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日本でママになる、を考える【ドイツでママになる・最終回】

2016/06/04 21:00 投稿

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産後ケアの助産師訪問が終了しました。出産3日後から全16回、おかげさまで赤ちゃんは順調に大きくなり、わたしもすこやかに過ごしています。さて、妊娠・出産というテーマを、リアルな体験と経験をもとにルポ連載してきた、この「ドイツでママになる」。早いもので、今回が最終回です。

妊娠・出産、その周りのことまで考える

この連載では出産方法や妊婦検診、産前産後のケア、保活事情など、子どもを生み育てるにあたって、避けては通れないたくさんのあれこれを、ドイツでの視点を軸に語ってきました。日本とのいろいろな違いや、良し悪し、海外ならではの面白い部分など、さまざまな観点から感じていただけたのではないかと思います。そこで最後にわたしがお願いしたいのは、ぜひ、興味をもったトピックを持ち帰って誰かと一緒に考え、話し合ってもらいたい、ということです。

「妊娠・出産」というと、とかくこれから妊娠出産を目指す女性、あるいは現在進行形で出産を控えた女性に集中した話題になりがち。おそらくこの連載も、予習的に興味をもって読んでいただいた方が多いのではないかと思います。けれど、それこそがドイツと日本との大きな違い。ドイツで暮らしていると、老いも若きも、男性も女性も、生みたい人もそうでない人も、みんながこのテーマについて、より高い関心を寄せているという印象を強く受けます。

なぜなら国家をつくるのは「人」、その人を生み育てることに重きをおくのは当然という考えが強く、多くのパワー、予算(税金)が割かれる分野だから。政治討論番組では常連の話題であり(ドイツ人は政治討論が大好きで、その手のテレビ番組が多いのです)、選挙のとき、候補者がこの分野でどんなマニフェストを掲げているかは重要視されるポイントです。

育てやすいって何?

日本でもここ数年、「産みやすい、育てやすい」環境にむけて、人々の意識も、制度的にもずいぶん(いい意味で)変わったなぁと感じます。とはいえ、まだまだな部分もたくさん、変わり続けていかなければいけません。出産費用の補助や、託児所を増やすのもいい。けれど、間接的なところの見直し、たとえば男性側の労働時間の問題や周産期医療、健康保険制度そのものの見直し無しに、本当の意味での改善はありません。産めよ、育てよ、働けよ、はそのあとに語られるべきことだと思います。

最後に、わたしたちができることは「社会としてどんなありかたが理想なのか」、「自分はどうありたいのか」をつねに問い続け、議論を重ねていくことなのだと思います。あなたにとって「日本でママになる」は楽しい? 快適? 魅力的? この連載が、日本の外の事情を知り、あらためて見つめなおす機会、あるいはこれからを考える判断材料として、すこしでもお役に立てたなら幸いです。

>>「ドイツでママになる」連載記事一覧

【第31回】痛みに耐えなくたっていい。無痛分娩出産レポート

【第30回】いよいよ出産のときがやってきた

【第29回】東洋医学も取り入れる。妊婦に人気の鍼

【第28回】からだの声を聞く、フィジオセラピーってなに?

【第27回】妊婦帯も医療? マイナートラブルもサポート

Photo by Thinkstock /gettyimages

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