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睡眠環境プランナーが伝授。ぐっすり眠れる、室内環境の整え方

2017/08/22 23:30 投稿

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忙しい女性にとって、眠りの質を上げることは死活問題。寝つけなくてベッドで悶々としたり、朝起きても疲れがとれていない日々が続くと、貴重な1日が有意義に過ごせなくなってしまいます。

そんなときに目を向けてほしいのが、ぐっすり快眠できる環境づくり。快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂さんに、眠りの質をアップする室内環境の整え方と、おすすめの「快眠アイテム」を教えていただきました。

温度、湿度、照明。室内環境が「睡眠の質」を左右する

三橋さん「睡眠環境は、寝ている時間すべてに関わり、睡眠の質にダイレクトに影響します。朝まで無意識の自分を託せる、心地よい環境づくりが快眠の基本。安心できて気持ちいいと本能的に感じられる場所でないと、ぐっすりとは眠れないんです」

出張先や旅行先でのひと晩めは、なかなか眠れないもの。三橋さんによると、それは脳が警戒モードになっているからで、睡眠の実験でもひと晩めは除外するといいます。

つまり温度、湿度、明るさ、空気のきれいさ――そういった寝室の環境づくりを怠ると、自宅でも脳が警戒モードになり、快眠できなくなってしまうというわけ。早速、環境づくりの基本である温湿度の設定と、明るさの整え方からうかがいました。

1.温度

快眠できる室温は、16℃~26℃くらいと言われています。夏場の冷房が苦手な人は、寝具にもよりますが27℃~28℃に設定するのがおすすめ。28℃なら朝までつけっぱなしでも「寒い」と感じにくいはずです。熱帯夜の場合、睡眠中の熱中症のリスクは29℃から上がってくるので、エアコンはつけっぱなしのほうがいいでしょう。

冬場の暖房は、就寝中なら16℃くらいで大丈夫。ふとんのなかは暖かいからといってエアコンを切ってしまうと、朝起きたときに、室温との温度差でヒートショックを起こす心配があります。

2.湿度

湿度は年間を通して50%前後に保って。夏は湿気がちですが、エアコンが除湿もしてくれます。とくに乾燥が気になるときは、加湿器を使うといいでしょう。ただし、室内が結露してくるようだと加湿しすぎ。室温が低いときに加湿すると部屋がべたべたになるので、室温とのバランスが大切です。

3.明るさ

室内を暗くすれば暗くするほど、メラトニンという睡眠ホルモンが分泌されます。じつは「天井付けライトの豆電球をつけて眠る人は、つけない人より約2倍太りやすい」という研究結果が出ています。豆電球は直接光源が目に当たるので意外とまぶしい。それで眠りが浅くなると、食欲ホルモンのグレリンが増える一方、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減り、太りやすくなってしまうのです。真っ暗が苦手な人は、足元で照らすフットライトがおすすめです。

寝つきを良くするには、夕食後には蛍光灯を消して、暖色系のあかりで過ごすのも効果があります。とくに子どもは眼の水晶体がクリアなので、光の影響を強く受けがち。なかなか寝てくれないのが悩みなら、どんどん室内のあかりを暗くしていくと早く寝てくれるようになるかもしれません。

また、夏は日の出が早いので、早起きしない人は遮光カーテンを使ったほうがいいでしょう。ただし1級遮光だと暗すぎて、朝の目覚めが悪くなります。2級~3級程度が適当です。

三橋さん「エアコンの設定温度と、寝ている場所の温度は必ずしも同じではありません。枕元にひとつ、温度と湿度が大きな文字で表示されるデジタル時計を置いておくといいですよ」

気づいたときに実際の温度と湿度をチェックして、自分にとって快適な環境を知っておくこと。それに合わせてエアコンや加湿器を調整すると、睡眠環境がぐっと良くなるそうです。

ダニのアレルギーが起きやすいのは秋

厳しい残暑が予想される今年の夏。まだまだ続く熱帯夜の対策を含めて、季節ごとの睡眠環境の整え方も気になります。

三橋さん「夏場、眠るときはクーラーを切ったほうがいいですか? という質問をよく受けますが、室温が上がって途中で目覚めてしまうことを考えると、つけっぱなしのほうがいいと思います。特にコンクリートのマンションは蓄熱しやすい。夜になって寝室にじわっと熱が出てくるんですよね。

そこでおすすめなのが、眠る前1時間くらいから、寝室をいつもの設定温度からマイナス2~3℃(28度なら25℃くらい)に冷やしておくこと。

眠りにつくときはまだ体温が高いので、涼しいほうが寝つきやすい。ベッドに入ったときに設定温度を上げれば、1時間くらいかけて室温が上がっていくので、体が冷えすぎる心配もなく良く眠れますよ」

そのほか、エアコンと扇風機の合わせ技も効果的。扇風機によって寝室の空気が動くと、風が皮膚の表面を動いていくときに熱をとってくれて寝つきやすくなります。扇風機の風が天井に向くようにして、ゆるやかに室内の空気を動かしましょう。

三橋さん「寝苦しい夏や、寒い冬とくらべて、春・秋は気温的には心地よく眠れる季節。ただし、ハウスダストやアレルギー対策には注意が必要です。ふとんにも花粉が吸着している可能性があるので、まめに洗濯して室内干しにしたり、空気清浄機を活用したりするといいでしょう。

とくに秋は、ダニの死がいが増える時期。ダニの活動が活発なのは夏ですが、生きているダニを寝ている間に吸い込むことはなく、吸い込むのは死んで乾燥して粉々になったダニなんです。9月~10月が危険ゾーンで、アレルギー反応を引き起こしやすくなります

MYLOHASの過去の記事によると人の汗と体温がこもった寝具は、ダニにとっては快適な環境。アカやふけを餌にして、なんと10万~数百万匹も生息するともいわれます。アレルギー反応が起きて呼吸がしづらくなっては、とても安眠はできません。寝具を清潔に保つためにも、枕カバーは2~3日に1回、シーツは1週間に1回は交換したほうがよさそうです。

空気が汚いと起こるデメリット

寝具だけでなく、じつは空気の汚さが不眠の原因になることもあります。最近、眠れていない......と感じるのなら、ぜひ性能のいい空気清浄機を使ってみて、と三橋さん。

三橋さん「高原に行ったら自然に深呼吸したくなるし、ゴミ捨て場に行ったら息を止めますよね。睡眠中も同じで、空気が汚いと無意識に呼吸が浅くなるんです」

呼吸量が増えれば体に酸素がめぐり、疲労が回復する。その反対で呼吸量が減れば、ひと晩眠っても疲れがとれず、朝から倦怠感をおぼえることになります。

呼吸は健康の基本。無意識になる睡眠中こそ、きれいな空気にこだわりたいですね。

快眠アイテムで眠りの質をアップ

現在は空気清浄機をはじめとして、快適な寝室づくりを叶える家電やアイテムがいろいろ出ています。三橋さんおすすめの3点を教えてもらいました。

1.ブルーエア クラシック 280i

0.1μm以上の微粒子を99.97%(※)まで除去できる、独自の 「HEPASlient®テクノロジー」を搭載。コンパクトでシンプルなデザインで、パワフルな清浄力を発揮しながらも静音性に優れている点も寝室にぴったり。

※Camfil社による実証データ。実際の効果は、部屋の状況や使用方法により異なります

2.三菱パーソナル保湿機
水平方向にスチームを届ける技術で、部屋全体ではなく、ピンポイントに就寝中の顔のまわりを保湿。寝ている間に効率よく、乾燥が気になる部分を潤してくれます。空気のマスクをしているような感覚で、のど・鼻の健康や、肌・髪の美容に活躍。寝具がベタつかないのもメリット。

3.サラフ クールパッド
ベッドパッドの吸湿性、通気性も快眠のポイント。敷パッドの多くは、人が寝るとなかがつぶれてしまい、空気が動かなくなって熱がこもりやすくなる。そのデメリットを解消したのが「サラフ クールパッド」。弾力のある立体構造で、なかがつぶれず空気を逃がしてくれて、通気性が抜群。クールタイプのほかにドライタイプもある。ベッドや布団の固さに影響を与えないのもメリット。

三橋さん「夏場の寝具に関して、はやりの冷感素材を使えば冷房なしでも眠れますか? と聞かれることがありますが、それは間違い。冷感素材は室温に影響されるので、部屋の気温が高いとヒンヤリしないんです。吸湿性も自然素材に劣るので、選ぶときは注意してください」。

快眠アイテムを選ぶには、流行だけでなく品質を見極めることも大切です。まずはエアコンの設定温度の見直しから、自己ベストの睡眠環境さがしを始めてみてください。

三橋 美穂
快眠セラピスト/睡眠環境プランナー。寝具メーカーで商品開発や枕のアドバイザー育成、マーケティング、広報などを経験後、研究開発部長を経て2003年独立。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』(かんき出版)ほか、ベストセラー『おやすみ、ロジャー魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)を監訳。



photo by Thinkstock/Getty Images

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