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家族の笑顔を取り戻したのはちいさな命。寄り添うように胸打つ写真集

2017/03/21 23:30 投稿

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世界中でベストセラーの写真集があります。タイトルは『Penguin Bloom』。その心温まる運命の出会いは話題を呼び、ノンフィクションとして来年にも映画化が予定されています。 せつないけれど、勇気をもらえるストーリー

オーストラリアに住む女性、サム。やさしい夫と3人の子どもがいる彼女は、忙しいながらも充実した毎日を過ごしているはずでした。しかし実際はどんよりと暗く、重く、どうにも満たされない悲しい生活。なぜなら、ある日旅行先のタイで事故に会い、それからというもの車いす生活を余儀なくされ、うつ病とたたかっていたからです。

以前はとてもアクティブだったサムからは笑顔が消え、口数がなくなり、分厚いカラの中に閉じこもってしまいます。看護婦として人の世話をみていた彼女。自分がまさか患者になるなんて......。そんな彼女を見て苦しいのは、彼女の家族も一緒。みんなの心がバラバラになりかけた時に、その「運命の出会い」はやってきます。

偶然にも、けがをした鳥のひなを見つけ、サムが世話をすることになります。「カササギフエガラス」という種類の鳥で、白と黒のその姿はまるでペンギンのよう。「ペンギン」という愛称を付けて一生懸命餌を与え、つきっきりで介護しはじめます。いつからか、一人では何もできないペンギンを自分自身に重ねていくようになります。「この命を救わなければ」という使命感から、彼女は自らを奮い立たせてゆくのです。元気になってゆくペンギンの姿を見届けるうちに、サムもすこしずつ笑顔を取り戻していきます。障害と共にもう一度人生と対峙する勇気を持てるようになり、見事に元の生活へと返り咲きしたのでした。

Penguin Bloomさん(@penguinthemagpie)がシェアした投稿 - 2015 1月 16 2:23午前 PST

「ペンギンだって一人の人間である」

写真集はサムの夫であるキャメロンが辿った記録。プロのサーフ・カメラマンであり、またヴォーグ、ハーパーズ・バザー等世界的な雑誌と仕事をする彼の写真は、人の心の中をまるで見抜いているようなものばかり。

Penguin Bloomさん(@penguinthemagpie)がシェアした投稿 - 2017 3月 8 11:19午前 PST

心の奥底にある、隠した悲しさやもろさ、家族が抱えるどうしようもなさ。そんなこころに寄り添うように、ただ側にいるだけのペンギン。他人をあえて分析したり、評価したりもしない、計算のない、純粋な存在。彼らだけの特別な日常に、ページをめくるたびに笑い、次のページでは涙がこぼれる。そして誰にでもあるそんなアップダウンを自らの人生と照らし合わせ、胸を打たずにはいられないのです。

Penguin Bloomさん(@penguinthemagpie)がシェアした投稿 - 2014 5月 20 3:58午後 PDT

かわいらしいペンギンを含めたこの写真集のメインのモチーフは「家族」。悲しいことがあっても、それをみんなで乗り越えてゆく力を携えた表情が印象的です。そして自分がどんな状況にあっても、その目の前の存在を尊重し大事にすることの大切さを教えてくれたサムはとても強い女性なのでしょう。

そんなサムの勇気の記録を手にとってみてはいかがでしょうか。

Penguin Bloom

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