滋養強壮によいと言われる薬用酒。
健康のために毎日続けてみようと、時々思い立っては薬用酒を購入するのですが、なかなか長続きしたためしがありません。少量をグイッとストレートでいく飲み方ばかりだと、なんだか飽きてしまうんですよね。
なにか良い方法は無いかなあと探していたところ、こんな商品を見つけました。「保命酒(ほうめいしゅ)」、広島県福山市鞆町(ともちょう)だけで作られている生薬配合の薬用酒です。
薬用酒といっても主なベースはみりん。みりんといえば、てりを加える甘い調味料というイメージがありますが、江戸時代までは高級酒として珍重されていました。保命酒は、そのみりんに米麹や焼酎を加え、高麗人蔘や当帰などの生薬を漬けこんで作る、いわば和製のリキュールです。
ほんのり甘い口当たりで、スイーツやカクテルなどにアレンジして使えるのも嬉しいポイント。保命酒蔵元の一社、岡本亀太郎本店のウェブサイトでは、保命酒を使ったレシピを多数紹介しています。たとえば、保命酒にブルーベリージュースを合わせたフローズンカクテルや、くず湯に保命酒と蜂蜜漬けの杏子を加えた保命酒くず湯など。見た目も薬用酒とは思えないほどに洒落ているし、これなら生薬独特の香りや味が苦手な人でも楽〜に飲めそうな気がします。
みりんといえどもアルコール分を10%程度含むため、生薬成分が体内に取りこまれるのもスムーズ。また、みりんに含まれるアミノ酸は疲労回復によいので、寒い時には冷えとりに、暑い時には夏バテ解消に飲むといいでしょう。
およそ350年前に大阪の漢方医によって発明された保命酒、かのペリーの黒船来航時に献上した逸話が残っているほどに歴史の古い飲み物ですが、今は製造者が減って蔵元も4社になったそう。福山に行く機会があったら、ぜひ飲み比べてみたいものです。
保命酒の製造販売を蔵元はこちら↓
岡本亀太郎本店/入江豊三郎本店/八田保命酒舗/ 保命酒屋鞆酒造
text by さとう葉
フリージャーナリスト・エディター。東京の美大で修士号取得後、大学講師やコンテンツ・プランニングの仕事に携わったのち、08年インドへ。art & spiritualityを核に、ハイエンドからサブカルまで幅広い領域を横断的に執筆。12年台湾にも拠点開設。趣味はヨガと太極拳。天文にも造詣を持ち、共著書に『皆既日食ハンターズガイド』(INFASパブリケーションズ)等がある。
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