2年2ヵ月ぶりに、火星が地球に最接近
火星は、およそ2年2ヵ月の周期で地球への接近を繰り返しています。月が地球にもっとも近づくタイミングで満月になると「スーパームーン」と呼ばれて注目を集めますが、実は火星も地球に最接近して「スーパーマーズ」になるというわけです。その現象が起こるのが、2016年5月31日なのです。
ただし、太陽の周りをまわっている火星の軌道は完璧な円形ではなく、少しゆがんでいます。そのため、約2年2ヵ月ごとに地球に最接近する距離は毎回変わり、およそ6000万kmから1億kmまでと幅があります。今年の場合、火星が地球にもっとも近づくときの距離は約7500万kmなので、「中接近」といったところです。ちなみに、次回の最接近は2018年7月31日で、火星と地球は約5700万kmまで距離を縮めて「大接近」となります。
スーパームーンが、いつもの満月よりも明るくて大きく見えるように、スーパーマーズも明るく大きく見えます。とはいえ、大きさの変化は肉眼ではわかりませんから、公開天文台や科学館などで開催される観望会に参加するのがオススメです。天体望遠鏡のレンズ越しに火星を見てみると、表面の模様もはっきりとわかり、迫力がありますよ。と、オススメしておきながら、私自身は肉眼派! 夜の空気を肌で感じながら、火星の近くに輝く星座なども含めて、空全体を楽しむほうが好きです。スーパーマーズ当日は、火星の輝きと色を自分の目に焼きつけつつ、一期一会の星空を楽しみたいと思っています。
最接近日だけじゃない。5/22の夜空にも注目
さて、火星が地球に接近するというと最接近日に話題が集中しますが、今年はもうひとつ注目してほしいタイミングがあります。それは5月22日(日)。満月、火星、土星、さそり座の1等星アンタレスが、夜空に集合します。22時頃、南東の空に月が輝いているので、月をガイド役に3天体を見つけてみましょう。月の近くで一番明るく輝いているのが火星、火星よりも暗くて赤い星がアンタレス、白っぽく見えるのが土星です。アンタレスの名前の由来は「アンチ・アレス(火星に対抗するもの)」。火星とアンタレスが競い合うように輝く様子を、そっと見守る月と土星。そんな美しい光景を、肉眼で楽しむチャンスがめぐってきます。
image via Shutterstock
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