餅風呂

斑鳩演出ノート 「カラーコレクション編その1」

2018/02/16 19:03 投稿

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  • 合成モード

 今回も斑鳩のレイアウトの解説を行いたい…と、思ったのですが、よくよく考えたら本作のほとんどのカットで使われているカラーコレクション(以下カラコレ)について解説していなかったので、今回のテーマはそれでいこうと思います。
 
 映画やドラマなどにおいて、撮影した映像の色調を加工せずそのまま商品として使われることはまずありえません。不気味なシーンでは暗く、陽気なシーンでは明るい画面にするといった、映像の色彩を補正し画面の雰囲気を変える作業、それがカラコレです。現場や年代によってカラータイミングとかグレーディングとか変わりますが、ここではカラコレで統一しておきます。
 一見難しそうに見えますが、実際難しいです。シーンごとのストーリーの演出意図や雰囲気を理解する必要がありますし、そこから効果的な補正を加えられるセンスと色彩感覚が必要です。とはいっても物は試し、早速やっていきましょう。

 本来であればAftereffectのような動画加工ソフトを用いるべきなのですが、ここではいつものようにAviutlでもできる方法を紹介します。


 まずは、適当な背景と立ち絵を配置します。練習なので置き方については今回は深く考えてないです。立ち絵が向かい合った、いつもの見慣れた光景ですね。



 次に、「メディアオブジェクトの追加」から「フレームバッファ」を呼び出します。使ったことのない人に軽く説明すると、フレームバッファより上のレイヤーに配置したオブジェクトを1つのオブジェクトとして表示する事ができるオブジェクトです。

↓のGIFにある手前の黄色い枠があるオブジェクトがフレームバッファ。

http://aviutl.info/hure-mubaffa/からお借りしました



 複数のオブジェクトを一つの画面として扱えるので、「オブジェクト一つ一つではなくて、画面全体そのものにアニメーション効果をかけたい!」というときにフレームバッファが役に立ちます。


↑こちらはグループ制御を用いて、一つ一つのオブジェクトに同じ数値(250)のクリッピングをかけたもの。それぞれのオブジェクトの大きさに合わせて切り取られているため、長さに統一感がない。ゆかりさんかわいそう。



↑対してこちらはフレームバッファにだけクリッピングをかけ、「フレームバッファをクリア」にチェックを入れたもの。画面全体がスパッとキレイに一直線に切り取られている。でもやっぱりゆかりさんかわいそう。

 この特徴を利用し、フレームバッファの色調をいじることで画面全体の調整をしていくことになります。



 フレームバッファを呼び出したら、色調補正をいじる前に、合成モードを変更します。フレームバッファの設定ダイアログにある「合成モード」をクリックすると、加算だとかスクリーンだとかいろいろ出てくると思います。
 一つ一つ、簡単に説明していきましょう。

加算

 合成先の画像(フレームバッファより上のレイヤー)の要素に、合成元の画像(フレームバッファ)の要素を「加算」します。具体的には、合成先の画像が青(RGB(0,0,255))だとして、合成元の画像が黄(RGB(255,255,0))だとしたら、足し算して白(RGB(255,255,255))になります。
 要するに、ここで使うと色の高さが二倍になり、白色に近づくということです。黒色はRGB(0,0,0,)なので、透過されます。ニコニコモンズにある動画素材のほとんどはこの仕組みを利用しているわけですね。


減算


 色を足して白色に近づく加算があるのならば、逆に色を引いて黒に近づく減算もあるわけです。フレームバッファは、上のレイヤーとまったく同じ色情報を持っているため、合成先から合成元を引かれてゼロになり、真っ黒になります。なので今回のカラーコレクションでは使いません。ですが、ちょっとフレームバッファの座標をいじってやると…。


 このように合成されたフレームバッファを見ることができます。ネガやちょっと変わった色ずれみたいな演出に使えるかもしれません。



乗算

 
 足し算引き算とくれば、当然掛け算もあるわけです。こんな感じに計算します。
 合成後 = 合成先画像 × 合成元画像 ÷ 255   子供のころ算数苦手だったから頭痛くなってきた…
 特徴としては、画面が少し暗くなり、白(RGB(255,255,255))は透過されます。ちょっと日陰にいるような、そんな雰囲気になりましたね。

 ちなみに割り算はない。全国の割り算アンチのみんな、安心したまえ。

スクリーン

 計算式はこんな感じ 
 
 合成後 = 合成先画像 + 合成元画像 –(合成先画像 × 合成元画像) ÷ 255

 
割り算あるじゃんか!!嘘つき!!!

 計算がややこしいですが、加算よりもちょっと明るさが抑えめって感じで覚えておけばいいです。「動画素材を加算で合成したら色がちょっと白っぽくなった」というときにこれを使えば解決するかもしれません。当然、カラーコレクションで使うとしてもこちらの方が加算より使いやすいこともあります。

オーバーレイ

 「輝度」が50%より明るい部分はより明るく、「輝度」が50%より暗い場合はより暗くします。実際はちょっと違うらしいですが。
 若干暗くなりますが、色に厚みが生まれました。個人的に一番使う合成モードです。斑鳩でもこれがよく使われています



 比較(明)と比較(暗)、輝度、色差はカラコレでは使わないので省略します。興味ある人は調べてみてね。決して説明がメンドくさかったわけじゃないよ。うん。


陰影

 絵を描いている人ならわかるかもしれませんが、Photoshopでいう焼き込み(リニア)みたいなものです。色相はそのままに、暗いところをさらに暗くし(明度を下げ)ます。減算とオーバーレイの中間くらいの暗さになる、とだけ覚えておきましょう。



明暗

 重ねられた色応じて、明るさを増減させる機能です。Photoshopでいうリニアライトみたいな機能です。暗いところはさらに暗く(黒に近づく)、明るいところはさらに明るく(白に近づく)なります。

差分

 合成先と合成元の色を比べて、明るさの大きい方から小さいほうの数値が引かれて合成されます。減算と同じく、二つの数値は同じなので0になり、真っ暗になります。これもカラーコレクションでは使いません




 この中から、場面に合いそうな合成モードを選んでいくことになります。
 「結局どれ選べばいいの?」という方もいらっしゃると思うのでざっとまとめると、

    明るい場面、もしくはシチュエーションの場合 ⇒ 加算、スクリーン
    暗い場面、シチュエーションの場合⇒ 乗算、オーバーレイ、陰影

 といった感じに選ぶといいでしょう。といっても、全部で13種類しかないので一つずつ見てみて、しっくり来たのを選ぶといいと思います。


 今回は明るめですが、日陰のある室内のシーンなので、合成モードは「乗算」にします。




 長すぎたのでつづきは次回に。では。

















あ、そうだ(唐突)







 今回紹介したAviutlの合成モードにはデフォルトで13種類しかないのですが、そこからさらに76種類(!)も追加できるスクリプトが配布されています。


 
 Photoshopなどの描画モードにあるような機能はほぼ網羅されていると思うので、ぜひ導入されてみることをお勧めします。


 では。

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