さっきランチを済ませたばかりなのに、もう何かを食べたいと考えていたり、夕飯の後に食べ物を探してキッチンをウロウロしてみたり。特にお腹が空いているわけでもないのに、食べ物を口に入れたくなってしまう。お腹がいっぱいだと分かっているのに、それでも何かを食べたいという欲求。これは、身体ではなく、こころが欲するから食べようとしている「エモーショナル・イーティング」という状態です。食べることで、こころを満たす代わりに胃袋を満たそうとするために起きると言われています。
エモーショナル・イーティングとは?
エモーショナル・イーティングの特徴は、普段は感じない「口淋しさ」を感じる行為です。ストレスを感じる状況でも起きやすくなります。たとえば長距離ドライブのときに、やたらとお菓子をコンビニやサービスエリアで買ってみたり、こころが浮かないミーティングのときに甘いものに手が伸びてしまったり......。普段あまり間食する習慣がない人だと、その違いがよりはっきりと分かるはずです。
まずは、その状態に気づくこと
お腹が空いていないのに何かを口に運びたくなったら、まずその自分の状態に目を向けてください。エモーショナル・イーティングでは、甘いものやしょっぱいもの、またはこってりした食べ物などの刺激物を欲することが多いと言われています。特定の味や食感、香りなどの刺激的感覚を得ることで満足感を得ようとしているようです。
そんな症状が始まったなと思ったら、身体ではなくこころがなにかを欲している、そんな自分の状態に目を向けてあげましょう。何がストレスなのでしょうか? どんなときによく起きるのでしょうか? 自分の状態を客観的に見つめることで、まずはエモーショナル・イーティングと向き合う最初のステップを踏み出すことができます。
こころも満たすコンフォートフードを用意
エモーショナル・イーティングの状態に気づいたら、できればそれに流されないことが一番の対策法です。とは言っても、ストレスや不安感から、こころが「なにかを求めている」というのも事実。
そんなときにおすすめな対処法が、コンフォートフードを用意することです。コンフォートフードとは、安らぎを与えてくれる食べ物。コンフォートフードの言葉の発祥地アメリカでは、子どもの頃お母さんやおばあちゃんが作ってくれたアップルパイやチキンスープ、マッシュポテト やグリルドチーズサンドなどの「ほっとする記憶」が呼び起こされる食べ物のことを意味します。コンフォートフードは食べることでお腹が満たされるだけでなく、こころも自然と安らぐことができる食べ物なのです。
普段から、自分にとってのコンフォートフードが何かを考えておきましょう。突発的に起きることが多いエモーショナル・イーティングの症状に襲われると、人はついお菓子やインスタント食品などの簡単に用意できるものに手を伸ばしがち。でも、それらの食べ物からは、ほっとするような安らぎを得ることはできません。こころが安らぎを求めていることを認めて、コンフォートフードで自分を甘やかしてあげることが、結果としてダラダラと間食しないで済むことにつながるはずです。
自分の感情を受け入れる
エモーショナル・イーティングと向き合うもうひとつの方法は、自分の感情と向き合うこと。こころのざわつきやストレスを抑えるために食べようとするその行為の裏側には、自分の感情と向き合いたくないという気持ちが隠れています。向き合う時間がないのかもしれないし、それほど重要なことに思えないから目を向けていないのかも。どちらにしても、こころが何かに反応してざわついているのは事実。そして、そのざわつきは「食べる」行為だけでは根本的には解放されないこともあります。
調子がいいときもあれば、そうじゃないときもある、それが人間の自然な状態です。恐れや不安などのネガティブな感情もしっかりと受け止めて、「こんなときもあるよね」と自分に言い聞かせる。そんなちょっとしたことでも、こころが欲している本当の安らぎを与えてあげることができそうです。
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