少女時代からの愛読書・高村光太郎さんの『智恵子抄』には、妻・智恵子さんがあどけなく話す故郷・福島の、山や川や空が描かれています。私がじかに触れた木々や湖や人の気持ちも、素朴ながら力強く、静かに輝くような美しさを内包していました。『智恵子抄』の有名な詩「あどけない話」には、「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。(中略)智恵子は遠くを見ながらいふ。 阿多多羅山の山の上に毎日出てゐる青い空が智恵子のほんとの空だといふ」とありますが、「日本橋ふくしま館 MIDETTE」は、東京の空と福島の空とをつなぐ場所。全国屈指の酒処の銘酒や、フルーツ王国の果物や野菜。ごはんのおとも、おやつ、手みやげにしたい加工食品。さらには伝統工芸まで、福島自慢の特産品がずらりと並んでいます。土湯こけし、起き上がり小法師、赤べこ、三春駒、腰高とらなど、縁起ものの郷土玩具は、一つ一つの表情にも注目を。福島の空の下で作業する、職人さんの顔が浮かんできますよ。
「べこの乳発 会津の雪(無糖)」会津中央乳業「会津の雪 ソフトクリーミィヨーグルト プレーン」会津中央乳業
福島滞在時や、東京のスーパーなどで見かけたとき、必ず求める大好物が、会津各所の酪農家が搾乳した「べこの乳」ブランドの製品。瓶入りのヨーグルト「べこの乳発 会津の雪」や、飲むヨーグルト「会津の雪 ソフトクリーミィヨーグルト」を買って、その場で食べたり飲んだりすることも。そのため、「日本橋ふくしま館 MIDETTE」で定番で扱っていると知ったときは大喜び。保冷バッグを準備して、まとめ買いをするほどです。
「べこの乳発 会津の雪」は、搾りたての生乳を使い、その名の通り雪のようにふんわり口に広がるヨーグルト。チーズのようなコクもあって、お菓子作りの材料にも重宝。私は無糖派ですが、加糖もあります。
プレーンの他にストロベリー味もある飲むヨーグルト「会津の雪 ソフトクリーミィヨーグルト」は、「飲みにくいほど濃厚な飲むヨーグルト」と評判。というのも、買ったばかりそのままだと、作りたてのシェイクのように、ぽってりひきが強いから。パックには「よく振ってお飲みください」と注意書きがあり、振れば振るほどクリーミーに飲みやすくなるけれど、個人的にはあえて"よく振らず"、口をつぼめて力いっぱいストローで吸い込むのが好きです。ときどきパックの上部を切って開き、飲むヨーグルトをスプーンですくって食べることもあります。
地元では「あの子」と呼ばれて親しまれている、パッケージに描かれた女の子もチャーミング。
「米粉パンケーキミックス粉」たふぃあ小麦粉、卵、乳製品を使用していない、グルテンフリーの「米粉パンケーキミックス粉」。原材料は、福島県産の米粉と玄米、きび砂糖、食塩、アルミニウム不使用のふくらし粉。粉に卵と牛乳を混ぜて焼くと、見た目はふっくら、食べてもっちりのパンケーキが出来上がります。バターやジャムやはちみつと好相性なのはもちろん、チーズや野菜と合わせれば食事としても味わえます。同会社が作る、保存料無添加・小麦粉不使用・福島県産米100%の米粉麺も、麺コーナーに並んでいます。
「ラジウム玉子」岩城屋米穀店奥州三名湯に数えられる飯坂温泉を訪れたとき購入して帰った「ラジウム玉子」に、東京の空の下で再会できました。温泉街のいくつかの商店や、地元のスーパーにも並ぶ飯坂温泉名物の温泉玉子で、愛らしいカラフルな紙に包まれているのが特徴。
ラジウム玉子は、温泉源泉に玉子を入れること、30分~小一時間。ほのかに芒硝泉の香りを含む玉子の白身と黄身は、消化しやすいゼリー状に固まり、プリンのような食感に。塩やだし汁やポン酢などをかけてそのまま食べても、お味噌汁に入れても。どんぶりご飯にのせたり、納豆やサラダと合わせたり。1パックに6個入っているので、様々なアレンジを楽しめます。
[日本橋ふくしま館 MIDETTE]
住所:東京都中央区日本橋室町4-3-16 柳屋太洋ビル1F
電話:03-6262-3977
営業:11:00~20:00
11:00~18:00(土日祝)
*年末年始の休館日・営業時間はHPでご確認ください