PSゲーマーのゲーム日誌

ありがとう、そしてさようならネイサン・ドレイク『アンチャーテッド-海賊王と最後の秘宝-』レビュー

2016/05/16 00:06 投稿

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2007年、とあるアクションアドベンチャータイトルがPS3にて発売されました。
その名は『アンチャーテッド-エル・ドラドの秘宝-』
『クラッシュ・バンディクー』『ジャックxダクスター』などを手掛けてきた
"ノーティドッグ"が手掛ける同作は荒削りながらも、まるで映画を自ら操作する様な感覚と、
魅力溢れるB級映画テイストなキャラクターや物語でコアな人気を獲得しました。

その2年後の2009年、驚愕の演出と圧倒的なビジュアル表現の進化を見せ付けて送り出された
2作目『アンチャーテッド-黄金刀と消えた船団-』は世界中で絶賛され、
同フランチャイズを確固たる地位に押し上げました。

更に2年後の2011年、3作目『アンチャーテッド-砂漠に眠るアトランティス-』では
PS3の限界かと思われた前作から更にビジュアル表現を向上させ、
超弩級の演出と多彩なロケーションを描き、高く評価されました。

そして2016年、ハードをPS4へと移し、最後の冒険となる
『アンチャーテッド-海賊王と最後の秘宝-』がいよいよ発売。

開発スタジオである"ノーティドッグ"は前もって本作を「ネイサン・ドレイク最終章」
銘打っており、シリーズの締め括りに相応しい作品とするべく注力してきました。

自称『日本一アンチャーテッドを愛するゲーマー』である私、
無事本作のプラチナトロフィー取得致しましたので、
今回、約10年シリーズと共に歩んできたこれまでの思いを乗せて
本作のレビューしていきたいと思います。

※ネタバレは極力しません。



  • ドラマ性を帯びたストーリーと人間描写
過去のアンチャーテッドシリーズにおけるストーリーは
主人公であるネイト達が追う財宝を、同じく狙い悪用しようとする敵役が存在し、
それを阻止する為に奮闘するというのが主なパターンでした。

また、これまでは物語も1作完結型のスタンスを取っており、
キャラクターの関係性の変化以外は過去作の知識が無くとも遊べる形になっていました。

しかし、本作ではそのキャラクターの関係性が主軸のひとつとなっており、
人間関係やそれによって生まれる葛藤など、よりドラマ性を帯びた物語が展開していきます。

過去作は万人に向けたシンプルなアクション大作といった体裁でしたが、
本作は上記の様な描写が増え、少しばかり大人に向けた内容に変化していると感じました。
更に、アクション面においても作品を経る毎にドンドン派手になってきていたのに対し、
本作では少し抑え目の演出が多くなっていたと思います。
(それでも十二分に派手である事には代わりはありませんが。)
財宝も2や3は失われた伝説の都市という超大物が目当てでしたが、
本作では海賊王が集めた莫大な財宝という少し見劣りする獲物を追う事になります。

言ってしまえば「過去作に比べ落ち着いた内容になっている」という感じです。

しかし、それが悪いとは私は思いません。
勿論アンチャーテッドにはド派手で単純明快な物語を求めている人もいるでしょう。
そういった人には本作の"落ち着き"は不評にもなり兼ねません。

ですが、この落ち着きは本作がシリーズの最終作であり、シリーズと共に歩んできた
ファンに向けた作品である、という事が要因になっているのでは、と私は感じます。

本作を過去作と同じく新規プレイヤーにも入り易い様に最低限の設定だけ引継ぎ、
単純明快なアクション大作として作り上げる事も可能だったと思います。
しかし、本作は「シリーズを締め括る」という確固たる目標の元に作られました。

アンチャーテッドが発売されてからおよそ10年が経過しようとしています。
1作目が発売された当時、10代だったプレイヤーも今はもう大人になっています。
そしてネイトも作品を経る毎に年を取り、今では守るべきものも出来ました。
それ等を踏まえた今回の作風の変化やキャラクターの葛藤は、
シリーズを見守ってきたファンだからこそより深く感じられるものです。

そういった「シリーズと共に歩んだファン」「大人になったファン」に向けた本作の、
明確に終わりに向けて進む物語の展開には、「冒険は楽しいけど、もう終わりにしよう」
というノーティドッグの意思が込められている様に感じました。

いつもの様に単純明快な大団円で終わらせるという事も出来たでしょう。
しかし、私としては今回の様なキャラクターの内面を重視した描き方だからこそ、
「これで終わりでいい」と感じられる結末になったのではと思います。



  • 改善されたゲームシステムと微妙なバランス 
このシリーズの特徴としてあるのが壁をよじ登っていく「クライミング」です。
タイトルの通り地図に無い未開の地でネイト達は断崖絶壁や巨大な廃墟を自力で進みます。
今まではその身一つで進んでいましたが、
本作ではロープやハーケン(壁に突き刺すピックの様な物)が新たに登場し、
更に傾斜面を滑り降りていくなどのアクションも追加され、
チャプターによってはジープを用いた広いエリアでの探索など、
移動パートがより立体的な構成になりました。

シリーズ通して戦闘システムには「カバーアクションTPS」が採用されています。
ステルス要素も若干ながら存在していましたが、本作ではそのステルス要素が強化され、
戦闘によってはステルスのみで突破する事も可能になりました。
また、森を舞台とする事の多いアンチャーテッドらしく、
草むらを利用して隠れるといった事も可能で、それも自動で隠れてくれるので、
難しい操作も無くスムーズに隠れ突破していく事も出来ます。

これ等の様に各要素は改善されたのですが、
どうにもこの「移動」と「戦闘」のバランスが悪く感じました。
今回は「移動」の方に比重が偏り過ぎた印象です。
物語の構造上前半はほとんど戦闘も無く、移動パートが主体になってしまうので、
エンジンが掛からない、悪く言えば退屈さを感じる要因になっていました。
時折過去の回想になりその場面も操作する事になるのですが、
前半の戦闘の少ないパートにも戦闘のある回想を入れてくれれば良かったのですが。

そして今回の目玉要素のひとつが「ワイドリニア」という概念です。
今までのアンチャーテッドは比較的狭い1本のルートを進んでいくだけでしたが、
今回はある程度の広さを持ったエリアに用意された、
幾つかのルートから正解を見付けて行く、という形になりました。

個人的にこれはあまりいらなかったと思いますね。
勿論昨今オープンワールドが主流になってきていて、探索好きな人も多いでしょう。
しかし、アンチャーテッドというフォーマットにはあまり合わない印象です。
リニアであるならそれをとことん突き詰めるべきだと感じました。

それぞれのバランス配分が絶妙に構築されていれば、
ゲーム面でも素晴らしい出来栄えになったのではと感じるだけに少し残念です。



  • 圧倒的なグラフィック表現
最早シリーズの代名詞とも言える「グラフィック」ですが、
本作も例に漏れず凄まじい出来栄えです。

これは説明する必要もないでしょう。
実際に私が撮影した画像でご堪能下さい。
一切編集していません。これが実機のグラフィックです。














  • 素晴らしい音楽の数々と一部不満点
本作では「シビルウォー:キャプテンアメリカ」「キック・アス」「キングスマン」など
昨今大作映画で音楽を手掛けた、ヘンリー・ジャックマン氏が作曲を担当。
その音楽の数々は素晴らしく、特に戦闘中に流れる曲は非常に興奮させてくれます。

しかし、ひとつだけ不満があります。

それは「タイトル画面でメインテーマが流れない」という事。

毎作毎作メインテーマはアレンジされ、タイトル画面で流れるのですが、
本作ではメインテーマはあれどタイトル画面では流れません。

オープニングとエンディングで使用され、盛り上げてはくれるのですが、
ファンとしては毎作恒例の「起動させたらメインテーマが流れる」を楽しみにしていたので、
ちょっと、というか結構ガッカリしました。

しかしサウンドトラックは素晴らしく、メインテーマも本作の内容に合わせた
シリアスな編曲がされており、なかなか良いアレンジだと思います。

せめてクリアしたらタイトルで流れる様にしてほしかったなぁ。



  • 総評
これまでの評を見てもらえば分かる通り、完璧な作品ではありません。
不満点も幾つかありますし、最終作故にその不満点があるというのが残念でもあります。

しかし、これまでこのシリーズを愛してきた事に間違いは無いし、今後も愛し続けるであろう
というのを実感させてくれる素晴らしい作品だとも感じています。

実の所私は1作目はリアルタイムでは遊んでいませんでした。
その頃はまだ日本のゲームしか遊んでおらず、海外産タイトルは眼中に無い状態でした。
しかし、2作目が発表され、そのトレーラー映像を目にして衝撃を受け、
1作目の体験版をPSストアからDLして遊んだ事で私の認識は変わりました。

アンチャーテッドは私にとって単に好きな作品というだけでなく、
自分の狭い視野を広げてくれた思い出深いタイトルでもあるのです。

そんな大事な作品が終わるという事実に悲しみを感じていないと言えば嘘になります。
しかし、アンチャーテッドというフォーマットでやれる事はもう全てやったのではないか、
そうも思うのです。

PS3で3作品、外伝のVitaも入れれば4作品、更にPS4でコレクションも経験してきた私は、
このシリーズの代名詞であるド派手なピンチに瀕してもあまり驚かなくなっていました。
ファンであるからこそ、その後どうなるかが分かってしまうのです。

大好きなキャラクター、大好きな世界観であるが故に感じてしまう避けられないマンネリ。
恐らくノーティドッグ自身も自覚しているからこそ本作で終わらせる事を選んだのでしょう。
昨今人気にあやかり無駄にシリーズを続ける作品が多い中、
今回引き際を弁え、自ら終止符を打つという姿勢を称えたいです。

しかし、アンチャーテッドの世界はまだ少しだけ続きます。
シリーズ初の追加ストーリーDLCが今後配信される事が決定しています。
これが本当の本当に最後となるでしょう。
本編のエピローグはシリーズファンにとってこれ以上ない内容でしたし、
どの様な物語になるのかは分かりませんが、素晴らしい締め括りにして頂きたいですね。

それでは最後に。

ありがとうネイサン・ドレイク、ありがとうノーティドッグ。

そしてさようならネイサン・ドレイク、これからもよろしくノーティドッグ。






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