーヒー豆を丁寧に焙煎し、注文を受けてから1杯ずつ丁寧に淹れたドリップコーヒーを楽しむことができます。本で紹介されたブルーボトルコーヒーのこだわりを知って飲むコーヒーは、またひと味違うのではないでしょうか。
ブルーボトルコーヒー 三軒茶屋カフェ
住:東京都世田谷区三軒茶屋1-33-18
営:8時〜19時