雑学的兵器談話

日本軍事四大不要論

2015/07/12 21:00 投稿

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こんにちは。 久々に投稿のミラーです。

本日は日本のミリオタ界隈で良く出てくる四大兵器不要論にそれぞれの視点から当たっていこうと思います。

四大不要論と言っても、「これは違うだろ!」といったご意見もあるかと思いますが、あくまで個人的な意見なのでご容赦下さい。

その不要論は、以下のような種類があります。 1、「戦車不要論」 2、「空母不要論」 3、「戦艦不要論」 4、「戦闘ヘリ不要論」

まず、一つ目から行きましょう。

1、「戦車不要論」
これは日本の様な島嶼国家を対象として言われる不要論の一つです。
不要派の主張は主に「対戦車火器や航空攻撃の前に戦車は無力であり、コストのかかる棺桶」「島嶼に於いて戦車が活躍する余地はない。むしろ揚陸された時点で負け」の二種類があります。
まず前者に対してですが、「対戦車火器や航空攻撃に戦車の任務が出来るのか?装甲・火力・突撃力を活かし、衝撃力を発揮して敵戦線を突破ないしは後退させる事は戦車の任務」という必要性からの反論が成り立ちます。
次に後者に対しては、「そもそも洋上阻止を完遂出来る時は敵が揚陸を企図出来ない状況である。そして洋上阻止を行うには敵海軍を殲滅する様な極めて膨大な戦力を集中する必要があり、如何に偵察衛星などの監視手段が発展した今日でも、広い海岸線全域を海空軍のみで防衛するのは不可能。そして着上陸阻止には機動戦闘車の様な戦略機動性の高い兵器が必要であり、揚陸された場合は戦車の様な敵を海へ追い落とす装備が必要になる」という反論が成り立ちます。
以上の点から戦車は島嶼国家に於いても重要な陸戦兵器と言えるでしょう。

2、「空母不要論」
これは良く「コストからとても維持できない」という正論と「空母自体に兵器としての価値がなくなった」という突飛な意見があり、主に後者に関して述べます。(前者は理論でどうにかはならないので。)
まず、空母の戦術価値ですが、これは現在も変わりません。
理由としては「航空機のプラットフォームとしての空母の価値は現在も変わらず、自軍航空基地から遠方になればなるほどその価値は高まる。またミサイルの長射程化により水上艦の立場も向上しているが、これは空母に搭載される航空戦力にも適用され、相対的な価値は変わっていない。但し、自国空軍の支援が届く近距離に於いて相対的に価値が下がるのも事実である。」
以上の点からよく議論になる「現在の日本に空母は必要か?」という議論に関しては、「日本が何処まで権益を守るかによる」という結論が出ると自分は思う。
例えば「現行の日本本土防衛に限った防衛範囲」とするなら海自は空自の支援下で戦え、空母は当然不要となる。
しかし、それならば海自自体が小型艦艇主体の沿岸海軍でも事足りてしまうとも言え、ならより遠方のシーレーン防衛を含めるとどうなるかという話になる。
シーレーン防衛は日本の貿易航路を守ると共に、中国の太平洋進出阻止という政治的役割もあり、単に貿易航路を変えれば済む問題ではない。
これを解決するには現在の強力な対潜戦闘能力に加えて、沿岸の敵対国家から来る可能性のある航空攻撃に対処する必要がある。
イージス艦の導入理由はまさに、Tu-22Mに代表される長距離進出可能な対艦攻撃能力を持つ航空兵力に対抗するためだった。
しかし、これに関してSM-6の導入をもってしても、イージス艦主体の防空では限度があり、艦隊航空戦力を保有しないとなると、第二波・第三波と攻撃が来れば厳しい展開が待ち受けており、敵機もイージス艦の射程外から攻撃する事を目指す事から、発射母機の数は減らず、攻撃が継続する事が予想される。
また海外基地への空自展開も出来るだろうが、外交的障害や補給問題も解決する必要がある。
空母も補給が必要とはいえ、継続的に外洋で作戦する事は当初より想定できる。
しかし、陸上基地も備蓄は出来るとはいえ、インフラを展開先に依存する度合いは大きくなり、本国から離れるほどその維持と防御は厳しくなる。
また地形的な問題から運用できる規模が制限される可能性も考慮する必要があり、敵地が近くなれば、当然先制攻撃を受ける可能性も高くなる。
以上の事から、一概に空母不要とは言えないと思うのだ。
海洋に権益を持つほとんどの国家で空母建造の企画が度々出るのはそれが理由だと思っている。
また、よく潜水艦に空母は弱いという意見があるが、そもそも潜水艦の魚雷に耐えられる艦艇はそうそう無く、これはその他の艦艇も不要というようなものだ。
駆逐艦などが対潜作戦に向くとされる理由は、単に潜水艦を追尾するのに大きすぎないからであり、潜水艦の雷撃の目標となり難い訳では無い。

3、「戦艦不要論」
次に戦艦不要論だが、大多数の意見は「航空戦力または潜水艦の発展で戦艦の価値が失われた」というものだと思う。
これに関しては、そのまま捉えると水上艦艇の価値その物が失われたとなってしまい、個人的には疑問を感じる意見だ。
戦艦の存在意義は、その巨砲であり、その価値を真に失わせたのは対艦ミサイルの発展であると自分は考えている。
そもそも水上艦の存在意義、ひいては海軍の存在意義を述べるならばその任務は「戦力や物資の輸送、そしてその護衛と妨害」であると言える。
その任務に於いて、積極性はあるが一時的な攻撃である航空戦力と受動的な攻撃にならざる得ない潜水艦には、輸送船団の護衛や空母の護衛といった任務を単独で完遂するのは困難であり、火力プラットフォームたる水上艦艇の価値は大きい。
そしてその一つである戦艦を葬ったのは、コスト面で大きく進歩し、威力も同等になりつつあった対艦ミサイルの存在が大きいと思うのだ。
確かに西側諸国では対艦ミサイルの威力が知れ渡るまで積極的な開発はされてなかったが、同時に50年代まで西側列強諸国では戦艦を維持していたのも事実なのだ。
また、装甲に関しても、WW2に於ける各海戦で従来予想されていたよりも小口径(重巡の8インチ砲等)でも戦艦の戦闘能力が削がれたり無力化された為、戦後の艦艇で装甲された大型艦が少なくなったという背景も考えられる。(コスト削減の観点からもこれは重要だった)

4「戦闘ヘリ不要論」
戦闘ヘリは対空火器に脆弱なため、不要であり無人機やCOIN機に入れ替えた方が良いという意見がある。
しかし、それならヘリ型の無人機が開発されるのに対してどのように否定するのだろうか?
そもそも、戦闘ヘリは「空飛ぶ砲兵」としてヘリボーンに随伴可能な火砲という立ち位置で誕生した経緯がある。
それが、対戦車ヘリとして発展した冷戦の歴史を経て、現在のガンシップとしての役割を持ったという流れが無視されがちだ。
また、戦闘ヘリは攻撃機と違い、プラットフォームが簡単に済む(飛行場がいらない)事や部隊に比較的長時間随伴して火力支援を提供できる事、固定翼機と違い地形を利用した待ち伏せなどができることを無視されているのは問題だと思う。
イラク戦争の攻撃ヘリの大被害やアフガンへのソ連侵攻での被害の理由の大半は、運用側が不用意に対空火器の隠ぺいされているであろう場所に近づき、射程外やそのギリギリからの攻撃を徹底しなかったからといえる。

加えて、輸送ヘリや汎用ヘリは、オスプレイのようなティルトローター機の登場こそあれ、今後も空飛ぶトラックとしての活躍が期待されている。
海軍に至っては、固定翼対潜哨戒機より対潜ヘリの方が運用の比率が高まっている事も注目に値する。
米海軍の空母艦載機から固定翼哨戒機が姿を消し、駆逐艦搭載型と空母搭載型対潜ヘリがMH-60として統合されたのは、良い例だろう。

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