いっぽう、太陰暦(旧暦)は、月の満ち欠けが基準になった暦です。新月の日を毎月の1日とするもの。太陰暦でのお正月、1月1日は太陽暦での1月28日です。そしてこの日は1日ですから、新月ですね。中国などでは春節といって、この旧正月を盛大にお祝いします。
太陽暦で生きていれば「今年があと1週間」であることを当然のように思いますが、太陰暦で生きていれば「今年はあと1カ月とすこし」です。世界共通の「当たり前」に思われる暦であっても、「当たり前」ではないわけです。そして、どちらかが正しくてどちらかが間違っているというものでもありません。
それぞれが、それぞれのものさしで世界を見ています。「普通」や「当然」もそれぞれのものさしでしかありません。自分の常識は他人の非常識といいます。それぞれがそれぞれの常識を持っているわけですから、「普通こんなことしないでしょ」とか「当然こうするでしょ」は、対立へつながります。太陽暦での1月1日が「正しい」お正月か、太陰暦の1月1日が「正しい」お正月かで争うようなものです。
家族やパートナーなど、こと親しい仲になればなるほど、自分の常識が相手の常識でもあると思い込んでしまいがち(ちなみに、これは、脳科学の観点からみると仕方のないことだそうです)。相手は自分とは違うことをつい忘れてしまいます。
どんなことを「常識」だとおもっているでしょうか。どんなことを「普通のこと」だと思っているでしょうか。そのことに気づいていましょう。
祖母が子どもの頃は、1日には「赤のごはん」といって小豆入りのごはんを食べていたそう。排出を助ける小豆を、排出力が高まる新月の日に食べるのは理にかなっていますね。