終りのない砂漠の中をひたすら歩いている。


容赦なく照りつける太陽の下、体は渇き意識も朦朧としてきた。


もう、どれくらいの時間を歩いただろうか。


そしてなぜ、自分は延々と続く砂漠を歩いているのか。


目的地も無く歩き続けるという苦痛と、疲れ切った体を少しでも紛らわせる為に記憶を遡ることにした。


 

 

その日はいつも通り、仕事に精を出すはずだった。


早朝に目覚ましが鳴り、倦怠感を引きずりつつ無理やりシャワーを浴びたところで、やっと意識が覚醒する。


朝ごはんはコンビニで買って職場で食べればいいかと考え、そろそろ家を出ようとしたところで会社から電話がかかってきた。


「ナオキ君には申し訳ないんだけど……」


どうやら取引先に今日の打ち合わせ日が伝わっておらず、再度スケジュールを調整しなければならなくなったようだ。あちらは社員旅行だかでお休みしているらしい。進行は遅れるがこちらも休めるときに休んでお