ムーロンハイ

突然語られる室見長月ドラム打ち込みTips

2020/10/10 16:00 投稿

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 皆さんいかがお過ごしですか。長袖の季節になったり新規コンシューマータイトルの設定で大騒ぎなさったり流行病は相変わらず人々を痛めつけておりますが、どうか安寧に。

 バンド活動がなかなかできないこの折、自身のバンドでは現在データのやり取りによる楽曲制作を行っております。

 改めてドラムプログラミングをする機会が増えましたので、せっかくなので記事を書こうと思います。

おま環

 ーまず制作環境について。

・DAW Studio One5

 今年になって導入しました。他メーカーのDAWのいいところどりをしたような印象で、ableton Liveからの乗り換えも楽でした。今回の話とは関係ないですが、クリップゲインコントロールで波形が追従して変化するところ、付属のチャンネルストリップ(Fat Channel)がお気に入りです。

・音源

 本当はBFDの一つでも買ったらどうだって感じなんですが、未だに付属音源を使っております……。バンドではIMPACT XTからTM Roomy Rock Kit、エフェクトシンバルとタム・フロアタムはTM Pop Rock Kitを選択。楽曲やバンドメンバーの好みに合わせてピッチを変更しています。




ピッチの他にもゲインやAHDの設定をいじることもある。

打ち込み方論

 ーMIDIキーボードやマウス打ちから電子ドラムまで、様々なやりかたがありますが。

 僕は昔からマウス打ちです。確かに打ち込み作業で一番早いのは鍵盤打ちだと思いますが、結局あとから直しを入れることが多いので、トータルタイムとしてはあまり変わらないんですよね。5年前ぐらいからトラックボールを使いだして、今はKensington SlimBladeを愛用しています(リンクを貼ろうと思いましたが公式HPから型落ちしているようなので割愛)。

作業について

 ーでは、具体的な作業の内容について。

 まず、楽曲を制作しているギターボーカルから、クリックに合わせて録音されたボーカルとギターのミックストラックが届きます。それを確認しながらパート確認用のマーカーをつけていきます。ここは下ごしらえですね。Studio Oneにはアレンジトラック機能が付いていますので、それを利用するのもいいと思います。

 ークリックガイド上で録音されているということは、打ち込みはグリッドに合わせる感じですか?

 そうですね。最終的には今作っているトラックを生ドラムの録音にも使いたいと考えているので、クリック・グリッドを絶対基準として作っています。打ち込みの例外として、フラムやタム・フロアの同時打ちのときは意図してずらしています。ずらすタイミングは聴感でいいと思います。

 ー打ち込みは曲の頭から?

 はい。どんなに印象的なパターンが思いついても、まずは曲頭からやっていきます。これは人それぞれですよね。作詞でも色んなパターンがあるように、やりやすい形があればそれでいいと思います。




オケを聴きながらグリッド上に打ち込んでいく。



微妙にずらしたほうが分離感が増し、それっぽく聴こえる。

ベロシティと音色変化について

 ーベロシティの調整はどのようにしていますか。

 よく、『ハイハットの刻みは抑揚をつけなさい』って言われると思うんですけど、ドラムのダイナミクスコントロールっていうのは、単純にボリュームの大小じゃないんですよ。

 ー詳しくお願いします。

 実際演奏すると実感できるんですが、ドラムはダイナミクスと同時に音色が変化する楽器なんですね。スネアドラムやキック・タムは顕著なので、音源にも強弱に連動して4~5個ぐらいの音色が割り当てられていることが多いです(IMPACT XTも同様)。

 そして、ハイハットなんですが、これはビートを刻むときのスティックが当たる位置が表拍と裏拍で違います。ただ音楽ジャンルによって扱いかたの変わる楽器でもあるので今回はよく使われるロック・ポップスでの刻みの話です。

 まず表拍でスティックを振り下ろします、ハイハットの縁(エッジ)をめがけて。裏拍ではスティックを引き上げるため、スティックのチップがハットに当たるように腕を上げつつスティックを下に向け当り次第引き上げます。ダブルストロークと言われる手法です。

 ハイハットでビートを刻むとき、こういった動きが行われるのですが、これによって生み出される音色は全く違ったものとなります――長ったらしくなりましたが、これを打ち込みで再現するには、一つの音の種類では足りないということなんです。なので僕はハイハットに2種類の音源を割り当てます。




基本、アクセントには厚い音、裏拍にはタイトな音色を選ぶと良い。

 ーそれは例えばクラッシュの刻みやハーフオープンでも同じですか。

 いいえ。試したことはありますが、結果として同一の音源で、ベロシティを上下させたものが一番自然だと感じています。ライドシンバルの刻みもですね。ハイハット以外で刻んでいるときは小さくハットも鳴らしていることもあります。フットハイハットの再現ですね。これはなくてもいいとは思いますが、僕は一応入れて雰囲気を作っています。

 ー逆に、ベロシティを触らないパートはありますか。

 はい。キック・タム・フロアについてはベロシティは基準(IMPACT XTでは80)で一定にしています。音色変化を求めていないからです。ことロック・ポップスにおいてはよりコンプレッションされたものにするため、ベロシティを触っていないということもあります。




ライドの刻みにベロシティの変更を掛けている。音のニュアンスも変更されたものがデフォルトで割り当てられている。

手3本・足3本について

 ーよく『人が叩けないパターン』を生ドラム風の打ち込みで聴くこともありますが。

 そこはあまり気にしなくていいと思いますよ。そこにその楽器が必要なんだ、という明確なものがあればそのとおり表現していいんですよ、大体プロドラマーでも手足何本あるんだ……と驚愕するプレイを演じるかたもいるわけですし(遠い目)。

 ただ、これは先述したとおり、最終的に生録を意識しているテイクなので、自分が叩ける範囲のプログラミングにはしています。もちろん、作曲者が違うアイディアを求めていればその要求にも応えます。そこは実際のバンドセッションで作り上げるときと変わりありません。

 ー最後に、打ち込んだパターンの披露があればぜひ。

 稚拙ながら、今取り組んでいる楽曲の一部を。エフェクトは掛けていない、素の音源です(ボリュームバランスとパンニングはしています)。この程度打ち込んであれば、バンドサウンドにおいてはあとは、ミキシングの追い込みで行けるかと思います。

[こちらから]

 ーというわけで、なんの説明もなしにインタビュー形式でお送りしました。こっちのほうが読みやすい気がしたので。今後はミキシングのTipsについても話をしていけたらと思っております。では。



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