歳を取っても、できることは、たくさんあります。
新しいことも発見できるはずよ。
無理をしないで、今の自分にできることを楽しんではどうかしら?
(『今がいちばんいい時よ (ターシャ・テューダーの言葉 (3))』P.9より引用)
ターシャさんはその言葉通り、年齢に関係なく人生を楽しむ人でした。その様子は絵本や写真集、テレビ映像からもうかがえます。そして数あるインタビューのなかでもとくに、彼女の人となりが伝わってきたのが「喜び」というフレーズ。
朝日の輝きや生い茂る緑、そんな自然がこころを満たしてくれる。その喜びを忘れずに生きてゆきたいというお話を耳にしたときは、まるで自分のこころまで洗われるような、清らかで豊かな気持ちになったものです。
そんなターシャさんを、そして彼女が愛した美しいお庭をまた、2017年4月にドキュメンタリー映画というかたちで見ることができます。
人生の喜びを再確認しにタイトルは『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』。その内容は、過去10年間に渡り撮影されたライブラリー映像に加え、これまで撮影が許可されなかった秘蔵映像や現在のテューダー家の様子を捉えたという、完全版ドキュメンタリーとなっているそう。
都会に住んでいると、あの暮らしがしたくても無理があります。でも実際にマネしなくても、映像を見ているだけでわくわくするはず。
おうちにある小さな鉢植えひとつにも自然の美しさが伝わるし、まるでルーティンワークのような生活も、見かたを変えると輝いてみえることに気づくかもしれません。そんな肩の力がほっと抜けるヒントや、もっと生活を楽しめるアイデアをさがしに観に行きたい。いまから公開が待ち遠しい映画です。
<STORY>
米国バーモント州。雪深い山奥にある、18世紀風の農家コーギコテージがあった。まるで絵本の世界に迷い込んだようなコテージには、コーギ犬と一緒に暖炉に温まり、絵を描く1人の女性がいた。アメリカを代表する絵本作家、ターシャ・テューダー。70年もの間、現役で活躍、離婚を経験し女手ひとつで4人の子供を育てあげた後は一人暮らしを謳歌した。「思うとおりに生きてきた」と語るその人生は、決して平坦な道のりではなかった。そんな彼女の知られざるライフストーリーと、多くの人々を魅了する喜びにあふれた暮らしを映し出す。
公開:2017年4月15日(土)より、角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他。
監督:松谷光絵
出演:ターシャ・テューダー/セス・テューダー/ウィンズロー・テューダー エイミー・テューダー