今回は、5月29日にオープンした、オーソモレキュラー(分子整合栄養医学/栄養療法)のエッセンスがつまったレストラン「医学会キッチン オーソモレキュラー」にひと足先にお邪魔してきたので、その模様をレポートします。
細胞から健康に、キレイになれるレストラン東京・神谷町にある「オーソモレキュラー」は、カナダ・トロントに本部を持つ「国際オーソモレキュラー医学会」が運営する、世界初のオーソモレキュラー医学会監修レストラン。シーズンごとに、栄養療法に精通した医師、薬剤師、栄養士など約10名による、ダイエット、アンチエイジング、健康などを切り口にした監修メニューをいただくことができます。わたしもオーソモレキュラーを学ぶひとりとして、どんなお料理だろうとワクワクしながらお店に向かいました。
ダークブラウンを基調にした店内は、まさかここで本格的なドクター監修のメニューがいただけるとは思えないような、洗練された雰囲気が漂います。実際のお料理はどれも目にも鮮やかでスタイリッシュ。オーガニック野菜をはじめ素材は調味料に至るまで徹底したノンケミカル・無農薬こだわっているというから、ますます期待が高まります。
高タンパク、糖質オフ。栄養学の知恵もいただくまずは今シーズンの看板メニューともいえる、松山淳先生監修「牧草牛"グラスフェッド"のビーフステーキ」をいただきます。大根おろし、ソースとともに口に入れると、やわらかく、かみしめるほどに上質なうまみが口に広がり、思わずうっとり。
「ニュージーランドの豊かな自然のなか、のびのび育った完全牧草牛の赤身を絶妙な加減で熟成しています。このおいしさは自然のなかでよく動き、身が締まった牛だからこそ。身体に不可欠なタンパク、ビタミン、ミネラルがしっかりとれますよ」と松山先生も熱く語ります。
高タンパクの牛肉は、糖質メインの食生活を送る多くの現代人にとっては、消化しにくい食材。そこで消化酵素が豊富な大根をプラスすることで、タンパクの消化をサポートするというわけです。解毒、殺菌、抗酸化パワーの強い皮ごとおろしているところもポイント。栄養学の知恵が随所に光ります。
次に、柳澤厚生先生監修の「発芽発酵玄米」をいただきます。自然栽培で育った北海道の玄米と岡山のアスナロ米(古代種)を発芽させて炊き3日以上発酵させて作られたという一品は、もちっとした触感と口に広がる玄米の豊かな風味に、思わずほおがゆるみます。「現代人はビタミン、ミネラル不足で元気がない人や疲れやすい人は少なくありません。これはマグネシウムをはじめとするミネラルやビタミンB群を豊富に含み、かつ発酵の力で玄米の栄養素が吸収されやすい状態となっています」と柳澤先生。
不要な糖質はなるべくとらない、というのはオーソモレキュラーの基本といえる考え方ですが、意外にもご飯やパスタのメニューもちらほら。松山先生にうかがうと「(身体にとって)付加価値のある糖は取り入れています」との答えが。なるほどと深くうなずいてしまいました。
"無理のないヘルシー"がうれしいワインは、ソムリエ講師の顔を持つ青木晃先生が「ドクターソムリエ」の立場からセレクト。抗酸化や抗糖化、腸内環境向上、といった視点で選ばれたラベルが並びます。このほか4つのカラー&効能から選べるスムージーなど、女ごころをくすぐるメニューも。
いただいた料理はどれも、いわゆる健康食とは一線を画す本格レストランの味わい。柳澤先生も「これが健康食とは思えないでしょう」と笑います。いつものレストランとしておいしく食事を楽しみながら、健康やエイジングも気遣うことができる、オーソモレキュラー理論の懐の深さに驚きを隠せません。特別なヘルシー料理を食べにいくというより、いつものレストランとして友人や大切な人と行く場所のひとつに加えたい、そんなお店といえそうです。
「医学会キッチン オーソモレキュラー」
住所:東京都港区虎ノ門4-1-17 神谷町プライムプレイス2F
営業時間:ランチ11:30~15:00、ディナー17:30~23:00
定休日:日曜日
電話:03-6435-8629