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ワタミの本はどんな本?

2014/07/08 23:09 投稿

コメント:65

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おひさしぶり!Mistirです。
さて、今回はタイトル通り書評……と見せかけて、そうじゃないです。

最近Kindle買ったんですよ。電子書籍用端末として。
いやー、いいっすね。いつでも読みたい本が読める。
ってことでワタミの本を買った……わけじゃないです。基本的に読まずにとやかく言うの嫌いだから読んでから何か言えよ、って話ですが……彼に1円さえ払うのは嫌です。特に中古本とは違って、電子書籍だったら彼にお金入っちゃいますから。我ながらクソ読者っすね。
ちなみに僕がワタミ死もといワタミ氏を嫌う理由はただ一つ、本人のツイートを生で見ちゃったからです。これ、当時Twitterで実際に見ちゃったんです。
凄いですよね。もう何も言えない。

だから、定義の曖昧な「ブラック企業経営者」故に氏を嫌うわけではないです。ただただ、僕にとってはこの二つのツイート……それだけで十分です。

ということで、ワタミ氏の著作は読んでおりません!
なので語れません!!……ではなく。少し思ったことがあるのです。というか、滅茶苦茶学ぶことがあると思うのです。

さて、そろそろ本題に入りましょう。

渡邉美樹『夢に日付を!』
まず、Amazonで「評価が高い有用性の有る」レビューを一つ。

5つ星のうち 5.0
サイコパスの心理描写がすごい!

サイコパスの心理描写が非常にわかりやすく描写されていてとても参考になる一冊です。
日常生活においてサイコパスがどのような思考をもって行動しているかが実体験を踏まえて克明に記されており、
読者の生活安全に役立ちます。
お勧めの一冊です。

Amazonのレビュー、こういうの多いなぁ。この人読んでねえだろ。
まあいいや。
これを見て思い出したのが、中島義道の言ってたことです。

成功に至るプロセスを語れるのは成功者だけと決まっている。その裏に山ほどいる失敗者の存在は黙殺される

どの本で言ってたかなぁ? あの人、どの本でもわりと似たようなこと言ってるからわかんねぇや。同時に、こうも言ってた。

完全な失敗者の語る本があるなら読んでみたいものだ

……ん?もしかして……
それ、渡邉美樹のことじゃね

本を出した当時は成功者だったのでしょう。でも今、渡邉美樹みたいになりたい人いないでしょ。彼の資産がどれくらいか知らないけど、客観的に見りゃありゃ人生の失敗者だ。
それが一つ。

さて、もうひとつは……おそらく、この人の本そのものは非常に真っ当で、かつ有益なものなんじゃないか?って思ったってお話。

でも読んでないからレビューできねえ!
どうしよう……

あ。

そういえば。

本棚の奥に一冊の本が眠ってたのを思い出した。

プロ論 才能開花編

BOOKOFFで安く買ったんですよ。色んなジャンルのプロが色々語ってる面白い本です。総勢54人収録。
そのうちの一人が……そう。

渡 邉 美 樹

テテーン


わーい、これで読んだ上で色々とやかく言える!(当時読み進めてて渡邉美樹が登場した時は「ギャーワタミだ―!」って思った記憶があります)

さて。細部は飛ばしますが……結論を言います。

言ってること、超まともです。
論理的です。「お前が言うな」レベル99999くらいの中身ですが、逆に言えば語り手が渡邉美樹であると知らなければ、誰もが納得できる内容なのではないでしょうか。

スッゲーまともですよ。うん。ぶっちゃけ「サイコパスの思想が分かる」なんてレビューは完全に的外れで。自己啓発本によく書いてあることを完全に実践したらこうなっちゃうっていう稀有な実例として捉えたほうが面白い。ん?それがサイコパスなのか?まあいいや。

おそらく森は見えるけど木が見えない人なんだな、渡邉さん。その結果、さらに大きな森も見えなくなってる。

さて、これを受けて思うことは色々ある。
人は中身の正しさではなく作者の正しさで判断するんだなとか、鬼畜のような人間でも正論が吐けるんだなとか色々ありますが……
メインとして思うのは、
僕らはこれからどうやって本の中身から、コトバから距離を取るべきかって話。


そーいや佐村河内ゴーストライター騒動以前に「佐村河内のファンです」ってESに書いて、就活中に騒動が起こって落とされたって話もあったねえ。それと非常に似ている。

全然笑えない話だ。

こんな話を考えてみる。
自己啓発系の本を大量に出しててカリスマ性もあるAさん。その人のファンであると公言しているXさん。
Xさんは心からAさんに心酔している。でも、ある日Aさんは悪事という悪事を全て尽くして逮捕され、あっという間に死刑宣告。
Xさんは叫ぶ。
「違うんだ!読んでくれれば分かる!書いてあることは正しいんだよ!」

うーん、笑えませんね。

だからある意味、もうこの世にいない人を尊敬しているって言うのは正しいのかもしれない。
……なんて不謹慎かな。

こんなことを言うのは、僕自信が渡邉美樹という一人の人間の「凄さ」を認識してるからだ。並大抵だとできないことを、彼はやってのけている。
だからこそワタミのイメージがそう悪くなる前はテレビにも出ながらのうのうと発言を繰り返せていたのだろう。間違いなくカリスマ性のある人間だ。
それでも……化けの皮が剥がれちまったあとならなんとでも言えるが……
今現在、成功者として彼にインタビューしようと思う人はいないでしょう。世の中そんなもんだ。

自己啓発系の本の恐ろしい部分を、渡邉美樹の本は全て語っている。
それでも僕は色んな本を読むだろうな。ぶっつりと、作者と本の中身を「切り離して」。これは知的な人間だけにできる楽しみなのです。少なくとも、渡邉美樹の本に「サイコパスの心理が分かる」なんてレビューしたり、それを評価する段階からは一歩進んだ「愉しみ」ではあります。

……とはいうものの。
ワタミの本にカネを払って読む気はないので、僕も完全に「切り離す」ことはできてないです。まあわざわざ彼の本読む暇あるなら山ほどある他の人の本読むわな。


さて、ここからは「冷静な読者」として、彼の言ってることに対しロジカルに(?)批判を加えてみようと思います。
「プロ論 才能開花編」より引用します。


「夢に日付を」。これは僕の座右の銘です、目標を定め、いつまでにそれを実行するかを決める。そうすると、人は変わります。何が変わるのかといえば、今日が変わるんです。そして今日を変えることで、明日が変わる。やることがはっきり見えれば、毎日が変わっていきますよ。(文庫版p.235)


こんなもんサイコパスの思想でもなんでもありません。
マトモ……だからこそ怖い。
おそらく、主著である『夢に日付を!』でも同様のことを書いてあるのでしょう。

で、マトモであることを認めながら、僕は真っ向からこの考え方に反対いたします。
ワタミが言ってるからではありません。
日付を決めて、その日までに頑張る……これは時間制限を自らに課すやり方であり、メリットは確かに大きいです。焦りが生まれ、取り組み方が変わる、それは事実。
ですが大きなデメリットもあります。
1つは、「追われる人生」になってしまうということ。
これはなかなか辛いです。特にこんな発言に影響されてしまうような真面目な人たちなら、夢に追いかけられぶっ潰されることがあります。
どーせ仕事では納期が大事になってくるんだから、パーソナルな目的で納期に追われる必要はないと思いますね。
そしてもう1つ……このもう1つは、おそらくワタミ氏には想像もつかないことでしょうが……

このやり方、失敗したときのダメージが二重の意味ででかいんです。
精神的に「ガーン」ってくるって意味でのダメージ。こっちは時間で回復します。
ヤバイのはもうひとつの方……
「目標達成が時間内にできなくても、別に何の意味もない」って思っちゃいながら、次からも時間を定めた目標設定にしちゃう……つまり、ずるずるいっちゃう可能性があるんです。
こーなっちまうと、目標もへったくれもなくなります。

じゃあ僕はどう考えているか?
『嫌われる勇気』にも『勝ち続ける意志力(格ゲーで有名なウメハラ著)』にも似たようなことを書いていましたが、トップダウンではなく、ボトムアップする目標達成術が最も有効であると考えています

この記事に非常に詳しく書いています。
誤解されやすいけれども実は本質的な、「目標をもたない」という生き方

詳しくはリンク先をお読みください。「これ、渡邉美樹へのあてつけじゃねえかwww」って言いたくなること請け合いです。

ダメ押しでもう1つ。
渡邉美樹式のやり方は、不確定要素の入り込む余地が少なすぎる

もちろん目的を持つことは大事ですが、それでも人生なんて不確定なもんです。
何が起こるか分からない。
例えば、あくまでも例えば、凄く業績が好調な会社を経営してたし自分自身にも人気があったけど、社員に過労死が出てその対応もミスった結果、自分の名前が最悪のイメージとして世間に響き渡り、後世に汚名を残すことになるってだけじゃなく業績もガタ落ちってこともあり得るんです。
あくまでも喩え話です。

期日に縛られてそれを変えるに変えられない状態なんて、夢の奴隷です。そんな生き方ヤダ。
ボトムアップ式の考え方だと、目的を見失わず、かつ目的に縛られない。お得!

まーそれでも、実際目標に期日を設ける方法にもメリットはあるので、どちらを取るかは自由です。

一生かなわないような遥か高みを一生かけて目指していく。そんな在り方もいいと思うんですがね。

みなさんはどうでしょう。
僕はぼちぼちジョギング行ってきます。

【今回のおまけ】
ウメハラの『勝ち続ける意志力』滅茶苦茶面白いっすよ。あとKindle超便利。
このブロマガは何かモヤモヤとした考えが頭の中に浮かんだとき、それを整理しつつ、ついでに共有できれば一石二鳥だって考えながら書いてます。今回も色々思ったこと整理できてよかった良かった。スッキリ。

コメント

(著者)
No.65 (2015/05/25 22:13)
>>37
コメントありがとうございます。ブロマガ復帰に伴い、非常に遅ればせながら少しずつ手付かずになっていたコメントを返させていただくことにしました。

そう、狂気に足を踏み入れたとしても、それを客観視できなくちゃダメなんですよね。長続きしない。狂気的なモノはおそらく必要だけど、もっと必要なのは「正気」なのかもしれませんね。
(著者)
No.66 (2015/05/25 22:15)
>>40
コメントありがとうございます。ブロマガ復帰に伴い、非常に遅ればせながら少しずつ手付かずになっていたコメントを返させていただくことにしました。

うーん、どうでしょうね。僕も良い本で、かつ実践できそうなものは即座に実践してますので……ホント、もしかすると僕もサイコパスなのかもしれませんねw
サイコパス自体は、あるいは狂気自体は「悪」じゃないんですよね。あくまでも、「行為」が悪ってだけで。渡邉美樹の「悪」は、思想じゃなくその「行為」なんですよね。
(著者)
No.67 (2015/05/25 22:17)
>>41
コメントありがとうございます。ブロマガ復帰に伴い、非常に遅ればせながら少しずつ手付かずになっていたコメントを返させていただくことにしました。

そうですねぇ、僕はたまに、スラムダンクのトレスのことを考えると、今トレスで叩かれてる人見てすっごくフクザツな思いになったりします。
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