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斑鳩演出ノート 「カラーコレクション編その2 ”色調補正の巻”」

2018/02/18 07:27 投稿

コメント:2

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前回はフレームバッファを呼び出し、合成モードを「乗算」で設定したところで終わりました。
 
 ここから色調補正に入りたいと思いますが、その前に…

 一見このままでも十分良さそうな感じに見えますが、右側のゆかりさんの制服と背景が暗すぎて少し見づらいので、見やすくする必要があります。



 フレームバッファの設定ダイアログを開き、透明度を少しずつ上げていきます。


 どのくらいあげればいいかはカットによって違うので、自分がしっくりくるところまで少しづつ調節していきましょう。今回は右側の背景の暗さを残しつつ、ゆかりさんの制服も見えるくらいまで調節した結果、こんな感じになりました。






 透明度の調節が終わったら、ダイアログの右上にある[+]をクリックし、色調補正を呼び出します。






 するとこんなのが出てくるはずです。今回いじるのは「彩度」だけですが、他にも「明るさ」「コントラスト」もたまにいじるので、そちらは効果の説明だけしておきます。



明るさ
オブジェクトの明度を調節します。値が大きいほど白に近づき、小さいほど黒に近くなります。

コントラスト

文字通りオブジェクトのコントラストを変更します。具体的に言うと、値が大きいほど明暗差がはっきりとし、低いと灰色に近づきます。

彩度

オブジェクトの「彩度」を変更します。値を大きくすると鮮やかな色に近づき、値を小さくするとくすんだ色に近づきます。


 では、彩度の値を0か200のどちらかに一気に動かしてしまいましょう

彩度0

 鮮やかではないですが、全体の色合いの調和がとれており、涼しげで落ち着きのある雰囲気になりました。


彩度200

 二人の髪の毛と背景の葉の色がはっきりとし、色鮮やかで明るい印象を与えます。



 どちらを選ぶかは皆さんの好みです。「こっちの方がいいな」と思った方を選びましょう。
 今回は、日陰のある縁側ということで彩度0の方を使いたいと思います。


 以上でフレームバッファの設定はおしまい。ここからは、「拡張色調補正」のフィルター機能を使用したカラーコレクションのやり方を紹介します。



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 タイムラインの何もないところを右クリックし、「フィルタオブジェクトの追加」から「拡張色調補正」を呼び出します。



 「拡張色設定」を見間違える人が多いので注意。俺もソーナノ。



 見ての通り大量の設定値があるので一見難しそうに見えますが、そんなに難しくありません。
拡張色調補正_フィルター_rgb_ycbcr
こちらのサイトからお借りしました(http://aviutl.info/kakutyousikityouhosei/)

 大まかに分けて、「RGB」と「YCbCr」という2つの色空間があり、それらのパラメータを変更していきます。
YCbCr方式
  • Y:輝度を調整(値を上げると「輝度」が上がる)※「明るさ」の事ではない
  • Cb:青色色差を調整(値を上げると「青色」っぽくなる、下げると「赤寄りの緑色」っぽくなる)
  • Cr:赤色色差を調整(値を上げると「赤色」っぽくなる、下げると「青寄りの緑色」っぽくなる)
  • RGB方式
    • R:赤色を調整(値を上げると「赤色」っぽくなる)
    • G:緑色を調整(値を上げると「緑色」っぽくなる)
    • B:青色を調整(値を上げると「青色」っぽくなる)
http://aviutl.info/kakutyousikityouhosei/より


 さらにその中から、以下のように細分化していきます。

  • offs:足し算で補正。
    例えばRのoffs値を上げると画面全体が赤っぽくなる。

  • gain:掛け算で補正。
    例えばRのgain値を上げると赤系の色が鮮やかになる。逆に下げると赤色が消える。

  • gamm:ガンマ補正的に掛け算で補正。
    全然わからない。俺たちは雰囲気で調節している。
    gainと似ているが、濃さはやや抑えめ。ヒストグラムの動きにもgainと比べるとかなりの違いがあるのですがさっぱりわからん…色に自信ニキ絶賛募集中。

 「それぞれの値の違いは分かったけど、結局どれを動かせばいいの??」という方もいらっしゃると思うので、そんなあなたに指標となる機能を紹介します。

 Aviutl本体メニューの「表示」→「ヒストグラムの表示」から、ヒストグラムを表示します。
 すると、こんなグラフが表示されるはずです。

 上からR、G、Bのグラフ。左側にグラフが集中していればしているほど、黒に近い色が多いことを示しています。右側はもちろん白です。
 つまり、この画面には全体的に黒色に近い色が多いことがわかります。


 で、このヒストグラムを見ながら、「満遍なく平らになっているグラフ」になるように調節していきます。どうやって動かすのか?それには、グラフの動き方の法則を理解すれば簡単に使えるようになります。


 まずRGBを動かします。YCbCrは仕上げに調節するのでまだ触らないでください

 グラフを調節するうえで一番邪魔になりそうなのは、左側にある山です。ですので、まずは山をどかしてしまいましょう。
 試しにR(offs)を動かしてみて下さい。すると、グラフの形はそのままに、値に合わせて左右に移動するはずです。これを利用して、左側にある山が見えなくなるようにグラフを左側に移動させてみましょう。
 ざっとこんな感じにしました。
 しかし、これでは右側の(白に近い)色がまったくないため、満遍なく平らになっているとは言えません。



 次に、gainの値を動かしてみます。値に合わせてグラフが横に広がったり縮んだりするはずです。これを利用し、グラフの右端をウィンドウの端に合わさるまで広げてみましょう。
 だいぶ平らになってきましたがまだ少しだけ左側の方に色が偏っている印象がしますね。ここまでくればあと少しです。


 最後にgammを動かすと、色の比率(というより比重?)が値に合わせて変化するはずです。これを使い、左側に偏った色が全体に広がり、左右が均等になるように調節します。

 
 可能な限り「満遍なく平ら」にしたこの状態が、理論上良い画像と言われています。実際どうなったか見てみましょう。

補正前




補正後








…あれ?そんなに変わってなくない???







 てなわけで、次回、『仕上げの巻』に続きます。今回は覚えることいっぱいで大変かもしれませんが、よろしければ最後まで付き合っていただけるとうれしいです。





では。

コメント

ソウオウル
No.1 (2018/02/24 10:27)
とてもわかりやすい解説ありがとうございます。
サムネイルを作る際の境界ぼかしやテクスチャの件といい、今回の拡張色調補正の使い方といい、理論も理解しやすく、実践的な使い方を紹介されており、非常に参考にさせていただいております。
続きもぜひ楽しみにしております。
棚餅(結石) (著者)
No.2 (2018/02/25 02:01)
>>1
ありがとうございます。
元々私の動画で「このシーンそうやって編集してるの?」といった質問が多かったのと、Aviutlの初心者~中級者向けのサイトは多いのですがその先の応用について解説している方があまりいらっしゃらないので、いなければ俺がやる精神で始めましたw
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