新しいのに、何故か懐かしくていつも驚きがあるアイデアの源を知りたくて、今年で20周年を迎えた(「tsumori chisato」は今年で25周年!)記念に行われた津森千里さんのトークショーに行ってきました。
服を通じてハッピーを届けたいtsumori chisatoワールドに飾り付けられた会場に、自身のウェアを素敵に着こなす津森さんがスッと登場。ファンタジックなブランドの世界観に反して津森さんのサバサバとカッコいい受け答えに引き込まれてしまいます。
変動の多いアパレル業界で長く続けていくのは並大抵のことではないはず......でも。「目の前のことに向き合って毎日洋服を作っていたら、こんなに経っていた」と津森さんは笑います。
「みんなに喜んでほしい。いつも面白くして着る人にハッピーになってほしい。毎日気持ちを込めて楽しんで作っている服を通して、その気持ちをみんなに分けてあげたい」と津森さん。その想いはデザイナーになった頃からずっと変わらないそう。
仕事は自分のためにする津森さんが独立してデザインスタジオを立ち上げたのは、お子さんが2歳になった頃。
「子どもをもって働くのは、きっと今も昔も大変なのは変わらない。それでも、独立したのはとにかく自分で自由に好きにできる時間が欲しかったから。朝から晩まで働いていたけど、自分の好きなことができていたから辛くは感じなかった」と言います。
服も子育ても一人ではできないからチームワークで成功目指して、スタッフやパートナーと協力して乗り越えてきたのだそう。子どものために働くという人もいるけれど、津森さんは「仕事をするのは自分のため」と即答。誰かのためじゃなく、自分のためにやりたいことに突き進む潔さ、我を思い返してハッとしました。
子ども心を忘れないのが原動力つねにアウトプットの連続なデザイナーの仕事。その発想はどこからくるのでしょう。
「いつも何かを探している。あれもこれもやりたいと子どものような気持ちをいつも持っているのが私の原動力」と。
ときには、息詰まることもあるの? という質問には意外な答えが。
「毎日仕事に行き詰ってます(笑)。ああでもない、こうでもないと全部試してみる。それでもダメなら寝て、明日になったらもっといいのが浮かぶかもと期待してみたり......周りの人の意見もよく聞きますね。もちろん自分の中ではこうする!って決めていたとしてもいろんな発見があります」
なんでも、感性でズバッと決めていく感じなのかなと想像していたので、ちょっと親近感を覚えてしまいました。悩んだってそれでいいんだ。誰だって悩むんだと。目の前のことにつまづいて、向いてないのかも、才能ないのかも......なんて悩む前に、進め! と、その言葉を受け取りました。
いいようにポジティブシンキング今回いちばん心に響いたのはこんなお話。
「自分が楽しんでいないと楽しいものなんて作れない。でも、楽しいだけじゃなくて、苦しいのも好き(笑)。悪いときは悪いなりに、良いときは良いなりに。いいようにポジティブシンキングで」
なるほど。 つい悪いのは嫌だ、苦しいのは嫌だと思ってしまいがちだけど、いろいろあっても私は私、いまをどう楽しむかを考えて目の前のことをこなしていく、そんな潔さが大切なのだと教えてもらいました。
『いいようにポジティブシンキング』ってカッコいい、真似したくなりました。
(マイロハス編集部/丸山)