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たまこまーけっと最終回~しかるべきときに、しかるべきところで

2013/03/28 23:56 投稿

コメント:2

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「たまこまーけっと」はついに最終回となる第12話が放映され、物語も一区切りとなってしまいました。前回に引き続き、このブロマガの趣旨としてはまたしても脱線ということになってしまいますが、簡単に感想を述べておきたいと思います。地域の放映環境の事情等によって最終回は未見という方は、放送内容に触れますのでご注意ください。

感想とはいっても、前回の記事で「たまこまーけっと」全体についてのおおまかな見解はすでにあらかた書いていますし、最終回を見終わった時点でもその見解が大きく変わったということはありません。

11話では、ひょっとしたらたまこは商店街を離れ、南の国へと旅立つかもしれない、そんな可能性を仄めかして終わりましたが、そうはならなかった。この作品を通じて語られてきたテーマに、やはりそぐわないからです。うさぎ山商店街という、心の通った人々の温かいつながりの中に幸福を見出せる空間、それを体現しているのが北白川たまこであり、たまこと商店街は密接不可分、「たまこ=まーけっと」なのです。

もちろん、うさぎ山商店街というぬるま湯的とも言えるような空間にいつまでも安住し、そこに縛り付けられることに懐疑的である、あるいは地縁・血縁のようなものをあえて断ち切ったところに人としての成長だとか自我の芽生えだとかがあるといった考え方に立てば、この物語の結末には不満が感じられるかもしれません。

家族とか生まれ育った商店街とか、たまこは所与の環境に依存しているとも言えますが、いくら地縁・血縁といえど、きちんとそれらと向き合い心を開かねば、そこに幸福を見出すことは出来ません。たまこのえらいところはそれを日々の生活の中で自然と楽しみながら成し遂げてきたことであって、そうして築いてきた信頼関係の積み重ねの象徴として描かれたのが、商店街の景品としてのメダルだったのだと思います。

そして、いざ南の国の王子のお后にという話が突きつけられ、決断を迫られる状況に置かれた時、たまこはおそらくは今まで無自覚に感じていたであろう日々の小さな幸せの数々と、自分と商店街との関係を、自らの口からはっきりと語ります。こうした自覚化を通じて改めて商店街とともに歩んでいくという選択を明示することによって、王子とチョイは南の国へと帰っていき、メダルはたまこの手元に残ります。すべては、しかるべきときに、しかるべきところに、ということでしょう。

しかし、何も変わらなかったようでいて変わったのは、デラがただ一人(一羽?)、商店街に残ったことです。OP映像の冒頭で、たまこの帽子から飛び出したデラが羽ばたいていき、「たまこまーけっと」のロゴと一体化するあたり、こうした結末は予告されていたのかもしれません。






もちろん、デラも帰国を先延べにしただけで、いずれは南の国へと帰っていく時がくるかもしれません。しかし、それでうさぎ山商店街と南の国との紐帯がそれっきりになってしまうということはおそらくなくて、デラは翼を持った鳥であることからも、このふたつの世界の架け橋となっていくような気がします。

デラは、最初のうちこそ少々うざったい道化役という側面が強かったですが、回を重ねるごとにキャラクター同士の関係を取り持ったり、視聴者にとっても商店街のあの温もりの中へと引き込んでくれる良き導き手となっていきました。

「たまこまーけっと」という作品は、ストーリーらしいストーリーがないといった批判的意見が出ていた「けいおん!」より以上に、見る人によってはさらに面白さを見出しにくいアニメかもしれません。しかし、全話を通して見た今、個人的には山田監督はじめ京都アニメーションの制作スタッフの方々が創造した「たまこ=まーけっと」という世界観を、自信を持って「大好き」と断言できます。ひとつ不満を挙げるとすれば、やはりこの作品は1クール12話で語りつくすには明らかに短すぎ、様々なエピソードを丁寧に丁寧に、くどいくらい描いてほしかったということです。

デラが「時に凍えそうな日もあったが、そのようなことではなく、ずっとこのあたり(胸)が温かかった」と語ったように、自分にとっても凍えそうな冬の季節、心を温めてくれたのは毎週放映されてきた「たまこまーけっと」でした。これからも、録画やBD、さらにこれから刊行されるノベルで、再びデラといっしょにうさぎ山商店街を飛び回り、史織さんに萌え、たまこたちと幸せを分かち合いたいと思います。

コメント

criant
No.1 (2013/03/29 00:16)
>いくら地縁・血縁といえど、きちんとそれらと向き合い心を開かねば……
『Don't say ‘lazy’』の歌詞にあった、「自分を愛さなければ他人も愛せない」にも通じるものがありますね。自分に関わる存在との間に幸せを見いだせてこそ、他人の幸せも感じられるということでしょうか。

『たまこまーけっと』この3か月間、見やすい作品ではあったと思います。
marty (著者)
No.2 (2013/03/30 03:20)
>> criantさん
自他の関係性において幸せを見出していく、とても大切なことだと思います。
ちょっと注意して見ないと気付かない点もありましたが、全体として素直に見ていけばすっと入ってくる作品でしたね。
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