最近では、本田直之さんとの共著『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』を出版し、現代のワーク&ライフスタイルにおけるオピニオンリーダー的存在でもあります。
そんな四角さんに、今、私たちが大切にすべきことや、これからあるべき姿についてなど、お話を伺いました。
なぜ自分を愛することが必要なの?講演会や自身の会員制コミュニティで四角さんが最も力を込めて伝えるメッセージ。それは「自分を愛すること」の重要性です。四角さんは自分を愛し、大切にすることがすべての基本だといいます。
「自分をないがしろにして生きることは、死んでいるのと同じ。"生きる"ことから逃げていると言っていいでしょう。多くの人がわかっていないのが、本気で自分のことを大切にするのってとんでもなく難しくて大変だということ。」
世界中を旅する四角さんは、旅先で出会った人たちにこんな質問をするそうです。「本当のあなた自身はどこにありますか?」と。
するとほとんどの人が胸やお腹のあたりを指し、といった身体の中心部分を指し、思考を司る頭(脳)を指し示す人は、白人男性の一部くらいだと言います。
「肉体の真ん中あたりに、心があると多くの人が感じています。僕は、心と命は同義と捉えていて、すべての正解を知っている命は、常にそれを伝えようとしてくれている、と思っています。
僕が常々伝えているのは、頭で考える前に、心で感じて欲しいということ。頭は借り物の一部にすぎず、頭でてすべてを判断しようとするから、現代人はる゙考えていると間違った選択をしてしまうのです。でも、命は言葉を持たないので、ちょっとした違和感やワクワク感というように、身体を通して正しい答えを伝えようとしてくれます。心で感じることを優先するというのは、自身の体感や感覚を信じることでもあるのです。
そして、自分自身である命が発する、そういった〝小さな心の声〟と真剣に向き合って生きることこそが、自分自身を本気で愛することの第一歩だと考えています。」
とは言え、どうすれば心の声を聞けるようになるかわからない人も多いはず。四角さんによると、心の声を届けてくれる自分の身体を健全な状態で維持するために、徹底的にケアすることが必要とのこと。
身体はあらゆることをキャッチし、それを体調などによって自分自身に教えてくれます。例えば、食欲がなかったり身体がダルかったり、そんな身体からの些細なメッセージを受け取り、理解し、ケアすることからはじめてみましょう。
自分を大事にすることが、周りも大事にすることにつながる「次に伝えたいのは、僕ら人間は社会的な生きものですから、ひとりでは生きられないということ。自分を本気で大切にするためには、ライフパートナーや仲間の存在が絶対に必要です。家族や親友を本気で大切にするためには、ちゃんとした街や国、そして、健全な地球が絶対に必要であると気付くはずです。」
私たちは、あらゆる人や自然、モノとの関係性のなかで生かされている。そのことを常に意識することで、自分以外の人やモノに対しての畏敬の念が生まれるのではないでしょうか。
「先祖から未来の子孫を考えると、僕たちはものすごく長い〝命のライン上〟にいます。だからこそ、自分ごととして、自身の両親や祖父母といった、命を与えてくれた存在に敬意を持つべきであり、自分ごととして、人やご近所さん、社会や地球を愛し、数世代先の子ども達のことを考えて行動すべきなのです。」
心の声を聞き取るための、自分の愛し方1.食を変えてみる
食べ物で身体はつくられます。地産地消、有機食材、日本の伝統食をいま一度見直しましょう。
2.不純物を入れない、排出する
できるだけ身体に化学物質や放射能などの不純物を入れないようにする。入ってしまってもすぐにを排出できる健康体を維持する。
3.睡眠と休息
睡眠はあらゆるものの基本。早寝早起きを心がけ、1週間に2日以上ストレスフリーになれる時間を作りましょう。
4.適度な運動
身体を動かすことで高い健康を手にでき、毒素の排出能力も高められます。メンタルと思考能力にも良い影響を与えます。
5.住環境を整える
清潔で無駄な物がなくシンプル、好きな物に囲まれた心地よい住環境は、肉体と精神すべてのパフォーマンスを向上します。
上記以外でも、例えば社会的に何かアクションを起こしたいと考えている人は、まずはそのテーマが自分ごとにできるかどうかが重要だと、四角さんは言います。前述のように、自分のことを究極的に大事にした結果が社会貢献につながるということを念頭に置くことが大切なのだそう。
自分を愛することで生まれる変化「自分を大事にしていない人には魅力を感じないし、信用できない」と言う四角さん。
四角さん自身も、妥協せず自分を大切にできるようになってから、驚くほどパフォーマンスが上がり、より豊かで自分らしい人生となったそうです。
「食生活や睡眠、運動といった生活習慣をアスリート並に気をつけると、まず確実に身体が変わります。身体が整うと自然に心が整い、結果すべてのパフォーマンスが上がります。僕自身、レコード会社時代にあれほどのヒットを出せたのは、身体を徹底的常に整えていたからなのです。
今の時代に声を大にして言いたいのは、ワークスタイルよりライフスタイル。キャリアデザインよりライフデザインが重要ということです。」
自分がどんな環境で、どんな暮らしをするのが一番心地よいのか。常に心と身体の声に耳を澄まし、生きる上でのプライオリティを考えて行くことが、豊かでその人らしい人生への一番の近道となるのではないでしょうか。
インタビューした人 四角大輔さん
「人は誰もがアーティスト(表現者)」というメッセージを掲げ、すべての人間に眠るオリジナリティを再起動すべく活動し、オルタナティヴな生き方を提唱し続ける執筆家。
「The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅」(2016/8/07発売)「自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと」など著書多数。
公式メディア「四角大輔のすべて」