5月10日(水)~5月19日(金)まで、蜷川実花が亡き父・幸雄氏への思いを写真で綴る展覧会「蜷川実花 うつくしい日々」が、東京・原美術館にて開催されます。
逝く人の目線を感じる穏やかな空気感国内外で活躍する写真家として有名な蜷川は、2016年5月に父である幸雄氏を亡くしました。演劇界で活躍した幸雄氏は「世界のニナガワ」と称され、『身毒丸』『海辺のカフカ』『NINAGAWA・マクベス』『ハムレット』など、シェイクスピアから現代劇まで、数々の作品を手がけた名演出家として名を馳せました。本展では、父の死に向き合うように撮影された約60点の写真が展示されています。
©mika ninagawa, Courtesy of TomioKoyama Gallery ©mika ninagawa, Courtesy of TomioKoyama Gallery「花」シリーズに代表されるように、蜷川の目を通して写し出されたものたちは、色鮮やかな表現が特徴。ですが、今回の展覧会では「どうしてこんな写真が撮れたのかわからない」と蜷川自身が語るほど、これまでの「蜷川実花作品」とは違う趣を見せています。
©mika ninagawa, Courtesy of TomioKoyama Gallery光に照らされて淡く浮き上がったように写る花、幸雄氏が幾度となく目にしてきたはずの舞台から見た客席、それらはすべて、蜷川曰く「逝く人の目で撮った写真」であり、生と死に向き合う父と娘の「うつくしい日々」を描いています。
©mika ninagawa, Courtesy of TomioKoyama Gallery実はこれらの写真が撮影されたのは、昨年の春。本展が開催される時期に逝った父への思いが、娘のファインダーを通して垣間見えるはず。
©mika ninagawa, Courtesy of TomioKoyama Galleryこの個展を通して「家族」への思いを馳せ、「いま生きていること」について改めて考えてみたくなりました。
会場:原美術館
〒140-0001東京都品川区北品川4-7-25
会期:2017年5月10日(水)~5月19日(金) ※会期中無休
開館時間:11:00~17:00 ※水曜は20:00まで、入館は閉館時刻の30分前まで