人との繋がりが幸福度を上げると言われています。でも同時に、人との繋がりがストレスの大きな原因になることもあります。事実、人間関係は人の悩みの9割を占めているという見方もあるほど。

身近な友人関係から、恋人関係、夫婦関係、家族関係、職場での人間関係、地域社会での人間関係など、さまざまな形で私たちの生活に関わってくる人々。誰かの心ない行為で傷ついたり、時には自分がうっかり余計なことを言って誰かを傷つけてしまったり......。人の心は複雑です。たとえ細心の注意を払っていたとしても、どこかで摩擦を生じさせてしまうこともあります。

バウンダリー(心の境界線)を意識する

社会の中で常にたくさんの人に囲まれているにもかかわらず、なぜか孤独感を感じてしまう。そんな人は、人間関係に疲れているのかも。「気遣い社会」と言われている日本人社会では、思いやりと優しさの行為を意識するばかりに、自分の本心を後回しにしてしまいがちです。

心理学ではバウンダリーという言葉を使って、心の境界線をチェックする方法があります。自分を後回しにしすぎてバーンアウトしてしまう前に、「私、疲れてるかも......」そう感じたら、ぜひ立ち止まって想いを巡らせてみてください。

バウンダリーのチェックポイント 1.その人はあなたにとって優先順位の高い人ですか?

特定の誰かに悩まされている場合。自分の人生の人間関係を整理する意味で、その人が自分の中でどれくらい重要人物なのかを考えてみてください。自分を取り囲む人間関係を書き出してみることで、その人があなたにとって優先順位の高い人なのかをはっきりさせることができます。大切な自分の時間とエネルギー。どの人にどんな風に使いたい?意識して考えてみましょう。

2.できないこと、分からないことについて助けを求めることができますか?

「完璧な人だと思われたい」「なんでもソツなくこなせる人になりたい」そんな意識の高さから、他人の仕事を引き受けてしまったり、無理して頑張りすぎてしまったり......。他人に甘えるのが苦手。そんな人は、やがてはストレスが溜まってバーンアウトしたり、人間関係を避けるために引きこもりたくなる症状が出ることもあります。なんでも一人でこなす完璧な人を目指すより、助けたり助けられたりが上手にできる「バランスのいい人」を目標にする方が、深い部分で役立つ人生のスキルが身につきそうです。

3.誰かに干渉する前に、まずは自分を大切に

身近な人が抱えているトラブルが気になったり、相談されて巻き込まれたり......。相談されると放っておけない性格の人は、自分の抱えている悩みに加えて他人の悩みまで背負ってしまうので、自然と人間関係のストレスが多くなってしまうもの。でも、誰かが自分の悩みを自分に変わって解決することができないように、自分も誰かの悩みを解決してあげることはできません。誰かの悩みにエネルギーを注ぐよりも、自分をしっかりと持ってセルフケアを怠らないようにすることで、大きな意味ではポジティブなエネルギーで周りにいい影響を与えることができます。

人と人とが密につながる人間社会において、バウンダリーを意識することはとても大切なことです。バウンダリーの持つ"境界線"という意味合いから他人と距離を保つことなどの冷たいイメージを連想する人もいるかもしれませんが、「こころの境界線」とは、自分のこころを大切にするという意味です。人間関係のストレスから解放してくれるのは他人ではなく、自分自身の意識の持ち方です。疲れてるなと感じたら、チェックポイントを確認してみてください。

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