何とも言えない体調不良が多くなったり、意味もなく心が不安定になったりと、30歳を過ぎたあたりから、このような「ゆらぎ」を感じることが多くなりました。

なかでも「PMS(月経前症候群)」に関する悩みや疑問はつきません。

そこで今回は、成城松村クリニック院長、婦人科医の松村圭子先生に、「PMS」への対処法を教えていただきました。

メンタル面での症状が増えている

「月経前症候群(PMS)は、生理前の心と体の不調の総称です。最近は多くの女性が悩んでいますね。なかでもメンタルの症状を抱えている人が増えています。20代のころはむくみとか便秘とか体の症状が多いのですが、30代になると仕事や家庭などのストレスが多くなるので、精神面が気になってくるのかもしれません」と松村先生。

マイロハスの読者アンケートでも、「イライラする」「落ち込みやすい」というメンタル面での回答が目立ちました。

それでは松村先生に、精神的PMSの具体的な対処法を教えてもらいましょう。

ストレスをため込まない

完璧主義だったり几帳面だったりなど、ストレスをため込むような思考をしがちな人は、メンタル的なPMSを感じやすい傾向にあるため、自分の好きなことや心地よいことを見つけてリラックスする。

ストイックになりすぎない

体にいいものを食べなくてはと、アレコレ制限しすぎない。食事はバランスよく食べることが重要。食事をきちんと摂ることで体が元気になり、おのずと心も元気になって精神的にも安定する。

ホルモンのせいだと認めてしまう

たとえば生理前にイライラしたり落ち込んだりすることを、自分のせいと思わずに「ホルモンのせい」と思う。そうすることで心が楽になる。自分を責めない。1か月のなかで、月経前は自分をゆるめる時期と考えるといい。

生活サイクルをホルモンに合わせる

生理前は人とぶつかりやすくなるのであれば、予定を入れずに家でのんびりする。生理前は仕事をちょっとセーブして、そのかわり生理後の調子がいい時期にしっかり働くなど、生活をホルモンに合わせて対応する。

記録をつける

基礎体温をつけたり、日記に体調やその日の気分を書き留めたりして記録をつけて、自分の体を把握しておく。生理周期やホルモンバランスの動きがわかるようになれば、体調や心の変化を事前に察知しやすくなる。

松村先生の「(イライラするのは)自分のせいじゃなくホルモンのせい」という言葉は、PMSが原因で家族や職場に迷惑をかけてしまう......と悩んでいる人に勇気を与えてくれます。

自己嫌悪に陥らず、「生理前は調子が悪いから無理せずすごそう」と考えることが大事なんですね。

次回は、読者アンケートで集まったPMSへの疑問を、松村先生にお答えいただきます。

お話を伺った方:成城松村クリニック院長・松村圭子先生

婦人科医。広島大学医学部卒業。広島大学付属病院などを経て現職。婦人科専門医として月経トラブル、更年期障害、婦人科検診などの治療とケアで女性の人生をサポートする診療を心がけている。テレビ、雑誌などのメディアでも活躍中。「女性ホルモンがつくる、キレイの秘密」(永岡書店)など著書多数。

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