社会人生活をそれなりに送ってくると、一緒に食事に行く相手が学生時代からの友達だけでなく、仕事の相手や仕事を通じて知り合った友人など大人になってからの相手が増えてきます。

私自身とくにマナーブックを読んだわけではないのですが、先輩が相手に見せた気配りや、お取引先から受けた心遣いで「自分も次はやってみよう」と心のメモに書いて学んで、なんとなくいまに至っています。

「食事会」で仕事が変わる?

各々経験の積み重ねがあるなか、仕事にも威力を発揮したという会食術を紹介しているのが、国内外の有名ブランドをPRする会社、ザ・ゴールを設立した1人の平原由紀子さん。その著書『仕事ごはん 部下ごはん できる人の会食術』(CCCメディアハウス刊)では、「食事会の気遣いひとつで人間関係が変わり、仕事が変わります」と説いています。

本の帯のキャッチコピーには「こんな時代だからこそ、飲み会ではなく食事会。」とあります。20代はほかの会社の同世代と食事に行くのは「飲み会」と言っていました。でも、気がついてみると、いつの間にか「食事会」という方がしっくりくるのです。

その食事会をよりスムーズに開き、お開き後の帰り道に楽しかった、来てよかったと思ってもらえるようにするための会食術が紹介されています。

お仕事ごはんをもっと楽しむ

その極意として挙げられているものの一部をご紹介すると

・予算を立ててから支払いまで。接待に使う経費は、つねに頭に入れておきましょう。

・会食の案内、そしてお礼。書くべきことと不要なことを見極めましょう。

・なんとなく気の重い、上司と部下のごはんは、あえて一対一で。

・歓迎会より送別会、昇進祝いより慰労会を重視しましょう。

・誘いやすい部下とだけ、食事に行くのは避けましょう。

なかでもほかの本と大きく違ったのが、女性の上司が部下を誘って食事にいくシチュエーション。

一般的に女性の社会人マナーやビジネススキルの本は、目上の方に「誘ってもらって」や会食での座る席順など、読者が低い立場の場合を想定されているものが多く、キャリアを積んでくると知っていることばかり。

この本はそれなりの蓄積ができた自分の会食術の答え合わせとしても面白いですし、自分自身よりも社会人キャリアが長い女性が現場での経験から得たテクニックは、なるほど! と思う点も。

お仕事ごはんをもっと楽しく、実りあるものにできるか、私もここで知ったテクニックをこっそり試してみたいと思います。

[『仕事ごはん 部下ごはん できる人の会食術』]

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