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二郎、それがお前の選択か―
二郎、それがお前の選択か―
2014年冬―
男は泣いていた。
仕事上りのラーメン、それだけが生甲斐だった。
今、ラーメン二郎が奪っていったもの・・・
それは、男にとっての“全て”だった。
時は流れ、2015年初頭。
男は東京・新宿にいた。
この日は仕事の関係で先輩に付き添い。
なんでも取引先との大事な打ち合わせがあるそうな。
終わる頃には21時、22時になるだろう。
しかしこの日、男にはもう一つの使命が課せられていた。
そう、ラーメン二郎へのリベンジである。
男は言った。
男「、、ぅ、す、すんません。 ちょっとあのぉ。。今日、通院あるんで、この辺で失礼しようかなと。。」
先輩「なんやお前。。それ朝会で言えや。お前前もそんなことあったよな?私用の事は早めに言えや。
ほんでー、病院何時からなん?」
男「ぅ、、すわせーっす、、 あのぉ、、まぁ、6時半からですわなぁ。。」
先輩「え、ほんなんやったらもう行かなあかんのちゃうの?もうええから、はよいってきいや。」
男「あ、ほんまっすかぁ。。さーせっす、、ちょっとあのぉ、、そしたらぁ、、お先上がります。。。失礼します。。」
男はそそくさにその場を立ち去った。
そしてその10分後には既にラーメン二郎新宿店に並んでいた。
今日、ついに雪辱を晴らす。
男に不安はなかった。前回の失敗を生かし、今回は1000円札3枚、五百円玉1枚、百円玉5枚。。
何があっても食券を買える体制をとっていた。
すると前に並んでいた坊主の高校生が何か言い始めた。
高校生「あのーー!すんません、あの、これ、ちょっと両替頼みます!!」
二郎店員「あー、1000円札でいい?」
高校生「はい大丈夫っす」
二郎店員「ちょっと待ってて。 ・・・・・っと、はい。」
高校生「あざっすwwwwwwww」
男「 ! ? 」
言うまでもなく衝撃が走った。
両替できるんかい。そんなん、どこにも書いてへんかったやろうが。
あの時それを知っていれば食いっぱぐれる事なかったんやで!!!
・・・と、声が喉まで出かかったがそこはぐっとこらえて静かに並ぶしかない。
順番が来るのをただ待つしかない。。。
10分後、その瞬間は来た。
今となってはトラウマにまでなった「食券機」が目の前にいる。
「こいつが・・・・奪っていった。。。俺から、、、何もかも、、、!!!」
燃えたぎる怒りと闘志を抑え、おもむろに財布を取り出す。
ラーメン・・・普通盛・・・・・・700円。。。。
その時、ふと、あの一万円札の顔が浮かぶ。
(あいつ、、悔しかったやろうなぁ。あいつかて立派な紙幣、、
なんで拒絶されなあかんかってんや。
・・・今は静かに眠ってくれ。仇、とったるからな。。)
「うぉぉぉぉおおお、、うぁぁぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!」
チャリッチャリッ
「ぐっっっぅ・・・!!!!・・・・・・・ぐわぁぁあぁああああああああああああ!!!!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあwせdrfちうえおうぃrとwrhちえrjrgtjr」
チャリーン!!
3枚の硬貨が食券機に投入された。
まるで試合終了を告げるゴングかのような音が旋律を奏でた。
後にわかったことだが、その時の硬貨にはかすかに人間の血が滲み込んでいたらしい。
男は雄たけびを上げる。
「ふぉおおおおおおおおおお!!!ふぉ、ふぉ、ヴぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ」
周りの客「 」
「さあどうや!!これで終わりや!!!はよ出てこんかい食券!!
ラーメン普通盛700円!!!!野菜マシマシにして全部食うたるわ!!!!!!」
このとき、コインを入れてから既に10秒が経過している。
・・・何故だろうか。
何も反応しない。
それどころか、食券のランプが点灯していない。
「はぁっ。。。!???なんでや、金入れてんぞ!!なんで、なんでなんもならんのや!!!」
「おいこら糞店長!!お前ええかげんにせえや!!はよ飯食わせろや!!なんでこれなんも動かへんのや!!!なんか言えや!!」
二郎店員「他のお客に迷惑なんで静かにしてもらえる?」
「あぁぁぃ。。。スワセン。。。」
男の怒号は店内いっぱいに虚しく響いた。
食券機が反応しなかった理由は―
完結編へつづく。
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もこう
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スワセン。。。