『脱いでみた。』に登場する女の子たちは、みんな服を脱いでいるのにその表情は自然で、柔らかくて、なんだか友だちの部屋でおしゃべりしながら着替えているよう。被写体に選ばれた女性たちは、花盛さんの友人の他にインスタグラムを通して募集した一般女性なのだそうです。
下着の痕がついた腰や胸、ホクロやアザ、シミ、たるみ。花盛友里さんが撮る女の子の写真には、いまどきのグラビア写真だったら絶対修正されてしまうような細かい部分がそのまま写し出されています。そんな女の子たちがみせるすっぴんの体は、まさに写真集のコンセプト通りの「いちばん自然。だから、いちばんキレイ。」な体です。
素人でも簡単にアプリで写真補正ができるようになったこのごろ。だからこそ花盛さんが撮るありのままの女の子たちの姿がすごく新鮮にみえるのかもしれませんね。
素の部分が愛おしく思える一冊女性だったら誰もが多少は体のどこかにコンプレックスがあるもの。でも『脱いでみた。』をパラパラめくっていると、自分の体で気に入らない部分すら愛おしくなってくる気がします。
普通なら親しい人にしか見せないような素の表情は、その人にしかない魅力がありのままに表れますよね。誰が被写体でもそんな表情を撮ることができるのが花盛さんの写真のポイント。
読んだ後に、今より少しだけ自分の事を好きになれる本だと思いました。
[『脱いでみた。』]