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「吾輩は猫である(夏目漱石著)」

2020/07/17 19:00 投稿

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  • 夏目漱石


・小学生の時にためになるから、みたいに言われて読もうとしたけど全然面白いと思わなくて挫折した本。40年以上過ぎてようやく読み終えた。
 以前挫折した子供向けの本は長くても適当に刈り込んで所定のページ数に収めていたんだと思うけど、文庫で500ページを超える大長編だった。
 それでどんな波乱万丈の話かと言うと、何も起こらない。

 ただウダウダとお馬鹿な仲間とどうでもいいような馬鹿話をして毎日を忙しく腹だたしい事多くそれでものんべんだらりと過ごしながら、もしかしたらいつかこんな境遇を抜け出す日が来るかもしれない、と思っている主人公とその仲間たちを冷ややかに猫が観察しているみたいな。

 最初の方にちょっとだけ猫の社会の描写が無くはないけどすぐに終わってひたすら猫による人間社会の観察に移る。時々猫がネズミを捕ろうとしたりみたいな話もあるけどたいていはひたすら猫による奇人変人閲覧記録みたいな。
 当時は大ベストセラーだったわけだけど、何が当時の人に受けたんだろう。

 「ホトトギス」という雑誌に明治38年から39年にかけて11回にわたり連載されて、連載中に単行本の上巻、中巻が出て40年に下巻が出る。
 この間に筆名が上がって小説中にも教師を辞めたい様子が見えるけどめでたく辞めて専業作家になる。運命を変えた作品だったわけだ。つまり連載開始時点では漱石は世間的に無名であって、最初は同人誌に内輪受けで楽屋落ちの話を同人会員には誰がモデルかわかるような感じで書いたのが思いがけず世間受けしたのかな、という気もする。あるいは人が自分の心の内を書いて見せることが斬新だったのか。

 作中に書かれる描写がサザエさんみたいに、当時のそういう知識人と分類される境遇の人の生活の内側に入り込んだような気持ちにさせて、アルアル、とか好奇心とかを刺激したものなのか。明治時代の風俗とかに興味がある人には貴重な資料かもだけど、当時の人には当たり前のことを書いたのだろうからどのへんが物珍しかったのだろうかと思う。

 2016年が漱石の没後100年とかで、朝日新聞に新聞小説風に連載されたりもした。

 当時の日本語の文章や社会風俗を知るみたいな興味は感じるけど、今の人の読みどころはどのへんなんだろう。

 というわけで私にはいまひとつ共感が無いんだけど、気になるものを読み終えたという感慨はあるかな。

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