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MMD杯ZEROを終えて

2018/10/01 01:14 投稿

コメント:1

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さて、まずはMMD杯ZEROに参加された方々、視聴された方々、そしてビームマンPを始め、運営に関わった多くの方々、お疲れ様でした。今回はいち参加者として動画を投稿させていただいた次第でしたが、まさか三人もの選考委員の方々に受賞作品として選んでいただけるとは夢にも思っていませんでしたので、恐悦至極、身に余る光栄に頭が上がらない日々が続いている次第であります。

 予想以上に予想外の反応をいただくことが出来た本作「サビがくっそダサいダンス部(sm33737682)」でしたが、振り返れば中々色んな事があったかのように思います。
 受賞をさせていただき、多くの方に視聴していただいた感謝の気持ちの代わりになるかは分かりませんが、本動画のちょっとした裏話を、ここでは紹介していこうかなと思います。長文駄文失礼しますが、お付き合いいただけましたら幸いです。

ーその1- ~事の発端と影響を受けた作品~

 さて、本作ですが、実はネタの構想そのものは4年程前からありました。ネタの発端となったのは、第13回MMD杯の中で投稿された、とある動画がきっかけでした。
 それはbonco氏が投稿された、「
【第13回MMD杯本選】奥州ずんだランド開園!!【MMD戦国BASARA】(sm24245859)」。見ていただくと分かると思いますが、何かとにかく普通じゃない。でも、例えようの無いパワーに、当時とても大きな衝撃を受け、「ああ、こんな動画を作ってみたい」と、当時の私は思いました。


↑謎のずんだ推しもあってとにかくずるいbonco氏の作品

 何がすごいって、戦国BASARA全く知らないけど腹抱えて笑うことが出来たんです。例えその作品を知らなくても、登場する人物を楽しむことが出来る。そんな作品作りをMMDは出来るんだと知った瞬間でした。
 んで、この作品で使われていたBGMが、「サンダーサイバーサイダー」でした。私の作品は「ダサい」を推して作られていますが、曲のタイトルをダサいにかけていたわけではなく、ただこの時使われていた「サンダーサイバーサイダー」で作品を作ってみたい。と思ったのがこのBGMを選んだ理由です。あとは今まで挑戦していなかったダンスPVのジャンルをやってみたい、というところから、本作の構想はスタートしました。色々訳あって、そこから4年の歳月が流れることになるのですが、それを実現するきっかけとなったのが、今回のMMD杯ZEROでありました。

ーその2ー ~何故ダサくしたか~

 ただダンスPVに挑戦するなら、モーションをお借りして、カメラワークやエフェクトのスキルを上げて行くのが多分基本なんだろうなと思います。てかそれが本来正解なんだと思います。私がそれをしなかったのは、動画を見ていただく上で存在する、MMDならではの大きな壁を意識していたからです。
 それは、「個性を掴んでもらいにくい」というところでした。恐らく9割以上のMMDerの方々は、誰かが配布しているモデル、ステージ、アクセサリ、モーション等を拝借し、それを使って動画を作っているかと思います。そうなると当然、作った人は違っても、見た目や動きは同じな動画がどうしても出来てしまいがちです。
 MMD杯ZEROという一大イベント。どうせなら多くの方々の記憶に残るものを作りたい。けど、知る人ぞ知る有名なMMDerの方々に、私の技術は到底及ばない。「これが久々という人の動画か」「この動画を作ったのが久々って人なのか」というのを知ってもらうためには、「私にしか作れない、あるいは馬鹿ばかしすぎて私くらいしかやらないネタを完成させる」必要がありました。そして辿り着いた答えが、本来ダサい時点でマイナスポイントにしかならないダンスを、「ダサくしつつもカッコよさを共存させ、踊りきらせること」でした。
 そしてそのバランスを曲の終了まで維持するために設けたルールが「サビのみをダサくする」だったのです。



↑サビ部分のモーションは実際に踊ってを色々試行錯誤して3パターンになりました。

 あと、サビモーションを作る上で心がけていたことは、「既存の動きにしない」ことでした。キタキタ踊りとかモリヤステップとか色々コメントはありましたが、それらのトレースは一切していません。
 何故ならそれを知らない人は楽しめないからです。東方ジャンルを知らない人にモリヤステップなんて言っても、何のことかはさっぱり分からないでしょう(東方内でも知らん人いますし)。全員の理解度、スタート地点が同じであること。特定ジャンルだけを突出させないダンスのオールスターにおいては、そういった考えが大事なんじゃないかなと思い、全てのサビ部分は作者が直接踊ってダサいと思ったものを採用しています。

ーその3- ~人選~

 使用する楽曲とやる事が決定したので、カメラワークは凡そ脳内で完成してました。後は脳内で動いている人物を誰にするか……? 脳内のカメラ割りを曲のテンポに合わせて色々考えてみた結果、ちょうどいいと判断したのが7人、という人数でした。
 多くの人に、ネタを知らなくても楽しんでもらうために、ジャンルはオールスターを起用。所謂「御三家」と言われているらしい「初音ミク」「博麗霊夢」「天海春香」の三名はすぐ決定。男性は入れたいと思っていたので、残りを男性2名、女性2名のバランスに決定しました。あとは、全員が主人公であること。これを意識し、メンバーの選出に入りました。
 最初に悩んだ女性2名。こちらは割かし早く決まりました。擬人化ゲームの一大ジャンルを築き上げ、MMDジャンルとしても大きな地位を誇る「艦これ」、ニコ動のみならず、アニメ業界に大きなブームを巻き起こした「けものフレンズ」。奇しくも元より命が有るものと無いものの擬人化同士が組み合わさることとなりました。けもフレはかばんちゃんとどっちにしようかなと迷いましたが、既にボーカロイド、巫女(人間)、アイドル(人間)、駆逐艦と人間率が高いですので、けものが踊ったっていいじゃない、という理由でサーバルちゃんに決定しました。


↑いざ躍らせると尻尾がピョコピョコ揺れるあたりがいい感じにキュートでした。


↑吹雪恥ずかしがってるというコメントがありましたが、実はこのほっぺはデフォルトなんです。

 悩んだのは男性2名。イーノックは即決でした。MMD界隈での知名度が圧倒的だったのもありますが、他のメンバーと並べた時に、何か謎の安心感があるキャラ、それがイーノックでした。多分この面子の中ではさりげなく副部長的なポジションだと思います。


↑その場にいるだけで周りが引き立つ。イーノックは縁の下の力持ちでした。

 最後まで悩んだのは真田幸村でした。他に候補として上がったのは、空条承太郎(ジョジョ)、藤丸立香(FGO)、鏑木・T・虎徹(タイバニ)などなど。決定打となったのは、イーノックとの対比。比較的ガタイが良く、かつ西洋人であるイーノックと対になる、細すぎない爽やか体操のお兄さん的ポジションとして、幸村が最も適していると判断しました。


↑登場作品的に日本人と分かりやすかった部分もありますね。

ーその4- ~真顔~

 あからさまにダサいダンスを踊ってるのに、全員が真顔で踊っている。これには大きな狙いがありました。それは「理解と不可解の差を広げること」でした。
 これは個人的な見解に過ぎませんが、人が何かを面白い、おかしいと思うメカニズムにおける重要な要素の一つが、「理解出来ること」であると私は思っています。そして「理解出来る状況」と「理解出来ない不純物」、この二つを見る側が認識、理解できて、その距離が大きいほど、面白い、おかしいと認識すると思っています。
 ダウンタウンが昔やっていた「ゴレンジャイ」のネタを例に挙げてみると、「5人のヒーローがやってきた」という理解出来るお決まり展開の中に、「色が被っている」「そこを指摘されても押し通す」という不純物と異常事態がある。見てる側は、「本来あるべきもの」が理解出来ていて、それを阻害する「不純物」と「異常事態」を理解出来ているからこそ、そこに笑いが生まれるんだと思います。
 今回の動画でいうならば、「かっこいい曲とダンスモーション」という理解出来る展開の中に、「サビだけダサい」という不純物が混じっている構図であることが分かると思います。
 ただ、正直私はこれだけだとパワーが足りないと思いました。この動画に配置された「理解出来る展開」と「不純物」。それにトドメをかける「異常事態」こそが、「真顔」だったんです。
 誰が見ても明らかにダサいはずの振り付けを、誰一人疑問を抱かず真剣に踊っている。それどころか最後のほうでは完全に「やりきった感」すら出している。ああ、これがこの動画の世界観なんだな。この流れを見る側が段階を踏んで理解出来るように表現するため、各キャラクターには一切の顔芸等を禁止しました。
 彼女達は恥ずかしがっているわけでも、ウケを狙っているわけでもない。それをしてしまうと、理解と不可解の距離が縮んでしまう。本気でこのダンスがが正解であり、このダサさが彼女達が目指した到達点なのだ。私達が通常「不正解」だと切り捨てるものを「大正解」だと頑として押し切る。この格差を理解してもらうことが絶対的に必要不可欠だと思い、真顔と純粋な笑顔を追求しました。

 あとはやはり、彼女達を「笑い者」にしたくないというところがありました。やってることはおかしいんだけど、これを踊り切ったことは、彼女達にとってはハッピーエンドであり、彼女達は自分のやりたい事を出し切った。我々が笑うべきなのは、彼女達の奇怪な「行動」ではなく、これを良しとする「世界観」なのだ。見てる人が笑うべきポイントはどこなのか、そもそも変なものを作る以上、ここは色々と強く意識したつもりではありますが、伝わったかどうか……?



↑春香さんはアイドルなので、カメラにちゃんとウィンクさせる。たとえポーズがダサくても。


↑顔芸モデルと言われること多いですけど、正解は一つではないと思っています。



↑ダンスのクライマックス。踊りきった!っていう満足感を彼女達が感じてるように意識しました。

ーその5- ~苦労した点~

 今回の動画では2点ほど苦労したことがありました。その一つは「ダサいこと」、もう一つは「精神的事情」でした。
 1点目の「ダサいこと」ですが、これはダサい部分のモーションを作ってる状態の時。まだステージの配置やエフェクトの設定もしてない空間で、ただダサく踊っているキャラを見た時、「何作ってんだ自分?」「ダサすぎて見てらんないんだけど本当に面白いのかこれ……?」という不安に駆られました。生放送に来てくださった視聴者からも「大当たりか盛大にスベるかのどっちか」という言葉をもらう程に、初期スタート時の状況に不安しか無い状態がしばらく続きました。
 作業が中盤に差し掛かり、カメラワークやエフェクトにより全体の形が出来上がってきてようやく、「お、いいぞ~いい感じのダサい、うん! ダサい! いいね!」というやっぱり第3者から見たらなに言ってんだお前な状況でしたがようやくイメージと合わさってきたからよかったよかった。今思えばダサいことに喜ぶ作者ってのも変なものでしたね(笑)

 2点目は「精神的事情」。あまり多くは語れないのですが、わたくし久々は去年の冬頃から仕事のプレッシャー等の事情もあり、大分自信喪失してる時期を長く過ごしていました。普段製作していたはずの東方MMDドラマの作業が遅々として進まなかったのは、「自分が何をしても面白いものを作れる気がしない」という精神状態であったため、MMDを開いても何も思い浮かばない日が続いていたからでした。うん、ぶっちゃけます、はっきり言って欝でした。今だからこそ友人とのモンハンで大樽爆弾漢起爆やらかす程度に回復してますが、一番やばい頃は車の運転中に急に涙が流れたり、酒飲んでないのに自宅で吐いたりと、色々やばい状態になっていました。
 今回の選考委員である豚野郎様は、「製作の手間を最大限省いた作品」と語っていましたがそのとおり。あの時の私には多くの手間をこなせるだけのモチベーションや自信が無く、最低限の手数で動画を完成させざるを得なかったんです。
 それでもこの動画を作ろうと踏み切ったのは、「それでも何かを作っていたい」という願望を捨て切れなかったからです。不恰好でもいい。出来が悪くてもいい。何かを完成させたという結果を今は残したい。その一心で、最低限の作業工程にしがみつきながら、この作品は完成しました。

ーその6- ~MMD杯ZEROを振り返って~

 そんなこんなで色々あって、本作は完成しました。で、完成して、動画を投稿し、何度も、何度もコメントの更新を数分単位で確認してました。その中でちょっとずつ、数年前に寝る間を惜しんで動画作成作業をしていた当時を思い出しました。「こういうコメントが付くといいな」「ここのネタ気付いてくれてるかな」そんな思いに視聴者の方々がコメントで応えてくれた時、「ああ、この動画作ってよかった」って心から思いました。数年前と同じ、朝起きて、仕事から帰って、寝る前に、ブラウザを更新し、新しい反応が来ていないかと心を躍らせる。あの楽しみを、本当に久しぶりに味わうことが出来たと思います。
 MMD杯ZEROというイベントは、私にものを作る楽しさを久しぶりに思い出させてくれたイベントでした。歩みは相変わらず遅いでしょうが、多分私はまた何かしら、性懲りも無く作るんじゃないかと思います。
 それは案外早いかも知れないし、はたまた忘れた頃かも知れません、ただ、もしもまたどこかで、「お久しぶりです、久々です」と顔を出した時には、「あ~、あのダサい人か」と思い出していただけたのなら幸いです。

 最後になりますが、この度は私なんぞの作品を見ていただき、そして評価していただき本当にありがとうございました。身に余るこの結果に恥じないよう、更なる進化を遂げることが出来るよう、これからも頑張っていきたいと思います。それでは、次は作り途中のドラマの再開ですかね。完成した頃に、またお会いしましょう。では、また。



MMD杯ZEROに参加された多くの方々、本当にお疲れ様でした!

コメント

薩摩の原発
No.1 (2018/10/01 10:36)
>全てのサビ部分は作者が直接踊ってダサいと思ったものを採用しています。
アレ実際に踊ってたのか……
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