ももこの部屋

声優インタビュー集『私の声優道』【朴璐美 編】を読んだの巻

2020/04/15 06:38 投稿

  • タグ:
  • 朴璐美
  • 声優
  • インタビュー
声優インタビュー集『私の声優道』(著:藤津亮太)



朴璐美 編 (p10~)


声優としての転機は『シャーマンキング』(01)だった

それまで私は肩の力が入っていました。『デジモンアドベンチャー02』(00)で敵役のデジモンカイザーを演じたときは「私は声優のスキルで呼ばれているわけではなく、そこから外れているから声がかかったんだ」と思っていました。だから、周りとあまり馴染もうとしていなかったかもしれないです。「尺に合わせるとか、キャラに寄せることなんて!不自然なことやりたくない!」「私はそういうことで呼ばれているんでしょう」と考えている生意気小僧でした。

変わったのは『シャーマンキング』(01)で主人公のライバル、道蓮(タオレン)役に決まったときですね。ヒロインの恐山アンナ役の林原めぐみさんとハオ役の高山みなみさんに、首根っこ掴まれる感じで、毎週ご飯をごちそうになりながらいろいろと教わりました。「あなたがそんなに大切にしている芝居って、マイクワークもできないくらいのものなの?」とか「次の人が台詞をしゃべりやすいように、自分が退くのも含めて芝居なんじゃない?」とか「そんなに身勝手なことを舞台でやっているの?」とか。

目からウロコが落ちました。こいつは本当にダメだから教えてあげなきゃというところで教えてくださったんだと思うんです。他にも「なんでそんな1人でやった気になってるの?」とか「だから、声も出ないんじゃん。声も詰めてるんじゃん。だから喉を潰すんだよ」いろんなアドバイスをもらいました。

そうして、自分自身変わっていきました。『ドラゴンドライブ』(02)の主人公の大空レイジ役に決まったときには、父ちゃんに報告しました。高山みなみさんのことを父ちゃんと私は呼んでいるんですが、『ドラゴンドライブ』で主人公に決まりました!と報告すると、「よし、やることはわかっているね?」と言われ、「はい、背負います。座長をちゃんとやります」と答えました。



あんなに楽しかった演劇が辛くなった

朴璐美は高校で演劇部に入る。友達の誘いだった。そこで演劇の喜びに目覚めたものの、仕事にする気はなかった。高校を卒業したらアクセサリーデザインの専門学校にいこうとしていたという。

三年間、がむしゃらに演劇部をやっていて、気がつくと進路が決まっていないのは私だけで(笑)。そのときは、卒業したらアクセサリーデザインの専門学校に行きたかったんです。でも、当時、母親から「大学を卒業していないとお見合いに響くから、頼むから大学に行ってくれ」と云われて。とはいっても、エスカレーターの女子大はもう嫌で、それで国語一教科だけで受験できる桐朋学園を選んだんです。「漢字ドリルだけやっていれば入れるかな?」くらいの軽い考えでした(笑)

大学卒業後、彼女は高校時代から気にしていた韓国に、一年間留学することを決める。ところが、学生運動が盛んな頃で、朝に学校へ行くと、校門が催涙ガスで真っ白になっていることが日常的だった。さまざまな事にショックを受け、「ここは母国じゃなくて祖国だな」という想いが強まって、予定よりも半年早く帰国する。そこで劇団 円と出会う。

半年で帰ってきて、当時の彼氏とも別れてしまい、これからどうやって生きたらいいかわからないまま、実家に引き戻されて。そのときに桐朋で一番仲の良かった同期に「お前にふさわしいところがある。演劇集団 円の研究所だ! そこなら今のお前の内にある、ぐるぐるドロドロとしたモノを全部吐き出せるぞ」と誘われたんです。

研究所のときは、こんなガチになってもいい状況があるんだということが、すごく嬉しかったです。私のドロドロした気持ちを吐き出すことができて、やっと人間に戻れたような感覚でした。「こんなに何も考えずに没頭していいんだ、自分の内にあるものをこんなにストレートに出していいんだ」と思いましたね。あとにも先にも、あんなに楽しかったのはあのときだけです。


研究生が終わり、実力が認められ、円に所属することができた朴路美。ところが、彼女は挫折を味わう。役者として要求されることが変わってしまった。没頭することが喜びだったのが、没頭することに対してダメだと言われることがでてきた。

あるとき「もうちょっと気軽るにさぁ」と求められるときがありました。私は「その気軽ってなんですか。ガチでやりましょうよ」って調子でした。生意気だったということもありましたが、私としては、研究所時代にあった「板(舞台)の上だったらウソをつかなくて済む」ということが、仕事になった途端「板の上でさらにウソをつく」ということになってしまって、よくわからなくなってしまったんです。

それで「もう、辞めよう。OLになろう。ハンバーグ作れるようになろう。」と思うようになった。そんなときに、当時のマネージャーから電話があって「実は辞めようと思っている」と言ったら、「オーディションの話があるので、どうせなら、それを受け手からにしたら。華々しく散れば」と言われて。それで受けに行ったのが、富野さんの『ブレンパワード』(98)でした。



▼朴璐美 編#2に続く
https://ch.nicovideo.jp/momoco/blomaga/ar1888102





▼朴璐美(ぱく ろみ)
少年役や姉御肌の女性キャラクターを多数演じている。1988年に『ブレンパワード』のカナン・ギモス役でデビュー。代表的な有名作品は『ターンエーガンダム』ロラン・セアック。『鋼の錬金術師』エドワード・エルリック。『BLEACH』日番谷冬獅郎。『うえきの法則』植木耕助。『NANA』大崎ナナ。『進撃の巨人』ハンジ・ゾエなど。東宝ミュージカル『レ・ミレザブル』にも出演。ボイススクールも主催している。



コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事