友人で草の専門家であるかわしまようこちゃんと一緒に野原でも歩こうものなら、「あ、これも食べられるよ。こっちの草も食べてみて」と、さながらデパ地下状態だ。酸っぱい草、ゴマの味の草、ねばねばした草、ピリッとする草......などなどどれも試食しがいのある草なのだ。
小さい頃は、そんな植物たちを味見しながら道草をくったものだ。つつじの花やレンゲ草の蜜、桜の実、桑の実、野苺、あけび。ふきにふきのとう、タラの芽、つくし、行者にんにく、たんぽぽ、山栗。
沖縄では、フーチバー(よもぎ)、さしぐさ、つわぶき、ツボ草、オオタニワタリ、ヘゴの新芽、あざみ、紅花ぼろ菊、タマシダ、雲南百薬、苦菜、長命草など、ちょっと野山に行けば食材となる草は探せる。
もう一人、友人の中には草だけにとどまらず、田んぼのジャンボタニシも蝉も食べる猛者がいる。奥さんと子どもがふたり、家族4人でかれこれ5年以上テントで暮らしている彼らのサヴァイバル術は、「参考に」というより勇気をもらうことの方が多い。人間はこれほどまでにたくましいのね、と感心するもわたしにはとてもとても......。
さて、雑草なる草のその強靭な生命力は群を抜いている。台風でなぎ倒されても日照りが続いても、どんなに過酷な状況に置かれたとしても肥料なしでぐんぐん育っている。そんなものを日々食べていたら、どんなにか強くなれるだろう。
目を細めながら、とりあえず、天ぷらから?
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