暗闇フィットネスが行われるのは、大音量の音楽が流れる、まるでクラブのようなスタジオ。インストラクターの指導のもと、腕立てや腹筋などの筋トレを行うインターバルトレーニングと、ボクシングの動きを繰り返し45分間行います。このフィットネス、1レッスンの消費量はなんと1,000kcal。この数値を聞いて、期待と不安がますます湧いてきました。
平日の朝10時の回に参加しましたが、男女バランスよく30人ほど集まっていました。スタジオは細長く、インストラクターが立つステージを真ん中に挟む形で、54個のサンドバックがずらりと並んでいます。
開始時間まで各々ストレッチをしながら待っていると、ボクシングの動きのレクチャーが始まります。いわゆるファイティングポーズと言われる基本の構えと、その姿勢から利き手でパンチする"ジャブ"や、反対側の手でパンチする"クロス"などのパンチ4種類、さらにディフェンス3種類を、実際に体を動かして覚えます。動き自体はそこまで複雑ではないので、指示どおりに体を動かせば簡単にできるようになります。
説明が終わったら、照明がさらに落ち、周りの人はシルエットで見えるぐらいの暗闇状態に。大音量でアップテンポな曲が流れ始めたら、心拍数を上げるための約10分間のインターバルトレーニングがスタートです!軽快な音楽に合わせながら、もも上げ、腹筋、腕立て、スクワットなど、体のありとあらゆる部分を刺激する筋トレを行います。「DOWN!」と腰をもっと落とすように言われたり、「UPUPUP!」と太ももを上げるよう言われたりと、インストラクターのスパルタ指導に、はやくも私の身体は悲鳴をあげはじめます。腹筋、続いて太もも、ふくらはぎと、次々と体のパーツがパンパンに。「最後までもつかな......」と不安になりながらもなんとか必死で食らいつきます。
インターバルトレーニングを終えると、ここからの35分はボクシングの動きが加わってきます。心が折れかかっていた私も、パンチが打てるという興奮からまた元気が湧いてきます。グローブをはめたら、インストラクターの指示のもと、サンドバックを思いっきりパンチ!普段なにかを力いっぱい殴るなんてことはないので、打つたびに今までにない爽快感に満たされます。
途中で「次はジャブ・ジャブ・クロス!」「Upper rush!!」など、パンチの種類や組み合わせを変える指示が飛んでくるので、それに合わせて最初に覚えたパンチを次々に放っていきます。パンチを続けていると、じわじわと闘争心のようなものが湧いてきて、少し強くなった気分に。二の腕はもちろん、パンチを打つときの体をひねる動きによって、腹筋やおしり、内もものインナーマッスルが使われているのを感じます。
サンドバック打ちの間にも、筋トレは続きます。疲労が蓄積されたこともあり、最初のインターバルよりもさらにハード......。ひとりでは絶対にやり抜けない運動量ですが、激しいストロボなどの光や、音の演出、インストラクターや参加者たちの存在が気分を盛り上げて、自分でも信じられないぐらいの力を出せている気がします。
インターバルとボクシングを何度も繰り返し、ラストのフリータイムで力を振り絞ると同時にレッスン終了!その場にしゃがみこんで、すぐに歩き出せないぐらいのキツさですが、その分「やりきった!」という達成感もひとしお。疲れ果ててゼーゼーなりながらも、気分は軽やかで自然と笑顔に。熱気があふれているはずのスタジオに、まるで清々しい空気が流れているようでした。
翌日は、太ももの前側と外側、腹筋が張ってはいたものの、思ったほどの筋肉痛はありませんでした。体はいつも通りに動くので、翌日は一駅分歩いて通勤。というのも、レッスン後の24~72時間は「アフターバーン」というカロリーを消費し続ける現象が起こっているとパンフレットで紹介されていたから。レッスンとアフターバーンのダブルの効果で、トータルで1,000kcal燃焼できるというわけです。この期間は、動けば動くほど脂肪が燃焼されるそうで、「まだアフターバーンが継続中」と思いながら、翌日も翌々日も意識的に体を動かす生活を送りました。
暗闇で自分の世界に没頭しながら、思いきりパンチするなんてなかなか経験できないもの。非日常を全力で楽しむ爽快感と、心地いい疲労感はクセになりそう。今までのフィットネスがつまらないと感じてた人にぜひおすすめです。
「b-monster AOYAMA STUDIO」
住所:東京都港区南青山 3-8-40 青山センタービル B1・1階 ※都内に全4箇所