7月初め、そんな素敵な島で5日間のプチヴァカンスを過ごしてきました。あこがれの西欧文化、「ヨーロッパ人のヴァカンス」とは実際どんなものなのか。今日から3日間、そのハイライトをレポートします。
絵になる! ちいさくかわいい島の街並み
7つの島からなるエオリア諸島は、手つかずの自然が多く残される世界自然遺産。どの島も美しく個性的、それぞれの良さがあるのだとイタリア人は言います。
パナレア島は休火山で、面積のほとんどを岩山と原生植物が占め、ただでさえちいさい島なのに街と呼べるものは東海岸にだけしかありません。
真っ白な壁のエオリア建築と、濃いピンク色のブーゲンビリア、細い坂道から垣間見える紺碧の地中海。
ちいさな街はどこもかしこも美しく、映画のワンシーンのよう。最近ではドルチェ&ガッバーナもパナレアを広告の撮影地に選んだそうですよ。
ホテルの居心地こそがヴァカンスの要
観光地めぐりではなく休暇、ヴァカンスなので拠城となるホテル選びは重要です。私たちが滞在したのは港から徒歩5分ほどの「ホテル・チンコッタ」。白い壁に緑が生き生きと溢れるホテルは光と影のコントラストが美しく、ゆるりとした空気が満ちています。サービスもフレンドリーかつ行き届いていて、星の数以上にラグジュアリーな滞在ができると評判です。
島に上陸したらすぐ、スタッフのファビオが電動ミニ自動車で迎えに来てくれました。道が細いので普通自動車は入れないのです。後部座席は後ろ向きに乗るのですが、坂道を上りながら見下ろした海の美しかったこと。心が一気にヴァカンスモードに切り替わります。
私たちは夫婦でトリプルルームに通してもらいました。シンプルでクリーン、居心地のいい部屋です。4~5人でヨガもできるくらい広いバルコニーからは、見渡す限り穏やかな海。プライベートボートの白い船体が浮かぶのも美しく、日に何度もここに腰をおろして静かな時間を楽しみました。
リラックスの極意は、ただ夏を感じるだけ
ホテルの中心には海岸にせり出した屋外プールがあり、多くのゲストは日中の数時間をプールサイドで過ごしていました。サービス担当のジャンピエーロがいつもここにいて、声をかければタオルやドリンクをビーチソファまで運んできてくれます。
そして、目撃しました。肌に陽を浴びながら読書、という「ヴァカンス」を絵にかいたような景色。暑くなったらプールに飛び込んだり、「チャオ」の挨拶をきっかけにゲスト同士親しくなっておしゃべりしたり。まるで日が暮れるまでの時間つぶしのようにも見えるほど、何もしない。ただただ夏というものを味わうだけ。
せっかちな私はついつい「レストラン予約しなくていいの? 」「明日は何するの? 」と夫に尋ねてしまうのですが、「先のことは何も考えなくていいんだよ。いまこの瞬間を楽しんでね」との返事。私も見よう見まねで体と心を「ここ」になじませてみたら、まるで海の音に溶けていくような心地になりました。どうやらこれがヴァカンスのようです。
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