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映画「オートマタ」紹介(公式HP程度より弱めにネタバレ)

2016/03/17 19:00 投稿

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http://automata-movie.jp/


 世間受けはしないと思うけど、SFファンは見過ごせないタイプの作品。

 ストーリーが公式サイトでかなりネタバレで書いてありますので、読むか読まないかは各自の判断で。
http://automata-movie.jp/story.html

 見る見ないは別として、あまりネタバレにならない程度に引用すると

 2044年、太陽の活動が異常になり、地球の大部分は砂漠化。人類の人口は全世界で2100万人と大幅に減少する。生き残った人間は、ある会社が開発したロボットの助けを借りて、なんとか社会機能を維持している。
 ロボット達の助けで、砂漠化を防ぐ壁と、乾燥を防ぐ機械の雲から降る雨(ただし汚染されており、直接雨に濡れてはいけない)に守られて、人間は暮らしている。街はスクラップにまみれた、どこかすさんだ雰囲気。だがロボット達による地球環境を元に戻そうという試みは失敗し、ゆるやかに人類は滅亡しつつある印象。
 主人公はそのロボットを作った会社の保険調査員。ロボットがトラブルを起こした時に、それが人間側のミスか、ロボットの異常かを見極め、保険金額を算定する。

 ロボットはアシモフの三原則ではなく、2つのプロコトルに従って行動する。

1.生命体に危害を加えてはならない
2.ロボット自身で修理・改造をしてはならない

 ロボットはルンバみたいな充電式で、バッテリーの残りが少なくなると充電ブースに戻ってくる。なのであまり長時間の行動はできないし、行動範囲も限られる。

 ロボット嫌いの刑事が、何らかの事件を追っていて、一体のロボットを破壊する。主人公はそのロボットの部品が、本来使われてはならない、別のロボットの部品であることに気付く。
その部品は、本来今も別のロボットに装着されている事になっている。つまり会社ではない
誰かが、このロボットを違法に改造したのだ。
 主人公は本来この部品を持っている筈の溶接ロボットを調べに行くが、ロボットは調査を
拒み、自らオイルをかぶって火をつけ、「自殺」する。
 最初のロボットにも、自殺したロボットにも、そのカーネル(この映画ではそう言っているが、CPU程度に理解してもいいのかな。ウィキで読んでもよくイメージがつかめない。昔なら 電子頭脳 ひと言ですんだのだが)の中から第2プロトコルが削除されていることがわかる。
 だがカーネルはプロテクトされていて、そんな事をすればカーネル本体が壊れてしまうはず。相手は高度な知識と技術を持っている。

 主人公はロボット嫌いの刑事(彼は何故ロボット嫌いなのか、というはっきりした説明は無かったが、鉄腕アトムに出てくるロボット嫌いの探偵とたぶん同じような描写がある)と協力し、誰がロボットを改造したのかを調査することになる。二人で聞き込みに行った先は、ロボットの娼館だった。そこで一番売れっ子のロボット娼婦が、刑事によれば怪しいらしい。そのロボット、クリオは、柔らかな物腰で会話も巧み。知性さえ感じさせる、少し他とは異なる印象を持つ。
 だが刑事はいきなり彼女の脚を撃ち、娼館の経営者から追い返される。何をするんだ、といぶかる主人公に、刑事はこれで、あのロボットを誰が修理するかがわかる、という。
 クリオが深夜、ひそかに運び込まれた場所には、女性科学者がいた。彼女は、第2プロトコルはロボットの進化を制約しており、これを取り除けばロボットはもっと進化するという。もしかしたら人間を凌ぐほどに。

 という感じで、主人公はどんどん何かに巻き込まれていきます。活劇的なシーンも少しはあるけど、それを見せるのが目的ではなくて、知性とは何か?ロボットは知性を持ちうるのか?もし持ったとして、それは人間の知性とは違うのか?などという古典SF的と言うか、哲学的というか、ロボットが反乱を起こす、というのともまた方向が違う、静かな印象の作品になっています。また主人公の記憶なのか夢なのか、海辺で子供が亀と遊ぶ映像が繰り返し挿入され、どこかノスタルジックな雰囲気もあります。何かを渇望しているのだけど、それが得られないような雰囲気も。

 前半に舞台となる雨の降る街は、誰が見ても「ブレードランナー」を連想するでしょうし、街を囲む壁の周囲はスラム街というかジャンクヤードみたいな感じで、街に入れてもらえない人間たちがゴミをあさって暮らしている。「第九地区」や「エリジウム」にもこんな街出たかも。さらに周囲を取り囲む砂漠は、紫外線が強くて人間は長く活動できない世界。砂漠を舞台のSF映画のあれやこれやも思い浮かびます。

 ロボットは何かを願っているが、それが主人公にはなかなかわからない。反乱でもない。自殺でもない。いろいろあって、主人公はロボットと共にその何かを探すような羽目に。

 主人公には妊娠中の奥さんがいて、名前はレイチェル。ブレードランナーのヒロインの名前ですね。

 でもこの作品のヒロインは、どちらかというとロボットのクリオ。彼女を演じるのは、人間の俳優でもなく、CGでもなく、着ぐるみでもない本物のロボット。パンフレットには人形師が動かして、その人間をCGで消した、と書いてあります。声は人間が当てているのだと思いますが、どなたかはわかりませんでした。日本で役立たずと言われて不憫な未夢ちゃんを使ってこういう作品が作れないものかと思ってしまいます。
 瞬きはするものの口は動かず、能面のように表情は全然変わらないのに、だんだん感情があるような気がしてきます。ただ、娼婦ロボットとはいうものの、胸は硬く、間接も剥き出し、お腹には空洞がある、というものなので、これでコトにおよべるのはかなり上級者に限られそう。
 スターウォーズのR2-D2みたいな例はあるが、中に人間が入っていない、CGでもない、
2足歩行するロボット(本物)が重要な役として登場するのは、「スペースサタン」以来久々に見たような。

 主人公を演じるアントニオ・バンデラスと、女性科学者を演じるメラニー・グリフィスはもとご夫婦だとか。また、この女性科学者はスーザン・カルヴィン(アシモフのロボットものの登場人物。キャルビンとも)を思わせる、とSFマガジンの映画紹介で書いてあった。
 アシモフとか攻殻とか好きな人は、見ておくべき作品かも。雰囲気で押す作品なので、劇場で見れないのであればテレビでCMが入っちゃうより、DVDかネット配信の方がいいような気もします。
 製作はブルガリア、アメリカ、スペイン、カナダの共同制作、俳優もスペイン、デンマーク、アメリカ、スタッフはブラジル、イスラエル、メキシコ、と国際的。ハリウッド映画とはちょっと違う感じ。

 チラシやポスターにはクリオの横顔が出てはいるのだが、私が思うにあまり魅力的・印象的ではなく公式ページにも映りのいい写真があまり無いので、下のような写真を見せたほうが観客動員数は増えたのではないかと思うのでパンフからコピペします。元が小さい写真をケータイで撮ったのでご勘弁を。





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