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かごめかごめ

2015/01/22 00:32 投稿

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かごめかごめ


赤江蜜(アカエ ミツ) 元気な女の子 ある事がキッカケで暗くなっていく 小学校3年生
赤江涼子(アカエ リョウコ) 蜜のお母さん 優しい人 だが、途中で狂い出す 20代後半から30代前半
赤江国光(アカエ クニミツ) 蜜のお父さん おおらかな人 30代前半から40代後半
東雲花(シノノメ ハナ) 蜜の親友 美希に言われていじめのリーダーになる 小学校3年生
汐留緒花(シオドメ オハナ) 子供に囚われた女性 子供のお世話係でもあり友達でもある 20代後半
子供 真っ赤なワンピースを着た女の子 蜜が死んだ後の生まれ変わり 悪霊 見た目小学校3年生
美希 いじめの首謀者 小学3年生

蜜&子供♀:
涼子&美希&先生♀:
緒花&花♀:



子供  「かごめかごめ
     籠の中の鳥は
     いついつ出やる
     夜明けの晩に
     鶴と亀が滑った
     後ろの正面だあれ?」

タイトルコール

涼子  『かごめかごめ』


    間


薄暗い空間。
そこには、真っ赤のワンピースを着た子供と一人の女性がいた。

子供  「けんけんぱっ!けんけんぱっ!
     ウフフッ 楽しいねお花ちゃん!」

緒花  「……そうですね」

子供  「お花ちゃん 何か歌を歌って。
     何でもいいから……ねえ、早く!」

緒花  「(少し考える素振り)」

緒花  「かごめかごめ
     籠の中の鳥は
     いついつ…―」

子供  「ッ!!!やめて!!!!」

緒花  「……」

子供  「その歌はやめて、やめなさい、やめろ!
     私は悪くない何も悪くない、ママが悪いの。私は良い子良い子なの。
     良い子だよね?そうだよねお花ちゃん?……花ちゃん?」

緒花  「……」

子供  「何で返事をしないの?ねえ?ねえ?ねえ!?
     私のお友達でしょ?だったら返事してよ!!」

緒花  「……」

子供  「何で…何でなの……ママ」


過去に遡る。
ボロいアパートに、父と母、そして女の子の姿がある。
皆、裕福な暮らしでは無いがとても楽しそうに暮らしている。
だが、父の顔だけ暗くて見えない。

涼子  「蜜ー。今日は蜜が好きなハンバーグにしようね」

蜜   「わーい!あ、ねえママ?私ね学校でお友達が出来たの!」

涼子  「(嬉しそうに)まあ、それは良かったわね。お名前は何て言うの?」

蜜   「お花ちゃん!」

涼子  「お花ちゃん?」

蜜   「そう!」

涼子  「そっか、良かったわね」

蜜   「うん!」

涼子  「フフフッ ほら、お父さんが高い高いしてくれるわよ」

父らしき人物が蜜を抱き上げ、高い高いをする。

蜜   「アハハハハッ」

涼子  「フフフフッ」


子供M 『優しいお父さん、お母さん。
     皆大好きだった。大好き…大好き。
     ……大好き?』


過去 先ほどと同じボロアパート
しかし、蜜はされるがままに涼子にぶたれている。

蜜   「ごめんなさい、ごめんなさい!ごめんなさい!!」

涼子  「あんたさえ、産まれてこなければ!
     あんたさえ、あんたさえ!!」

蜜   「ごめんなさい!ごめんなさい!!」

涼子  「あんたが謝ったって、国光さんは帰ってこない!!
     返して……私の国光さんを返しなさいよ!この疫病神!!!!」

蜜   「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」


子供M 『お母さんにぶたれ、泣いて謝り続ける私。
     私が私であって、まだ『私』では無かった頃のこと。
     何故こんなにも、胸が痛いの?
     ……誰か教えてよ』


学校 教室の一室。
蜜を中心に笑い声が起こっている。

蜜   「花ちゃんおはよー!」

花   「あ、みっちゃんおはよー」

蜜   「花ちゃん昨日くれたクッキー美味しかったよ!」

花   「ほんと?ちょっと焦げちゃったりして心配だったんだけど、良かった」

蜜   「ええー?あれで焦げてるなんて……花ちゃん料理の才能あるよ!」

花   「照れて)そうかなー?」

蜜   「そうだよー!」

二人の話し声に周りにいた女の子と達が気になって声をかけてくる。

美希  「何の話してるのー?」

蜜   「あ、花ちゃんがね、昨日クッキーをくれたんだけど、
     それがとっても美味しかったんだ!」

花   「そ、そこまで上手にはできなかったけどね?」

蜜   「そんな事ないよー!」

花   「あるの……!」

蜜   「なーい!」


周りから笑いの声がおこる。


美希  「私も花ちゃんのクッキー食べたいな!!」

花   「え、食べたいの…?」

蜜   「じゃあ、皆で作って持ってこよーよ!
     そしたら、沢山のクッキーが食べれるよ!」

花   「それってみっちゃんがいっぱい食べたいだけじゃ…?」

蜜   「あ、バレちゃった?」

花   「もー…みっちゃんの食いしん坊」

蜜   「アハハッ!」

花   「フフッ」

美希  「アハハッ!」


女子一同で笑い声がおこる。


子供M 『転校生、お父さんの仕事の都合で、私はこの学校にやって来た。
     見ず知らずの私を暖かく迎え入れてくれたクラスメイト。
     私はクラスの皆がすぐに好きになっていった』


学校のチャイムが鳴り響く。
先生が教壇の前に立ちホームルームを始める。

先生  「最近車での事故が多いので皆気をつけて帰るように。
     それでは、起立 気をつけ 礼」

花   「ありがとうございました」

蜜   「ありがとうございました!」


先生が教室から出ていく。
それに伴いクラスの大半が教室から出て行ったり、まだ残ったりしている。

花   「みっちゃん一緒に帰ろー」

蜜   「あ、ごめん!
     今日はパパとお買い物して帰るから待ち合わせしてるんだ」

花   「そっかー……それなら仕方ないなー。
     じゃあ、明日一緒に帰ろうね?」

蜜   「いいよー!」

花   「(嬉しそうに)良かった。
     じゃあ、みっちゃんまた明日」

蜜   「うん!また明日ー!」


花が帰っていく。
蜜も身支度をし、帰る準備をしている。


子供M 『お父さんとお買い物。
     もうすぐお母さんの誕生日で、一緒にケーキを買いにいく約束をしていた』


帰り道。
商店街を後にする蜜と父。


蜜   「お父さん!私ねお母さんに手紙を書いたの!
     いつもお弁当作ってくれてありがとう!大好き!って!
     それと、肩たたき券も作ったの!
     お母さん喜んでくれるかな?」


父、蜜の頭を優しそうに撫でる。


蜜   「えへへっ。
     お父さん、早く帰ろー!」

子供M 『無邪気な私。
     この平穏が続くんだって思っていた。
     けど、それも全てが遠い過去』

蜜   「ほーら!早くしないと信号変わっちゃうよお父さん!
     ……え?」


横断歩道をわたっている途中。
蜜に気付いてないのか、トラックが信号を無視して突っ込もうとする。
その時お父さんが蜜を突き飛ばす。


蜜   「イタッ……おとうさ……お父さん?」


蜜の見る先には、血だまりの上に倒れている父の姿。
トラックは逃げたのか、気付いたらいない。


蜜   「お父さん……?
     ねえ、返事をしてよ。
     ……嘘…嘘だよ。
     お父さん…お父さんっ!!」


遠くから救急車の音。
場所が変わって病院。
手術が終わったのか先生が扉から出てくる。
涼子が気付き詰め寄る。


涼子  「先生!!主人は!主人は助かるんですよね!?
     主人が私を残して逝くわけ何てありません!
     ……え?冗談…ですよね?
     嘘だって言ってください……!!
     ねえ!嘘だって……!!
     (倒れこむ)嘘……嘘よっ!!
     国光さん……(泣き出す)」

蜜   「………」

子供M 『ひき逃げ、私を庇って死んじゃったお父さん。
     医師に泣いてすがりつくお母さん。
     私は、ただ立ち尽くすだけ。
     ……それからの日々は地獄の一言。
     数週間という時が過ぎ去った』


アパート 涼子が手元の人形に話しかけている。


涼子  「蜜、良い子ね。
     お腹がすいちゃったのかな?
     今からお母さんがご飯を作ってあげるわね」

蜜   「………」

涼子  「あ、それとも先に一緒にお風呂に入りたいかな?」

蜜   「お、お母さ……」


涼子が黙って立ち上がり蜜を蹴っ飛ばす。


蜜   「うっ
     げほっげほっ」

涼子  「ごめんね蜜。
     今虫が煩かったから、
     ちょっと蹴飛ばしてきちゃった」

蜜   「虫……」

涼子  「五月蝿い」

蜜   「………」

涼子  「それじゃあ蜜。
     一緒にお風呂に入ろうね~」


涼子 人形を抱えたままお風呂場に向かう
一人残された蜜


蜜   「……お母さん」


学校
蜜の机は落書きで「学校に来るな」「死ね」「疫病神」など書かれている。

蜜   「………」

美希  「(抑えた笑い声)」

花   「……みっちゃん」

蜜   「大丈夫だよ花ちゃん」

花   「でも……」

蜜   「大丈夫、花ちゃんがそう言ってくれるだけで嬉しい」

花   「………何もできなくてごめんね」

蜜   「んーん、心配してくれてありがとう」

花   「………」


子供M 『家ではお母さんに居ない物扱い。
     学校ではクラスの皆からいじめ。
     まだ我慢する事ができた。
     花ちゃんが居たから……大事な大事な私のお友達』

蜜   「あ、忘れ物しちゃった……取りに戻らないと」

子供M 『でも、お友達の心の中は見えない。
     何を考えているかわからない。
     だから、私は見てしまった』

蜜   「……え?」


教室の扉の前で止まる。
中から笑い声。


美希  「(笑いながら)見た?蜜のあの顔……本当笑える!」

花   「(笑いながら)うん、そうだね」


蜜   「…嘘。
     花……ちゃん?」


蜜が聞いているとは露知らず、会話が続いていく。


美希  「次はさ、上履きでも隠さない?
     もしくは、虫の死骸を集めて机の中に入れるとか!」

花   「えー……美希ちゃん酷いなー。
     私やだよ、虫なんて触りたくない」

美希  「そんなの男子にやらせればいいから大丈夫だよ」

花   「(笑い)そうだね」

美希  「でも、蜜が知ったら泣くんじゃない?」

蜜   (え?)

花   「何が?」

美希  「花がいじめのリーダーだって知ったら」

蜜   (……リーダー?)

花   「あ……そ、そうだね」

美希  「(笑いながら)そうだねって……花反応わるーい」

花   「ごめんね。
     ……全部演技、だから私には関係ないよ」

美希  「(笑いながら)花怖すぎ」

花   「(苦笑い)そんなことないよ」


教室の中は笑い声で溢れかえる。
教室のドアが開く。

蜜   「花ちゃん……?」

花&美希「!?」

蜜   「今の話、本当なの?」

花   「え、何が……?」

蜜   「私を……いじめていたリーダーって」

花   「そ、それは……」

美希  「ばれちゃたらしょうがないかー」

花   「美希ちゃ……」

美希  「(遮るように)そうだよ、あんたの親友がいじめのリーダーだったんだよ」

蜜   「………」

花   「みっちゃん違うの……」

美希  「花ー?」

花   「み、美希ちゃん……」

美希  「(耳打ち)次になりたいの?」

花   「………」

美希  「アハハッ」

蜜   「…全部嘘だったんだ」

美希  「そうだよ」

蜜   「私を、騙していたんだ。
     そっか、そっか………そっか」

子供M 『私は二人を遮り、教室の窓に向かって歩みを進めた』

花   「みっちゃん……?」

蜜   「空が青いな」

子供M 『扉を開き、青空を見上げた。
     そして、私は呪詛の言葉を吐き捨てる』

蜜   「好きは嫌い 嫌いは好き
     毒を吐き捨て、私は好きな林檎を齧る
     見えない物を見ようとしても、見ることは叶わない
     それならいっそ見なくていい
     人間が人形に心を開くことはあっても、人形は人間に心を開かない
     どうしたら、その心を開いてくれる?
     どうやったら、その心をこじ開ける事が出来るんだろう?
     ペンチで開ける?ハンマーで潰す?
     私はそんな事はしない
     だから、皆さんさようなら そして、皆さんこんにちは」


蜜、窓から飛び降りる


美希  「!?」

花   「え……みっちゃん?
     ……嫌、嫌……いやぁぁぁぁああああ!!!」


子供M 『そう言って私は屋上から飛び降りた。
     落ちるまで、ひたすら笑って笑って笑い続けて、そして……死んだ』


     間


先生  「昨日のお昼時間に、赤江蜜ちゃんが屋上から飛び降りました。
     とても悲しいことです。
     皆、静かに……1分間の黙祷をします。黙祷」


花の隣の女子がこっそりと耳打ちする。

花   「………」

美希  「遊び相手いなくなっちゃったね」

花   「………」

美希  「つまんないねー」

花   「美希ちゃん……今は話しかけないで」

美希  「ノリ悪いなー」

花   「………」

美希  「次の相手をきーめた。
     楽しみにしててね花ちゃん」

花   「………」

美希  「むー……つまんない」

花   「………みっちゃん」


一方その頃。
アパートの部屋から出て、階段で降りようとする。
お人形に話しかける


涼子  「蜜、一緒にお買い物行こうね。
     今日は蜜が好きなハンバーグにしようか」

蜜   「ばいばいお母さん」

涼子  「え?
     うっ!?」

脇腹に包丁が突き刺さっている。
涼子が振り返った先には蜜。

涼子  「み、つ…っ!」

蜜   「(淡々と)死んじゃえ」

涼子  「あああっ!!」

包丁を引き抜いて、また刺さる
SE:階段から転げ落ちる。

涼子  「ああ……国光さ、ん」

涼子死亡

蜜   「一人目……まだ足りない、まだ足りない。
     『ハンバーグ』を作るにはまだ足りない。
     フフフッ」


学校 放課後
クラスにまだいる。
花の机には蜜と同じ「気持ち悪い」「くるな」などの落書きがある。


花   「次は私か……でも、した事が返ってきただけ。
     …………帰ろ」

蜜   「声)かごめかごめ」

花   「え?」

あたりを見渡すが誰もいない

花   「……空耳?」

蜜   「声)籠の中の鳥は
     いついつ出やる」

花   「被せる)……空耳じゃない?」

蜜   「声)夜明けの晩に
     鶴と亀が滑った」

花   「………」

蜜   「後ろの正面だあれ?」


振り返ると蜜がいる


花   「みっちゃん…」

蜜   「花ちゃん」

花   「でも昨日飛び降りて死んで…」

蜜   「花ちゃん」

花   「…何?」

蜜   「(満面の笑顔)私ねハンバーグが好きなの」

花   「……え?」

蜜   「私ねハンバーグが好きなの」

花   「それはどう言う…」

蜜   「私ねハンバーグが好きなの」

花   「………」

蜜   「でもね、まだ材料が足りないの」

花   「材料?」

蜜   「そう、お肉」

花   「お肉……」

蜜   「うん、お肉が足りないの。
     足りない足りない足りない足りない。
     ……花ちゃん」

花   「………」

蜜   「花ちゃんは私の親友だもんね。
     だから、私の『ハンバーグ』になってくれるよね?」

花   「……ハンバーグ」

花、振り返る。
生暖かい感触が先に手に触れる。

花   「ヒッ」

蜜   「クラスの皆で作ったの。
     私のお母さんを入れて39人。
     花ちゃんで、40人目……フフフッ」


肉の塊から手が出て、花の腕を掴む。

美希  「助けて、助けて……助けて」

花   「美希…ちゃん」

蜜   「花ちゃん 親友だもんね。
     早くハンバーグになろ」

花   「……うん。
     みっちゃん、これからはずっと一緒だよ」


人肉ハンバーグの中に引きずり込まれていく花


蜜   「これでハンバーグの完成。
     フフフッ……美味しそう」

子供M 『こうして、私は生まれ落ちた。
     この世に呪いと呪詛の言葉を撒き散らし吐き捨てて』

蜜   「かごめかごめ
     籠の中の鳥は
     いついつ出やる
     夜明けの晩に
     鶴と亀が滑った
     後ろの正面だあれ?」


蜜が狂ったように笑う


---END---


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