餅風呂

斑鳩演出ノート  その2

2018/04/19 22:49 投稿

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 前回は冒頭からOP直前のところまで解説したので、今回はOPからいきたいと思います。といっても、OPはそんなに力を入れておらず、解説できるところは少ないので途中まで飛ばし飛ばしで読んで貰って構いません。



 タイトルロゴ。原作と微妙にデザインが違うのは、原作との差別化を図るほかに、ストーリーを考えるうえで「斑鳩という枠に囚われない」というコンセプトがあります。バランス的に少し気に入らない部分があるので、もしかしたら今後修正する可能性があります。






 OS起動画面。攻殻機動隊やマトリックスみたいなのをイメージしました。HTMLとかRubyとかできないわけじゃないんですけど、プログラミングはあまり強くないのでとりあえずAviutlで使われているスクリプトをコピペしただけなのでコード自体にメッセージとかそういうのは一切ないです。こういった自分にとって知識のないものを作品の中に取り入れるのは結構勇気がいります。ましてや「〇〇警察」なるものが存在するネットでは適当なものを入れると鬼の首を取ったようにクレームが来ますし。
 コードの中に「アカネチャンカワイイヤッター」が隠れていることに気づいていただけて非常にうれしかったです。実はもう一つ秘密がありまして、よく見るとうっすらと茜ちゃんの顔が映っています。茜ちゃん演じる天内がOSを開発したという設定だからです。






 OS起動画面その2。プログラミングに引き続き、こういうデジタルな画面を作るのは慣れていないのでそれっぽい感じに仕上げてます。「10minA3」というOS名の意味は忘れました。結構いろんな意味を込めて付けたはずなんですけどね。あと下にあるゲージの伸び方にはちょっとこだわりました。気づいてくれたの一人もいなかったけど。まあ、演出というものはいつの時代もそんなもんです。




 言うまでもないですが、元ネタはGダライアスです。前と次の画面と比べると色合いがデザインが全く違うため無理やりネタを仕込んだ感がありますがこれには伏線がありまして。いつか回収できればいいなと思ってます。




 斑鳩のカット。ここで派手に登場させてしまうと後半のダイナミックな登場演出の魅力が薄まってしまう他、テキストの見やすさを考えてもOPでは控えめな登場の方がいいだろうということで、境界線ぼかしやグラデーションなどで画面中央以外を暗くして見づらくしてます。迫力を抑えるためにもアオリでのカットは避けた方がいいです。ちなみに、この動画ではMMDモデルをAviutlに呼び出して使用しているのですが、蛍の光P様が配布されている斑鳩のモデルは少し特殊なものでして、MMDで呼び出さないとテクスチャがおかしくなってしまうのです。なので、斑鳩が登場するシーンだけMMDで作成しています。







ここから本編。例のごとく能書きも多くなります。



 魚眼レンズや手振れ、ぼかしの効果を使用し、さらにこのシーンの時間帯は昼ですが、あえて背景を黒色にすることで、死の淵から戻ってきた森羅の動揺と焦りを表現しています。こうしたレンズの歪みの表現はキャラクターの内面を表現することにも向いていますが、あまり大げさに行ってしまうとギャグの様に見えてしまう他、実写と比べて情報量の劣るマンガやアニメのキャラ、ましてやポーズやアングル、輪郭が固定された立ち絵で顔のドアップのカットを出すということは非常に危険な行為です。ですので、そうしたキャラクターの表情や存在感を印象付けるためには、"状況の中で見せる努力"が必要になります。
 Adobeなどのプロ仕様の映像編集ソフトには、こうしたレンズ補正の効果が当たり前のように実装されているのですが、Aviutlには実装されておらず、またその重要性を理解されていない方も多いのか、スクリプトもあまり多いとは言えません。正統なアニメーションから派生した"劇映画"としてのアニメの映像は、演出基準を絵画ではなく実写映像の記憶に依存しており、実写映像そのものもまた、原理的にはレンズという物理的、光学的特性に依存しているのであって、決して美学的な概念や規範から生み出された訳ではありません。特に最近はリアルな演出を用いた劇場形式の動画が増えているのにも拘らず多くの違和を抱えている理由は、恐らくこういったアニメで実写映像を再現することに対するある種の理解の低さからきているのではないか、というのが僕の考えです。






 ずん子さん演じる風守登場のカット。先ほどとは一変して明るいカットなのは、森羅が闇(絶望)、風守が光(希望)を象徴しているからです。立ち絵の全体の色調を明るく、背景は逆に暗くすることで、画面のメリハリを与えています。印象的な雰囲気に仕上がって個人的にはお気に入りのカットです。ただしこういった手法も、視聴する側の観方を縛る行為であるため、多用するのは危険です。







 ちょっとデフォルメが効いた表情も使ってみたいな~、と思って作ったカット。頭から下が画面から消えている、所謂首切りのカットなのですが、あまり下を移すとビーチクが見えてしまいシリアスな雰囲気を損なう可能性があったのでこれが限界。顔にかかる光は、先ほどと同じく希望を表現しています。







 風景のカット。差分が多いとはいえ、輪郭に変化のない立ち絵というものは、アングルなどを変えても画面の見栄えが変化しない要因になってしまうので、場面にメリハリをつけるためにも”あえてなにも登場していない”カットを挿入することも必要ですし、ついでに手抜きができます。関係ないのですが、この風景はフリー素材のサイトから拾ってきたものなのですが、どうやら何十年も前に取られたもので著作権切れになったことでフリー素材として扱われた経緯があるようです。けっこう鮮明でびっくりですね。







 先ほどのカットと比べると少し引き気味にすることで、森羅の落ち着きを表現。カメラの距離感はこうした心理的描写としても活かすことができます。







 先ほどは彩度を上げるなど明るくしていましたが、二度も入れるとくどい上に、人物の表情との違和も発生してしまうため、色調補正は抑え気味にしています。







 これまでの手法を踏まえたうえで、色調補正やぼかしを使い暗さを表現。さらにゆかりさんの目が見切れていると非常にかっこ悪いというのと、こういった悲しみのどん底を表現させるために、目は非表示にして表情が見えないようにしています。表現力に限界があるからこそ、あえて見せないという構図です。





 今回はここまで。実はもっと具体的に解説したかったのですが、先月HDDの中身を整理したせいで動画前半のプロジェクトファイルが正常に動作しなくなってしまったので、どんな効果を用いたのか、どうやって動かしたのか若干うろ覚えなんです。スイマセン;;

パート1の編集もようやく本格的に始まったので、演出ノートの更新も少し開いてしまうかもしれませんがご了承ください。



では。


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