運動不足の解消、ダイエット、からだの不調を整えるため、リラックスなどヨガをはじめるきっかけは人それぞれですが、いまでは、ブームを超えて、ヨガはすっかりと日常に定着しています。そんなヨガ人口は、なんと世界で3億人。年代、性別、問わず、どんどん広がりを見せているのですが、なぜ、ヨガはそんなに人々を魅了するのでしょうか。

ヨガのルーツに出会うドキュメンタリー

わたしも長いあいだ日常的にヨガを行っていて、以前よりも強いからだと穏やかな心に近づけていると思っています。でも、こんなにも身近な存在のヨガなのに、そのルーツは「ものすごく昔にインドのどこかで誕生したもの」といった漠然としたイメージしかありませんでした。

では、どうやって、いまのわたしたちの元に届けられたのか? それを知ることができたのが、9月3日(土)から公開になる映画聖なる呼吸:ヨガのルーツに出会う旅』です。


ヨガの指導者たちが登場

この作品は、ドイツ人映画監督のヤン・シュミット=ガレが、ヨガの起源に興味を抱いたことがきっかけで実際に南インドを訪れ、"近代ヨガの父"と呼ばれるティルマライ・クリシュナマチャリア(1888 - 1989年)の軌跡を追ったドキュメンタリー

そもそもヨガの発祥は、4500年前のインダス文明までさかのぼると言われ、その後、継承を繰り返し発展していきました。インドでは昔から、ラジオ体操のようにみんながヨガを行っているものだと思ったのですが、20世紀初頭、ヨガは少数の年配者や僧侶だけにしか知られていなかったそうです。

当時、大学でヨガの実践と哲学を教えていたクリシュナマチャリアは、マイソール王国の君主に雇われ、身体能力を高めるための古典ヨガを発展させたあらたなヨガの方式を確立。これが、現代ヨガの源流となって、のちに世界に広がっていきます。

指導者たちの貴重なインタビューも

旅を続ける中で、シュミット=ガレ監督は、クリシュナマチャリアの直弟子で、現代ヨガの最大流派の一つであるアシュタンガーヨガの祖・K.パタビジョイスから太陽礼拝を学び、アイアンガーヨガの祖・B.K.S.アイアンガーからアーサナ の指導を受けます。そして、旅の最後には、クリシュナマチャリアの三男から"命を救うヨガ"を施されるのですが、彼らの貴重なインタビューはもちろんのこと、実際に指導者たちが、どうやって教えているのかを知ることができますし、普段わたしたちが取っているポーズが出てくるので、とても親近感が湧きました。

クリシュナマチャリアは1989年に101歳でその生涯を閉じたのですが、亡くなるまでのあいだ一人一人の体調や能力に合わせたヨガの個人指導を続けたそうです。また、自らのことをヨガの"師"ではなく、常に「ヨガを学び、探求し、実験を続けている」"生徒"であると周囲に語っていたクリシュナマチャリア。

こういう気持ちでヨガと向き合い、弟子たちにその思いを伝えていったことで、いまにしっかりと受け継がれています。ここ日本でもファッションやトレンドとしてのヨガではなくライフスタイルの一部になっていて多く人々から愛されている理由がわかる作品です。

監督と一緒にヨガのルーツに出会う旅に出かけてみませんか。

聖なる呼吸:ヨガのルーツに出会う旅

公開日:2016年9月3日(土)

公開情報:YEBISU GARDEN CINEMA、9月10日(土)渋谷アップリンクほか全国順次公開

監督:ヤン・シュミット=ガレ

出演:T.クリシュナマチャリアの子供たち、K.パタビジョイス、B.K.S.アイアンガー

撮影:ディートハルト・プレンゲル

編集:ガビー・クルヌイヤー

美術:イリーナ・クロマイヤー

プロデューサー:ヤン・シュミット=ガレ、マリーケ・シュレーダー

字幕監修:ケン・ハラクマ

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