みなさん、こんにちは。アストロ・コミュニケーターの景山えりかです。今年の始めにご紹介した、2013年の主な天体ショー。その中で大注目の天体「パンスターズ彗星」が、いよいよ3月中旬頃から見え始めます!
彗星とは、おおざっぱに説明すると、表面にチリがついた「汚れた雪の玉」のようなものです。太陽に近づくと、その熱で彗星本体が蒸発。ガスやチリも一緒に放出されて、太陽とは反対の方向に細長く伸び、まるで箒(ほうき)のように尾を引いた状態になります。これが、天体写真などでよく目にする彗星の姿です。
パンスターズ彗星が太陽にもっとも近づくのは3月10日
そのため、観察しやすくなるのは、この日以降となりそう。パンスターズ彗星が現れるのは、日没後の西の低い空ですが、日没直後は空がまだほんのりと明るいうえに、予想に反してパンスターズ彗星の明るくなるペースが鈍いため、肉眼で見つけるのはちょっと難しいかもしれません。まずは、西の低空がよく見渡せる場所で探してみましょう。
観察におすすめなのは、3月13日
この日、パンスターズ彗星は二日月と並びます! 前日(12日)が新月なので、まだとても細い月ですが、それでも彗星よりは見つけやすいはず。空に月を見つけることができれば、その月に向かって左下に彗星が見つかるでしょう。夕空を背景に、刃のように光る細い月と、飛行機雲のような彗星の尾のコラボレーション。想像するだけで、ワクワクします!
パンスターズ彗星は太陽に近づいた後、太陽系の彼方へ去っていき、もう二度と戻ってこない天体です。この彗星と対面できるのは、長い宇宙の歴史において、たった一度きり。そう思うと、今回のチャンスは逃したくありませんね。この春は、宇宙の中の一期一会の縁を大切に思いながら、空を眺めます。
photo by Thinkstock/Getty Images
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